多くの企業は、ITシステムを運用するうえで、運用負荷や管理コストが増加しがちです。これは年々運用するシステムが増えていくのである程度仕方のないことです。しかし近年、ハードウェアの管理負荷やコストの増加を回避するため、クラウドサービスの利用や、HWリプレースから開放される仮想化基盤の構築などへの移行が加速しています。カルビー株式会社様もシステムの管理負荷の増加に伴い、将来を見据えたシステムインフラの刷新を行っています。どのように刷新しているのか、お話を伺いました。

長年、情報システムの運用を任されるJSOL

株式会社JSOL 基盤ソリューション 事業部 チームマネージャー 狩野英則氏

「カルビー株式会社様(以降、カルビー様)とのお付き合いが始まったのが2004年の春です。カルビー様の情報システム部の一員として、パートナー管理をするという案件がきっかけでした」と語るのは、株式会社JSOL様(以降、JSOL様)の狩野英則氏(以降、狩野氏)です。カルビー様の特徴として、アウトソースできる部分は任せられる企業に託すという方向性もあり、パートナー管理という仕事を任されることになったそうです。

「続いて、弊社のデータセンターでカルビー様の資産をお預かりする、ハウジングサービスも担当するようになりました」と狩野氏は言葉を続けます。情報システム部のパートナー管理支援、ハードウェアや機器類をお預かりするハウジング、この2つのサービス提供を主軸とした両社のお取引は10年以上に及んでいます。

そんなお付き合いが続いていくなか、稼働しているシステムの老朽化が目立つようになります。「2013年11月に、システムインフラ刷新についてご相談を受けました。この際にカルビー様からは、『もう自社でIT資産を持つ時代ではない。外部のクラウドサービスを利用したい』というリクエストも同時にいただきました」と、今回の導入の背景について語る狩野氏。こうして、カルビー様の業務を支えるITインフラを刷新するプロジェクトが浮上し始めます。

仮想化環境構築をKELが担当

株式会社JSOL 基盤ソリューション事業部 アソシエイトマネージャー 川邊哲也氏

「インフラ全体を見直すことにもなるので、ハウジングでお預かりしている機器を洗い出し、余剰リソースを加味しながら、提供するクラウド環境のサイジングを適正化しなければなりませんでした。性能は今以上を担保しながら、機器を集約することによるコスト効果を出す課題が浮上しました」と語るのは、JSOL様の川邊哲也氏(以降、川邊氏)です。

「これまでお取引させていただいていたハウジングまでなくなってしまうかと、内心は不安でした。最終的には弊社を指名していただきましたが、コストだけでなく長年のシステム運用を評価していただけたと思っています」と笑みを浮かべて語る川邊氏。2014年4月、このプロジェクトはJSOL様が全体管理者となって進めることが正式に決定しました。

カルビー様のインフラ刷新プロジェクトの中核、すなわちプライベートクラウド環境(仮想化基盤)の構築を担当したのがKELです。「KELとは、2010年ごろから数々のプロジェクトでインフラをお願いしていた関係があります。KELは仮想化基盤構築が得意ですから、こういうスキームでやってくれるというイメージがすぐに湧いてきます。そこで今回もお願いすることにしたのです」と川邊氏は語ります。

当初から対応の早さや的確さなどで信頼関係を築いてきたJSOL様とKELは、プロジェクト開始後も能力を発揮します。「このプロジェクトは2014~2015年にかけて、段階的にシステムを移行させるという前提がありました。プロジェクト開始直後は優先順位の高いシステムが決まっていましたが、それ以降はアプリケーションの再構築要件によって順次決まる。つまりインフラ要件を一度に決められないという事情がありました」と語る狩野氏。システムによっては仮想化するよりも、従来通りオンプレミスで作り直したほうがいいものもあります。よって当初仮想化を見込んでいたシステムが、物理サーバーで稼働させるというケースもあったといいます。そういった場合でも、長年いっしょにやってきたKELは、お客様の要件を的確に理解し、システム構成が追加・変更になっても構成変更の検討をいち早く対応します。特に、今回の案件では、プロジェクト開始時から担当していたSEをそのままアサインしました。これは基盤構築の初期から、段階的な導入であったことや、いつどこの部分に手を入れたのかなど、積み重ねてきた作 業をよく知る人物が必要だからです。「長期のプロジェクトで段階的にたくさんのシステム移行を行うような場合は、過去の作業の流れを知る人物がいるとスムーズに進められることがあります。今回のプロジェクトではそれがまさに活きていて、最初から説明する必要もなく、次の作業へ移れるので大変助かりましたね」と川邊氏は語ります。

