カワムラサービス 代表取締役 川村仁太郎氏

いよいよマイナンバー制度が開始となった。これから企業は、従業員が退職する際や年末調整業務において、従業員やその扶養家族のマイナンバーを使用する必要がある。これまで様子見していた企業も、まだ対応方法を決めかねているという企業も、もう「待った!」はできない時期に入っている。

一方、日本中の企業が二の足を踏んでいる状況の中、すでにマイナンバー対応を進めている企業も出始めている。そこでマイナンバー収集が完了したという 、電子部品の運送業などを行っているカワムラサービス 代表取締役の川村仁太郎氏に 、その方法や管理の仕方について話を聞いた。

マイナンバー収集のポイントは「現物を見せる」

「マイナンバー対応といっても、普通に生活しているとその重要性がわかりません」と語る川村氏。中小企業だと、経営者であってもマイナンバーの知識を持っていない人も多いという。

同氏はまず、正しい情報を得ることから始めた。「ソリマチのマイナンバーセミナーへ参加して、その重要性に初めて気が付きました」と川村氏。

セミナーへの参加で必要な知識を得た川村氏が次に移した行動が、マイナンバーの重要性を従業員に知らせることだったという。「会社の中で私が最初にマイナンバー通知カードが届きました。そこで、封筒ごと会社に持っていき、それを見せながら、『みんなのところにもこういう通知が届くから無くさないでね』と、社員全員に告知しました」と川村氏。同時にソリマチのマイナンバーセミナーやネットで入手したマイナンバー制度の概要を従業員に伝えるなど、事前準備にも怠りがなかった。

「前もって説明したこともあったせいか、スムーズに収集することができました。従業員は8名ですが、扶養家族の分もきちんと持ってきてくれました」と語る川村氏。本人確認については、同社が運送業者ということもあり、毎月1回、免許証の確認が通例となっていたため、抵抗はまったくなかったという。

マイナンバー管理、問題は「廃棄のタイミング」

カワムラサービスでは2015年内に、扶養家族分を含む全従業員のマイナンバーを収集できていたという。「毎年、翌年分の扶養控除申告書の記入もお願いしているので、すでにマイナンバーを記載する欄がある2016年分の扶養控除申告書に本人と扶養家族のマイナンバーを記述してもらいました。あとは、1枚ずつコピーをとって、金庫で管理することにしています」と川村氏。もちろん、金庫の鍵は川村氏自身が厳重に管理している。

川村氏が最も懸念していたのは、『集めたマイナンバーをどのように運用していくか』だった。ここで役に立ったのが、以前から給与計算や年末調整に使っていたソリマチの「給料王17」だったという。「マイナンバーの登録は、社員マスターに入力する欄があり、そこへ転記するだけでした。ソフトウェアへのログオンはID・パスワードで管理されているため、私以外は中を開けることはできないようになっています」と川村氏は語る。

「マイナンバー設定」画面では、退職社員を青色で表示し、保存期間を過ぎた退職社員を赤色で表示するのでマイナンバーの廃棄にしっかり対応できる

「機能面では、退職者が出た場合、マイナンバーを7年間保管し、その後に削除しないといけませんが、とても覚えている自信はありません。しかし、給料王17は、削除しなければならないタイミングで、該当者が赤く表示されるとのことなので、安心です」と川村氏。購入時に任せられるところは任せてしまう。こうした切り分けも肝心だといえるだろう。

マイナンバー対応は難しくない

川村氏が実践してきたように、詳しい情報の入手と適切な対応ができれば、マイナンバー対応は決して難しくない。「例えば、会社としてどのように対応するかなどは、先にいったセミナーや、給料王17に付属していた『日本一やさしいマイナンバー入門』などで得ることができましたし、ソフトウェアの操作に関しても、同じく付属の『マイナンバー設定ガイド』という簡単なマニュアルだけで覚えられました」と川村氏は語る。ソフトウェア購入時に得た特典を有効活用するのもマイナンバー対策を乗り切る一つの方法だ。

また、「ソフト選びは大変ですが、サポートがしっかりしているところを選ぶとよいと思います。特に中小企業は、自分で動かないと制度改正のような情報はなかなか入ってきません。情報収集がしにくい人ほど、おすすめできます」と川村氏は最後に語ってくれた。

同氏の言うように、「タイムリーな情報を届けてくれる」「わからないところがあれば、すぐに聞ける」というサポート力は、特にマイナンバー対応のような制度対応時にこそ必要になるといえるだろう。

社会保険労務士が紐解くマイナンバー制度とその対応

政府の広報活動が隅々まで行き渡っていたとは言いがたい中、まだ対応ができていない、どうしてよいのかわからない、という企業も一定数いるのではないだろうか。では、どう対応していけばよいのか。社会保険労務士の浅井富美代先生に、意見を伺った。

以下、浅井先生からのコメントである。

「雇用保険関係の手続きにおいて、この1月からすでにマイナンバーの利用が開始され、制度を十分理解できていない従業員が自分の通知カードなどを無くしてしまう恐れもあり、マイナンバーの収集、法定調書への記入が求められる企業としては早期の対応が望まれます。

企業がマイナンバーに関わるのは、「取得」「利用・提供」「保管」「廃棄・削除」の4つの段階になります。 それぞれの段階において、民間企業は厳重な管理を徹底することが求められます。 具体的には、内閣府の外局である個人情報保護委員会から提示されている「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」の基準を満たさなければなりません。

例えば「取得」の際は、しっかりとした本人確認を行うこと、「保管」の際には、情報漏えいしない対策をきっちり施すこと、「廃棄・削除」は退職などで必要がなくなれば、あるいはそれぞれの帳票の法定保存期間を経過した場合には、情報漏えいしない形で廃棄・削除をしなければならないこととなっています。 さらに、それぞれの段階での記録を残しておくことも求められています。

社員が退職後、法定保存期間(初期値は7年)を超えた際に該当社員を知らせてくれる

上記のカワムラサービスさんは、社長自らが情報収集を行い、従業員さんへ事前にしっかりとご説明なさったこと、またきっちりとした本人確認を行われていることが、何よりとても素晴らしいと思います。

さらに、給料王のようなマイナンバーに対応した業務ソフトを利用されることにより、厳重な管理や廃棄・削除の時期の確認、そして記録(ログ)の保存など、とても面倒なことを容易に行うことが可能になります。比較的低価格で、なおかつ簡単にガイドラインの基準に沿った運用がある程度できますので、とても賢明なご対応をされていると思います。

中小企業において、マイナンバー制度に全て自社で対応していくには費用の面・人員の面を考えると、非常にハードルが高いものとなります。業務ソフトに頼るところは頼るなど、業務を切り分けて考えることが重要かと思います」

社会保険労務士 浅井富美代氏

マルマイ社会保険労務士事務所代表。特定社会保険労務士。
京都府出身。関西大学経済学部卒業後、流通業においてマネージメント業の従事を経て、その後平成15年東京にて開業登録。首都圏を中心として、就業規則や労務問題のコンサルティング活動を展開中。給与計算などの間接部門のアウトソーシング事業にも積極的に取り組んでいる。
URL: http://www.marumai.jp

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