IT業界内における、各業務の実務能力基準の認定資格を提供する業界団体として1982年に設立されたCompTIA。米国シカゴを本部に全世界で10の拠点を持ち、2001年には日本支局も設立されている。IT業界の今後のビジネスを支える人材育成において注目されている「CompTIA認定資格」について、CompTIA日本支局 マーケティング シニアマネジャの吉村睦美さんに話を伺った。

CompTIA日本支局 マーケティング シニアマネジャ 吉村睦美
ITエンジニアのスキル育成に関わるトレーニング、IT認定資格の分野に長年従事。
現在は、主にCompTIA認定資格の普及啓蒙に関わるマーケティング、プロモーションを担当。

CompTIAが企業に評価される理由

マイナビニュース(以下、MN): 「CompTIA認定資格」は、どのような点が企業に評価されているのでしょうか?

吉村睦美さん(以下、吉村さん): 「CompTIA認定資格」は、まず"ベンダーニュートラル"で"グローバル"な認定資格であることが、多くの企業様に評価をいただいている最も大きな理由です。現代のように、IT環境が目まぐるしく変化する環境においては、どの製品やベンダーが業界標準になるのかを予想することは難しく、さらにユーザー側が採用している製品が多岐にわたっている場合もあります。このような時代であるからこそ、ベンダーに依存しないスキルを身に付けることによって、現在・将来的に活用できるスキルを身に付けることが可能なのです。

MN: 具体的にはどのような認定資格があるのでしょうか?

吉村さん: はい、認定資格は現在16業務分野に及んでおります。その中から今回は、現在特に注目度の高い「クラウド」「セキュリティ」に関連した三つの認定資格をご紹介します。

一つ目の「CompTIA Cloud Essentials」は、クラウドを技術面ではなく、ビジネス面から考えるために開発された認定資格です。クラウドの導入が、どのようなビジネスメリットをもたらすか、またどのようなリスクを負うことになるのか。これらを把握することができます。その上で、最適なクラウドを導入するためには"どのような過程を経る必要があるか"などを網羅的にスキルとして身に付けることが可能です。

認定資格はITのエントリーレベルから、エキスパートレベルまでのスキルレベルを網羅している

そして、二つ目の「CompTIA Cloud+」は、クラウドの運用やクラウドサービスの提供など、クラウド環境で業務を実行するITエンジニアに必要とされるスキルとベストプラクティスへの理解を評価する認定資格です。

最後に「CompTIA Security+」は、セキュリティ概念や脅威・脆弱性、ツール、対応手順に関連するスキルや、セキュリティ問題の発生を予防するため定期的に実施されるべき運用手順等のスキルを評価する認定資格です。米国国防総省での職員をはじめ、機密情報にアクセスするすべての人材に取得が義務付けられている信頼性の高い認定資格でもあります。

MN: 企業にとって認定資格を導入することで、どのようなメリットやコストパフォーマンスが得られるのでしょうか?

吉村さん: 資格やトレーニングについてのコストをどのように考えるかは、難しいところです。人材育成をコストとみなしてしまうと、自社のサービスやビジネスに限界がきてしまうかもしれません。人材育成は、コストではなく"投資"です。今後の自社ビジネスを支える人材を育成していくための投資と考え、自社のサービスに必要となるスキルを的確に育成することが必要となります。

MN: CompTIAの認定資格を採用した企業には、実際にどのような効果が現れているのでしょうか?

吉村さん: ビジネスに必要とされる認定資格を取得いただいた企業の中では、実際に売上が上がったり、1件あたりのリードタイムが短くなったり、顧客満足度が上がったりしたデータが出ています。CompTIAが実施した調査では、企業が受験料やトレーニング費用等の資格取得にかかった費用を回収するまでの期間は、約6.2ヶ月という結果でした。つまり、半年間の人材育成への投資によって、その後の利益にもつながったと受け止められています。

実際の導入事例

日本でCompTIA Cloud Essentials、CompTIA Cloud+を導入している企業では、例えばNTTコミュニケーションズが挙げられる。グローバルクラウド案件を担う、プロジェクトマネージャー、システムエンジニアに対して、この2つのプログラムによる研修を実施。 同社の人材育成担当者が、CompTIA認定プログラムを選択した一番の理由は、やはりグローバルで通用する認定資格であるということ。また、グローバルでクラウドサービスを展開する同社では「顧客の要件を理解し最適化できるスキル、海外ベンダーや現地法人と協業してプロジェクトを完遂できるマネジメントスキル、クラウドを実装・運用していくために必要となる幅広いICTスキルの習得を目的としている」とのことで、CompTIA認定資格のトレーニングは、OFF-JTの1つとして活用し、社内では資格取得に向けた教材の提供や受験料の支援などが行われているという。

一方、CompTIA Security+を部門のセキュリティ担当者やシステムのセキュリティ管理者を対象に導入しているのがソフトバンクだ。ICTの進歩に伴い、近年増加しているセキュリティリスクに対して、国内大手通信キャリアであることと、ネットワークインフラを担う企業として、リスクに確実に対応できるセキュリティ人材の育成に取り組んできた。しかし、各部門から選出された担当者はセキュリティ全般の知識を有しておらず、部門のセキュリティを統括する立場として不安があり、また各システムのセキュリティ管理者も 特定の分野には詳しいが、総合的な知識が不足していた点が課題であったことから、CompTIA Security+の採用を決めたという。

このように、日本のIT業界をリードする大手企業を中心に採用が進むCompTIAの認定資格。今後もますますの変化と競争激化が予想される業界においては、それらに対応できる人材強化の一環として必須だ。

なお、来年1月29日には、毎年恒例の「CompTIA人材育成サミット2016」が東京・神保町で開催される。IT市場のクラウド最新状況と人材育成についての講演をはじめ、導入企業の事例やCompTIAのプログラムの内容などが紹介される予定だ。業界内の課題を抱えている担当者には必見だろう。


CompTIA人材育成サミット2016 開催概要

主催:CompTIA日本支局
日程:2016年1月29日(金)
時間:13:00~17:00(12:30受付開始)
定員:100名
※定員になり次第締め切り
参加費:無料
会場:ベルサール神保町 3F(Room 1+2)
〒101-0065:東京都千代田区西神田3-2-1(住友不動産千代田ファーストビル南館2・3F)

(マイナビニュース広告企画 : 提供 CompTIA)

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