こんにちは。自分の時間を大事にしている間に、同世代の30代男性がほぼ既婚になってしまって、ライフプラン設計とか考えてなかったことに気がついたコヤナギユウです。そんなわけで最近20代独身男性の話を積極的に聞いていきたいと思っているのですが、最近の若い子って結婚願望が低いような気が……。

そこで、マイナビニュースでは読者の独身男性173名を対象に、「結婚」に関するアンケートを行いました。「最近の若い男性」の結婚に関する「夢みる未来」とは?

今後、結婚したいと思いますか?

「結婚したいか」のシンプルな問いに、「はい」と答えた独身男性は48.5%と半数を下回っている結果に。つまり、半数以上が結婚に対して後ろ向きということ。やはり、結婚願望が低いようです。

その理由は、目立っているのは「疲れる」「自由な時間が減る」というもの。結局は「一人が好き」「一人が楽」などが散見されるので、あれ? もしかして、自分の時間を大事にしすぎてしまっているということ? まさかのブーメランに困惑しています。

そして、いちばん衝撃的だったのが「周りの既婚男性で、幸せそうな人がいない」という答えがあったこと! そりゃ周りの既婚者が家に帰りたくないとか言っていれば、確かに結婚に未来なんて感じないかも……。

いやいや、きっと結婚だって「いいもの」に違いない。だって30年前の男性の生涯未婚率はたったの2.6%。みんな結婚していたくらいだから、「いいもの」ですよね!? その結婚した男性たちもみんな幸せになっているよね!?

というわけで、今日は人選に人選を重ねた結果、誰もがあこがれる、デキるアラフォー編集長に、結婚についてインタビューをさせていただくことになりました。果たして彼は、「結婚はいいものだ」と断言してくれるのか??

登場人物紹介

S川さん:40代半ばの既婚者。某メディア編集長。落ち着いた雰囲気ながら、インテリなおしゃれ感をにじませている。事前に手に入れた情報によると、若手男性社員からの人望も厚く、かなり優秀な人とのこと……(コヤナギ心の声:少し緊張する……ドキドキ)。

はまペン:横浜銀行のキャラクター。実直に自分の人生を邁進しているさまがかっこいい。はまペンのプロフィールはコチラ


嫁さん:S川さんの奥様、S川さんの5歳下(コヤナギ心の声:絶対おしとやかでかわいい奥さんに違いないな……)。


コヤナギユウ:いろいろな人の「夢みる未来」に興味があるアラフォーの独身。

ある日部屋の中に奥さんとお義母さんが

さっそくですがS川さん(意外と話しやすそう……よかった)、いまは結婚何年目ですか?

12年目です。交際期間は6、7年かな。

結構長いんですね! 交際中は結婚する気はあったんですか?

まったくありませんでしたね。当時、フリーランスのシナリオライターをやっていたんですよ。僕が20代のころはまだバブル真っ最中。マスコミの仕事は羽振りが良くて。出張やロケハン(ロケーションハンターの略。撮影を行う場所を探す下取材のこと)で身銭を切ったことなんて一度もなかったですよ。値段なんか見ないで、欲しいものは全部買えました。幸せだったなあ。

うわぁ、いいなぁバブル……。少しでもいいから体験してみたかったです。

あれはホントに楽しかったですよ。それが特別なものだって意識もちゃんとあって、“この自由を手放してなるものか”って思っていたくらいです。だから結婚する気もなく。

結婚に踏み切ったのはなぜですか(S川さんみたいなデキる人なら、なにか感動的なエピソードがあるはず……)?

いやー、奥さんのお義母さんに“カチ込まれた”んですよね……。

え?

ある日自宅に帰ったら、部屋の中に奥さんとお義母さんがいて、「話がある」、「ここに座れ」と。

ちょっとした悪夢じゃないですか……(マジか)。

「結婚してけじめをつけろ」と?

いえ、「就職しろ」と言われました。

そっちですか!

