2015年1月、企業にとって重要な電子帳簿保存法に関する規制緩和が発表されたのをご存じだろうか? 「電子帳簿保存法」が1998年7月に制定され、2005年3月に改正、紙媒体の書類をスキャナで電子化して保存する「スキャナ保存制度」が改正された。2005年以降も法律自体は存在していたが、その手続きが複雑なことや様々な制約が重なったこともあり、承認をうけた企業の件数はわずか130件あまりというのが実情だった。

スーパーストリーム 取締役CTO(最高技術責任者) 山田誠氏

従来のスキャナ保存制度と何が違うのか?

「今回、e文書法の規制緩和によってスキャナ保存制度が大きく変わることになります。従来の法は規制が多く、少数の企業しか採用しませんでしたが、これによって証憑類の電子化に乗り出す企業が大幅に増えることが見込まれます」と語るのは、国内シェア・顧客満足度ともにトップクラスのERPベンダー、スーパーストリームの取締役 CTO (最高技術責任者) 山田誠氏だ。

従来のスキャナ保存制度では大きく分けて以下6つの要件があった。

  • 重要書類3万円未満の取引に限定
  • カラー保存
  • 書類サイズ情報の保持
  • 電子署名の捺印
  • 電子帳簿保存法の事前承認
  • タイムスタンプ

「例えば、重要書類でも3万円未満のものに限定されてしまうと、領収書や契約書を電子化しようとしたとき、そもそもそこで仕分け判断や作業が発生します。この一点を見ただけでも、効率化される面と負担が増える部分があることが分かります」(山田氏)

そして今回の規制緩和によって、こうした要件のほとんどが撤廃または不要となったため、採用すれば十分な効果が望めるようになったのだ。「しかし注意が必要なのは、タイムスタンプの必要性が継続されるという点と、重要書類にあたる契約書、領収書、請求書といった証憑類は、従来通りカラースキャンが必須であるという点です」と山田氏は補足する。

規制緩和後に制約が大きく外れるのが分かる。重要書類のカラースキャンとタイムスタンプは注意が必要

また、それだけでなく従来からあった技術要件に加え、適正事務処理要件が加えられていることにも注目しなければならない。「技術要件の大半はシステム側で対応できますが、内部統制と同様に企業内の運用ルールも合わせて対応しなければならない部分が出てきます」と山田氏は解説する。

適正事務処理要件では、社内規定の作成、相互けん制、定期的なチェック、再発防止策という項目が挙げられているが、この辺りについては社内で十分な対応策を講じておく必要がある。しかし、これらの注意事項さえクリアすれば、スキャナ保存制度への対応は可能となる。従来の手間や負担を考えれば、かなり大きな前進といえるだろう。

規制緩和で実運用が大きく変わる

「今まで台紙に貼り付けていた領収書類や契約書、請求書といった書類がすべてカラースキャンデータで電子保存できるようになります。会計の仕事でも負担の大きかった紙運用の部分がダイレクトに改善される可能性があるのです」(山田氏)

例えば、企業活動を続ける上で領収証の保管が必要になる。これはどの企業でも同じだが、毎日のように発生する支払い明細代わりの領収証となれば、社員個人単位で発生することになるため、経理部としては証憑の収集、金額や名目などの入力作業のあと、台紙に証憑を貼り付けてドッチファイルで保存するという作業が出てくる。このアナログな業務はマンパワーを要するうえに、数ヶ月単位、あるいは年単位ともなれば、かなりの量に膨れあがり保管場所を選ぶのにも苦労するほどだ。

今回の規制緩和を受けて証憑管理が大幅に改善されるのは、この後の運用面だ。「例えば企業の場合、定期的に税務署からチェックを受ける機会があると思います。その際、証憑がきちんと管理されているかを確認するために、ランダムに『何番の証憑を見たい』と要求されるケースもあります」という山田氏。企業としては該当する証憑を探すため、時には倉庫へ行って年月日や通し番号を目安にドッチファイルを探し、さらにその中に納められている目的の証憑を見つけなくてはならいのだ。

こうしたケースは社内監査や税務署調査という場合に限らず、拠点間の承認ワークフローでも業務効率化がある。そのたびにマンパワーと時間を浪費するため、非常に非効率な作業といえる。「長年の経理マンの『紙を無くす』という夢に向かって開発したのが、弊社の製品『SuperStream-NX 証憑管理オプション』です」と語る山田氏。

制度導入前から証憑管理に着目

会計・人事/給与システムベンダーとして屈指のスーパーストリームだが、同社はキヤノンMJグループの一員でもある。「そこでキヤノンMJグループの強みであるドキュメントソリューションと、スーパーストリームの会計システムの得意分野を活かしたソリューションを提供できないか、と以前から検討を重ねていました」と山田氏。

現在のSuperStream-NX 証憑管理オプションの企画はすでに2010年から始めており、2014年7月に「SuperStream-NX 証憑管理オプション」という製品名でラインアップに加わっている。「20年もの長い年月で経理部の方々と共に歩んできたSuperStreamとして、経理に携わる方々の負担を少しでも減らしたいという純粋な思いがありました」と山田氏は語る。もちろん、将来訪れるであろう、証憑管理の電子化をにらんだということもあるが、業務効率化を実現するSuperStream-NX 証憑管理オプションは、まさに今回大幅な規制緩和となった電子帳簿保存法に対応することができる製品でもあるというわけだ。

では、SuperStream-NX証憑管理オプションによって、証憑を電子化する流れを説明していこう。まずは通常通りにSuperStream-NXへ伝票を入力していく。入力作業が終わったら、ワークフローやチェックリストからQRコードが印刷された「台紙」が印刷されてくる。

出力されたQRコード付きの台紙に証憑を貼り付け、スキャナで読み込ませる。この際、通常にスキャンした場合は読み込ませた枚数のすべてがひとつのPDFデータとして変換される。しかし、NX証憑管理オプションでは一つの台紙に貼り付けた証憑の枚数を単位とし、台紙数に合わせて適切に繋がったデータをまとめて伝票に紐づけできる仕組みを持っている。

「例えば、この証憑は3枚1組、次は5枚1組といったケースでも、3枚のPDFと5枚のPDFとして切り分けながら読み取って電子保管されます。この一連の流れはキヤノングループのドキュメントソリューションの技術を使ったもので、スーパーストリームとの組み合わせにより最大の効果を発揮している部分でもあります」(山田氏)

証憑台紙出力画面とQRコード付きの台紙

一度読み込まれた証憑は、検索、閲覧などの機能を使って瞬時に呼び出すことができる。「これまで現場で大きな負担となっていた部分が、このソリューションを導入すれば容易に解決できます」と山田氏。例えば先に述べた社内や税務署の監査でランダムに証憑を取り出すよう指示があっても、その場で会計伝票に加え、証憑電子データも含めて提示することができるのだ。

過去の証憑も瞬時に検索できる

大幅な業務効率の向上と人件費やドッチファイルの保管場所の削減などが期待できる今回の規制緩和。早くも2015年の9月には申請が始まるが、検討するだけの価値は十分にあることがおわかりいただけたかと思う。

「このような形でITを進めていくことで、世の中のお役に立てるとよいですね」と最後に語ってくれた山田氏。SuperStream-NX 証憑管理オプションやSuperStreamシリーズについての相談はもちろん、電子帳簿保存法への対応をきっかけに会計・人事給与システムをトータルで効率化したいと考える企業は、一度スーパーストリームへ問い合わせてみるとよいだろう。

(マイナビニュース広告企画:提供 スーパーストリーム)

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