先行きが不透明で不確実な時代に、企業が存続し、成長するために不可欠といわれる「イノベーション」。その起点となるイノベーション人材の発掘・育成に力を入れる企業が増えている。一方、企業の多くは確実性や安定を求める風土が根強く残り、新たなことへのチャレンジに対する組織内での障害が多い。

そこで、企業で働くビジネスパーソンの前向きなチャレンジを応援する「Innovation Cafe」のシンポジウム(「イノベーターはカリスマとは限らない、オープンイノベーション」vol.3)が2016年2月4日に泉ガーデンギャラリー(六本木)にて開催される(お申し込みはこちら)。

今回はそれに先立ち、「Innovation Cafe」実行委員の二人が、登壇者の一人であり、新興国への「留職」プログラムを通じて企業内イノベーター育成およびビジネス開発のサポートを行うNPO法人クロスフィールズ 代表理事小沼大地さんを訪ね、お話をうかがった。

(右から)NPO法人クロスフィールズ 小沼大地氏、聞き手:(左奥)CAC-社会起業家研究ネットワーク代表 服部篤子氏、(左前)ウイングアーク1st 平田寛美氏

「留職」体験を一人に留めない。個人からチーム、そして組織へ 伝播するイノベーターシップ

今年5年目を迎えるクロスフィールズが提供する「留職プログラム」は、企業から新興国の社会的企業や団体に人材を派遣し、現地の人と一体になって課題解決を実践するというものだ。プログラムでは「セクターの壁を超えて新しい価値を創造するリーダー」の育成を目的としており、タフな環境の中でもゴールを描き、異なる環境や思想の現地に馴染んでいかなければならない、圧倒的な原体験が味わえるという。

NPO法人クロスフィールズ 小沼大地氏

基本的に新興国に派遣されるのは1回につき1~2名だが、留職プログラムで現地に派遣される“最初の一人”は、組織に戻ったあとに孤立しがちだ。そこで、日本側に現地の課題をリアルタイムに共有し、協力して活動するリモートチームを設置しているという。“最初の一人”だけが体験するのではなく、留職者の現地での学びや気づきを他の社員に対しても伝播するというわけだ。

「ある企業ではリモートチームの1人が手を挙げて、次に派遣されることになりましたし、ある企業では現地派遣13人に対してリモートで日本から参加した人が60人になりました。そうやって、「想い」や課題感を共有する『コミュニティ』が社内に複数現れ、社内のニュースとなり、イノベーターシップが企業全体のムーブメントにブレイクスルーする可能性が高まります」(小沼氏)

イノベーションにカリスマは不要 「自分でも頑張ればできるのではないか」

CAC-社会起業家研究ネットワーク代表 一般社団法人DSIA常任理事 服部篤子氏(Innovation Cafe実行委員)

組織全体へイノベーターシップを波及させる起点が“最初の一人”だとしたら、誰が“最初の1人=イノベーター”になるのかは気になるところ。どのようなプロフィールの人材が選ばれるのだろうか。小沼氏が重視するのは次の3点だという。

「まず、自分が変わろう、会社を変えようという『Will=意思』、現地の人と協働するためのコミュニケーションの姿勢や謙虚さ、根性といった『マインドセット』、そして現地で活躍できる語学力や知識・経験などの『スキルセット』です。人の心を惹きつける『カリスマ性』は、むしろ不要です」

その理由は、クロスフィールズが重視する「波及効果」に関わる。つまり、特別な力を持つと感じさせる「カリスマ性」は、次に続く人を阻害する要因になる。「自分でも頑張ればできるのではないか」と思わせることが重要なのだ。

来る2月4日のInnovationCafe Vol.3 「融合・オープンイノベーション」では、実際の「留職プログラム」に参加した事例として、日本電気株式会社 情報・ナレッジ研究所の安川展之氏の経験が紹介される。6カ月間インドへ赴任し、紆余曲折しながら農村部へのサプライチェーン構築に奔走する中で得たものが、どのように組織にフィードバックされ、影響を与えたのか。密かにイノベーションへの思いを持つ人、イノベーターシップを組織になじませたい人、またはイノベーティブな人材の育成を課題としている方にも、大きな示唆とヒントを与えてくれるはずだ。ぜひ、参加してみてはいかがだろうか。

セミナーの詳細

  • タイトル:InnovationCafe Vol.3 「イノベーターはカリスマとは限らない、オープンイノベーション」
  • 開催日時:2016年2月4日(木) 13:30 ~ 18:30
  • 参加費:無料 (事前予約制)
  • 開催会場:泉ガーデンギャラリー 東京都港区六本木1-5-2
  • 主催:Innovation Cafe運営事務局(ウイングアーク1st株式会社内)
    詳細はこちら

(マイナビニュース広告企画:提供 ウイングアーク1st)

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