今となっては感謝しかないです。よく考えてみたら年齢的にもギリギリだったんですよ。当時30歳前後で、就職しようと思ったらこれが最後のタイミングだったと思います。自分で会社を立ち上げてやっていく性格でもないですし。それで、なんとか就職できて、就職したんだから次は……という感じで無言の圧力がかかってきて(笑)。

そこではじめてプロポーズを?

いや、ここまで嫁やその家族に導かれてきてしまったから、今度は自分からなにか行動して驚かせようと思いまして、嫁と嫁の家族といっしょに屋久島へ行ったんです。

ええ!?



プロポーズは失敗した方が長続きする?

屋久杉の前でプロポーズする計画を立てたんですよ。婚約指輪を差し出すのもありきたりだから、ティアラを用意して……。

わー! さすがシナリオライター、ロマンチックでステキじゃないですか! さすが!!

とんでもない! 今でも当時のことで怒られています……。

え、なぜ?

屋久島って結構ハードな登山道なんですよ。特に屋久杉は一番奥にあって遠い。

あ、往復で10時間以上かかるって聞いたことがあります……。

そうなんですよ。しかも当日はあいにくの土砂降りで。

うわぁ。

ティアラって結構大きくて、繊細なんです。だから荷物も大きくなってしまい、しんどかったです……。

どんどんロマンチックから遠のいていく……。

やっと屋久杉についたころにはもうボロボロで、雨にも降られてビショビショなんですよ。でも、ここまで来たらやるしかないと僕ももう半ば意地になっていて。

そこで「結婚してください」と?

ええ、そこでの嫁の言葉は……

でした。

奥様のご家族もいらっしゃったんですよね? 驚いてなかったですか?

いえ、もう屋久杉に誘った段階で雰囲気的に感付かれていましたね。僕がティアラを出した時にはお義父さんもお義母さんもやれやれって顔をしていました。

……いいご家族ですね。

僕のプロポーズは“失敗した”と言っていいかもしれませんね。でも、プロポーズや結婚式は感動的じゃない方が上手くいくと思います。

どういう意味ですか?

結婚はゴールじゃないんですよ。なので、結婚を感動のピークにしてしまうと、その後の結婚生活は下がっていくだけになってしまう。だから、プロポーズや結婚式はがんばらない方がいいと思います。

それは金言ですね! ……S川さんがいうと、少し言い訳っぽいですけど。

ははは。



離婚届を提出したことも……

S川さんの結婚は感動のピークじゃない。ということは、結婚後にピークを迎えることもありましたよね(そろそろなにか感動エピソードでも欲しいところ……)。

いやあ、10回くらい離婚届書きました。

はぁ!?

実際持っていったのは1度だけですけどね。もう、毎日がバトルフィールドですよ。原因は他愛もない“価値観の違い”っていえるかもしれません。洗濯物の分け方だとか、暖房の設定温度だとか、休日の過ごし方とか。他愛もないことなんですけど、小さいことが積もり積もって、毎日喧嘩をしていましたね。

離婚届を書くような大げんかをしたときも、「浮気」とかそういう大きな事件があったわけではなんですか?

ないです。

なるほど。でもそれだと本当に「価値観の違い」だと思うので、謝って終わるような喧嘩じゃないと思うんですよね。離婚届まで書いて、「持っていったのは1度」とおっしゃっていましたけど、つまり提出したことがあるってことですよね?

離婚届って、提出しても受理される前なら撤回できるんですよ。

え! そうなんですか!?

僕の時はたまたまだったのかもしれないですけど、一度提出した後に気が変わってしまい、役所に電話したら偶然受理前でして、そこで撤回を……。離婚届を提出して、家に帰ると奥さんがいるじゃないですか。

そうですね、まだ二人の家ですものね。

そうしたら奥さんが。

やだ、奥さんカッコイイ……(おしとやか奥様像がどんどん消えていく…)。で、その後どうやって仲直りしたんですか?

なんとなく……。

え、たまたま受理されなかったとはいえ、離婚届を提出するくらい深刻な喧嘩だったのになんとなく仲直りなんてあり得るんですか?

