小川町眼科医院

そろそろ本格的な花粉シーズン。花粉の飛散は種類や地域によって異なるけれど、花粉症の患者さんにとっては気が気でないほど悩ましい季節だ。敏感な人は、今年も既に1月ごろから花粉症の症状が表れているとも聞く。そこで今回は、今年の花粉の状況や花粉症対策について、眼科医の松尾有希子先生に話を聞いた。

――今年の花粉について教えてください。スギ・ヒノキ花粉の総飛散量は例年と比べてどういった状況なのでしょうか?

気象庁によると、関東は例年に比べるとほとんどの地域で少ない予想です。ただし、東北地方は少し多めの予想が出ています。ただ、患者さんの中には例年より早めにかゆみを感じ始める方が増えています。今年は年末までが暖冬だったので、そのせいかもしれません。

――花粉症のそもそもの原因について教えてください。

花粉症の患者さんは、原因植物である花粉に対する血液中の"IgE抗体量"が多く、これがアレルギーを起こす直接的な原因と考えられています。

――花粉症になる人とならない人の違いは?

理由としては居住環境や遺伝的要素などが考えられていますが、今のところはまだはっきりしていません。

花粉に対してアレルギーがある人は、体内に花粉が入ると異物として認識し、それに反応するIgE抗体がつくられます。このIgE抗体がつくられた状態を"感作(かんさ)"と言い、この段階で花粉に対するアレルギーがあることになるのですが、この段階では花粉症はまだ発症せず、予備軍のようなものです。この状態で二度三度と何度も花粉が体内に入ると、抗原抗体反応というのが起こり発症します。花粉に対してアレルギーがあるかないかは生まれながらに決まっていて、"感作"しない人はいくら花粉を吸い込んでも花粉症になりません。しかし、現代の日本では2人に1人が花粉を含め何らかのアレルギーを持っていると言われています。

小川町眼科医院では花粉症の検査や視力検査などもできる

――「目がかゆい」「充血する」「涙が出る」「くしゃみ・鼻水」などの症状が出た時の対処法をそれぞれ教えてください。

点眼・点鼻・内服薬を正しく使って症状を抑えるのが効果的です。眼に関して自分でできる対処として、目についたホコリや異物を取るために目を洗う方がいます。目を洗うこと自体はよいのですが、水道水などで洗うと目の表面を傷つけ、涙も洗い流してしまいますので、市販の人口涙液で洗いましょう。

目がかゆくてガマンできない時には、冷たいタオルで冷やすのも有効です。目の上に冷たいタオルを乗せると、かゆみが緩和されます。花粉を防ぐという意味で、ゴーグルも効果的です。

――症状によっては、花粉症なのか風邪なのか区別がつかないときもあるかと思いますが、どのように見分ければいいのでしょうか。

風邪と花粉症において、症状は確かに似たものであり、区別しにくい場合も多いです。その中で、花粉症にあって風邪ではほとんど起こらない症状が、目のかゆみです。この症状を伴う場合は、花粉症の疑いが強くなります。ただし、これらは必ず症状として出るわけではありませんので、かかりつけの医師に診てもらい、簡易的なアレルギー検査などを行ってもらうのがよいと思います。

――花粉症の症状に毎年悩まされている人にとって、事前にできる対策はありますか?

花粉の飛散予想の2~3週間前からの早期治療が効果的です。本格的なシーズンになる前に、医師に相談するのをお勧めします。

――花粉症の時期はいつも耳鼻咽喉科に通っているのですが、眼科でも診察を受けられるのでしょうか?

症状が強く出る科を受診されるのがよいと思います。眼の症状は眼科で診察を受けるのがいちばんです。

――病院で処方される薬と市販薬に違いはありますか?

効き目に違いがあるとは一概には言えません。明確に知りたい場合は個々の薬ごとに確認・検証をする必要があります。

――ふだんコンタクトレンズを装用しているのですが、花粉の時期に気をつけたほうがよいことはありますか?

花粉症の症状を発症している時は、レンズがとても汚れやすくなります。また、コンタクトレンズの上から点眼できる目薬は種類が限られますので、症状が強い時には落ち着くまでコンタクトレンズではなく、メガネを使用したほうが良いです。とはいえ、どうしてもコンタクトレンズが必要な時には、1日使い捨てのタイプがお勧めです。まずは医師に相談してみてください。

――ありがとうございました。

いまやそれほど特異な疾患ではなくなった花粉症。専門家に改めて話を聞くと、知っているようで実は知らないことも多いものだ。もはや春の風物詩のように花粉症に悩まされても、事前の予防や対策を実践すれば、今年は発症をさせずに、あるいは症状を緩和させて、快適な春を過ごせるかもしれない。

(マイナビニュース広告企画:提供 ベストメガネコンタクト)

[PR]提供:ベストメガネコンタクト