システム構成の変化に柔軟に対応する日本 ヒューレット・パッカード社 3PAR StoreServを採用

仮想環境の共有ストレージとして、日本ヒューレット・パッカード社の3PAR StoreServストレージ(以降、3PAR)を採用しました。今回のカルビー様のインフラ刷新プロジェクトでは、導入するアプリケーション側の要件に順応したシステムを、随時組み上げる必要があり、構成の変化に柔軟に対応できるストレージシステムを選定する必要がありました。3PARは、ストレージフェデレーションや自動階層化など、高度な機能をサポートする単一のシステム上にすべてのデータを保存することができます。また3PARは、フラッシュストレージ運用によるハイパフォーマンスの実現と、自己管理機能やブロックプロトコルとファイルプロトコルのコンバージェンスなどの機能により高い柔軟性を発揮できるモデルです。加えて業務を停止せずシステム拡張が可能なことも、今回のプロジェクト進めるうえでの決め手となりました。

3PARのパフォーマンスをマキシマイズしたKEL

「ただし、どんなストレージでもクセがあるのが一般的です。KELの場合、3PARの特長やクセをよく理解したうえで最大限のメリットを引き出してくれました」と川邊氏も言葉を続けます。3PARは、仮想化環境からも物理サーバーからもボリュームにアクセスさせられるため、システム構成が変わってもすぐに切り替えることができます。ただし、それぞれの環境からのボリュームの見せ方に工夫が必要です。KELは事前に検証作業を繰り返し、それらのクセを発見していました。KELによる的確なセッティングにより、3PARはストレージシステムの対応力の高さという部分で本案件に大きく貢献しています。

今後のシステム移行もトラブルなく

「2年の移行期間のちょうど半分が終わったところです。2015年は基幹システムの移行が控えております。これからが後半戦の山場ですね」と語る狩野氏。「2014年度は情報系システムを50サーバー以上移行しましたが、ほとんどトラブルなく進められました。これもカルビー様が唱える『パートナーシップ思想』の賜物ですね。日ごろからカルビー様が、関連パートナーを情報システム部の一員として接してくれ、パートナーの自主性を重んじ、パートナー同士が協力しやすい風土を提供してくれるからだと感謝しています。そして残りの1年もトラブルなく進められると確信しています」と狩野氏は続けます。

カルビー様のITシステムを支えるパートナーでありたい

段階的な導入により、順調にシステムの移行が進み、移行が完了したシステムは大きなトラブルもなく稼働を始めています。カルビー様から託された信頼を、システムインフラ刷新を成功させるという形で応えるJSOL様と、そのサポートに全力を尽くすKEL。今後はパートナーを超えた協業体制で、2016年初春の基幹システム移行に備えます。「まだもう少し先の話になりますが、この案件が無事に済んだら、お互いの長所を活かしたビジネスをしたいですね。KELが企画段階から参加してくれるようなビジネスができるようになると、新たな可能性も生まれると思っています」と川邊氏。「例えば、バックアップ一つにしても、エンドユーザーにとって最も好ましいソリューションは何か、といった提案力の部分で、KELにはもっと力を発揮していただけると我々としてもうれしいです」と狩野氏は言葉を続けます。

カルビー様のシステム刷新のためのプロジェクトもいよいよ終盤です。全力で業務に当たった2年間の大成ももうすぐ見られるでしょう。今やチームとも呼べるJSOL様とKELは、カルビー様の期待に応えられるようラストスパートを続けます。

SAP基盤統合およびその他システムリプレースにおけるシステム構成概要

■株式会社 JSOL

・東京本社所在地 :
 東京都中央区晴海2-5-24 晴海センタービル
・設立 : 2006年7月
・従業員数 : 1300名(2015年4月現在)

株式会社JSOLホームページ
https://www.jsol.co.jp/

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