ははは。

(はぐらかされた!)



こんなにいいものが出てくるとは思わなかった!

お子様はいらっしゃいますか?

数年前に、不妊治療の末に娘が生まれました。

そうなんですか。男性は子どもが生まれてもすぐに父親の実感がわきにくいという話を聞きますが、S川さんはいかがでしたか?

初めて見たときから、もう可愛くて仕方なかったです。不妊治療は大変でしたが、欲しくてやっと出来た子どもだったせいもあるのかもしれません。

なるほど。

正直、結婚しても子どもが出来るまでは独身時代とそれほど変わらなかったんですよ。ひとりの時間が恋しいと思うこともありましたし。でも、子どもが出来たことで、自分の時間がもてなくても、ふたりでいることに「納得」が出来るんです。子どもが出来てから、なれないことばかりで大変ですし、責任も増します。でも本当に子どもって可愛いです。「子どもはいいものだ」ってよく言うじゃないですか。でもまさかこんなにいいものが出てくるとは思わなかったです!

(いいなぁ)。じゃあ、奥様とのケンカも減りましたか(ここで感動的なエピソードを……)?

全然(笑)。

ええー!(またかー!!)。

ケンカしているのが「いつも」で「ふつう」なんですよ。ガマンして気を使い合うよりも、思ったことをすぐに言い合える方が、僕らにとって楽みたいです。またいつ、離婚届を書くようなケンカをするか分からないですけどね。(笑)。

まさにバトルフィールド(なんてハードボイルドな結婚生活なのだ)。

本当ですよ(笑)。でも、やっぱりたまには独身時代のような自由な時間が恋しく思うこともありますよ。


~ピロリン♪

おっと、嫁からメールが。……そろそろ帰らないと。

すみません、あ、最後に! もし、いまだにS川さんが独身だったら、どうなっていると思いますか?

うーん、その自由な時間をネットゲームに費やして、遊びまくっているかなあ。

………。


~ピロリン♪

お、今日の夕飯はシェパーズパイか。仕方ない、急いで帰らないと。

(我にかえる)なんですか、「シェパーズパイ」って。

ミートソースの上にマッシュポテトをのせてオーブンで焼いたミートパイです。嫁の得意料理なんだけど、僕の好物でもあるんだよね。今日は懐かしい時代をたくさん思い出せて楽しかったです、では!

(なんて洒落た夕飯なんだ!)あ、ありがとうございました!

……パタン。

しっかし、独身時代にもどってやりたいことが結局ゲーム……。かたや、結婚した今は、みんなの憧れ編集長。うーん、彼は絶対結婚した方がよかったよね…。うん。いいよなぁ。

日本人には謙遜という美徳がある。だから、幸せをひけらかさず、身内のことをわざと悪く言うところがあります。もしかすると、独身諸君は既婚者のグチを真に受けてしまってはいけないのかもしれません。だって本当に結婚生活が「バトルフィールド」なら、夕飯のメニューをメールでおくってくるでしょうか。しかも、旦那さんの好物を!

「もっと幸せになるために、結婚するのだ」

一緒に喜んでくれる人がいるということ。怒りも悲しみも分かち合ってくれる人がいるということ。まったく違う家庭環境で育ち、別々の常識を持ち合わせた二人が、一緒に暮らしていくということは衝突の連続です。でもその違いを受け入れるということは、「自分の時間」を持つことより、もっともっと幸せで尊いことかもしれません。

あなたのそばで夢みるよ♪
あなたの今日を 未来を♪

アンケートでは独身男性の約半数以上が結婚否定派でした。でも、幸せになりたくない人なんていないはずです。ただ、「幸せ」のかたちが経験や出会いによって変化していくことを知らないだけなのでは。自分より大切な人を持てるということが、幸せってことかも、と思いました。

わたしも今日は、早く帰ろう……誰も待ってないけど。

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ライター

コヤナギユウ
デザイナー/イラストレーター/エディター。 旅先などでの体当たり絵日記風のブログが人気。住処は主に布団の中。

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