去る1月26日、ニフティIoTデザインセンター主催のイベント「IoTの『T』が見れるでShow!」が開催された。同イベントは、IoT系のサービス・ モノ・テクノロジーに関する展示&デモンストレーションと、各社製品やIoTに関連したLT(ライトニングトーク)・ミニセミナーで構成される。本稿では、LT・ミニセミナーを中心に、同イベント内容をお伝えしたい。

デバイスメーカーの悩みを「IoTデザインセンター」が解決

ニフティIoTデザインセンター センター長の市角栄康氏

LT・ミニセミナーのトップバッターとして登壇したのは、ニフティIoTデザインセンター センター長の市角栄康氏。「IoTのお困りごとを解決『ニフティ IoTデザインセンター』~IoTの実現をサポートするニフティの取り組み~」と題した講演を行った。

まず市角氏は、デバイスメーカーがIoTビジネスを展開する上の悩みとして、デバイスからIoT製品を作り出す過程にある「アイデア・企画」や「インターネット設計・開発・検証」を挙げる。「実際にデバイスとインターネットを組み合わせて何が出来るのか、どのように実現するのか」が分からない企業は多いといい、こうした願いを叶えてくれるのが「ニフティ IoTデザインセンター」だという。

同センターでは、ネットワーク技術とシステム開発に精通した専属エンジニアチーム「ニフティ IoTラボ」と開発パートナーが、IoTサービスの開発・提供を考えるデバイスメーカーなどを支援するサービスを提供している。クラウドサービス「ニフティクラウド」と、IoT活用に必要な各種機能が利用できる「ニフティクラウド IoTプラットフォーム」などを用いて、アイデア・企画からリサーチやマーケティング、設計・開発・検証、プロトタイプ作成に至るまでサポートしてくれるそうだ。

「IoT関連であればどのような相談も受け付けています。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。」と市角氏はアピールする。

デバイスメーカーがIoTビジネスを展開する上の悩み

さまざまなパーツが用意されているニフティクラウド IoTプラットフォーム

「dalchymia」を核に組込みソフトからクラウドまでIoTをトータルサポート

ユビキタス コネクティビティ事業部 事業企画部の鈴木敬氏

ユビキタス コネクティビティ事業部 事業企画部の鈴木敬氏は、「ユビキタス社のIoT向けソリューション」について解説。IoTサービスの課題として「新しいビジネスモデルの確立」「広範囲にわたる技術知識」「長い開発期間」「高額な投資」の4つを挙げた鈴木氏は、「これらの解決方法としては、IoTプラットフォームを利用して差別化部分の開発に集中すること、そして既存の他社デバイス・他社サービスと上手く連携することが重要です。」と続ける。

その上で、同社が提供するIoTの実現を支援するデバイス&データ管理プラットフォーム「dalchymia(ダルキュミア)」をスマートハウスに導入した場合の適応例を紹介。「クラウドだけでなく、組み込みからアプリまでトータルサポートします。」と、組み込みソリューションを得意分野とする同社ならではの強みをアピールした。

IoTサービスの課題と解決方法

スマートハウスへのdalchymia適応例

IoTに適した920MHz帯マルチホップ無線ソリューション

沖電気工業 スマートコミュニケーション事業部 マーケティング部 担当課長の島田貴光氏

沖電気工業 スマートコミュニケーション事業部 マーケティング部 担当課長の島田貴光氏は、同社が提供する920MHz帯マルチホップ無線ソリューションについて解説した。

島田氏はまず、IoTに必要なセンサーネットワークについて、「IoTを試験的に導入してみたい。」「屋外や建物の中でも長距離を確実に通信させたい。」「さまざまなセンサーや機器を接続したい。」という3つのニーズを提示。高い電波到達性、省電力、安価なマルチホップ利用といった特徴を持つ920MHz帯無線がIoTに適していると説明する。

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その上で、同社が提供する920MHz帯マルチホップ無線ユニット/モジュールの特徴や適用領域について解説。具体的な適用例として、工場内のエネルギー使用量の見える化、生産設備の稼働・故障監視、太陽光発電のパネル監視などを紹介した。

920MHz帯無線ソリューション

IoTで使用される無線の種類

沖電気工業が提供する920MHz帯無線製品

920MHz帯無線の適用領域