将来、誰にでも起こり得る決して他人事ではない相続問題。前回はインタビュー形式でこの問題に対する解決策を探ったが、今回は実際に起こり得るシチュエーションを具体的に紹介していきながら、そうならないためのコツを模索していきたい。

とある家族に起こったゴタゴタ

(※)兄弟それぞれに自宅評価の3分の1を相続する権利があります。

こうしておけば……

上記のマンガのようなことが現実に起こってしまうかもしれません。どうすればこうならないのでしょうか。「相続ハウス」で“相続トータルアドバイザー”として活動する小嶋由佳氏が5つのポイントに分けて教えてくれました。

その1:父の相続で、直接子供が相続しておけば…

父の相続時に、すべての財産を母が相続した場合には、配偶者控除で税金がかからなかったとしても、母の相続時にはそれとほぼ同じ財産に対して、多額の相続が発生してしまうということになりかねません。
これは、ふたり目の相続時には、
(ⅰ)相続人がひとり減っていて基礎控除額が少なくなっていること
(ⅱ)配偶者控除が使えないこと
(ⅲ)自宅に適用できる特例(小規模宅地等の特例)が使えない場合が多いこと
などが原因で、これらのことを考えて相続するのと考えないでするのとでは、両親の相続税を合わせると、考えないで相続する方が結果として多くの相続税を払うことになってしまうということです。このように、1回目の相続時に直接、子供に相続する割合などを考えて対策することを二次相続対策といいます。

その2:期限までに分割案が決まらなくても法定相続分で申告しておけば…

申告及び納税をしないと、申告期限以降、延滞税が発生します。分け方が決まらないからといって申告自体をしないと、その延滞税がどんどん加算されてしまいます。分け方が決まらなくても、すべての財産を法定相続分(今回の事例のご家族でいうと、長男1/3、次男1/3、長女1/3)で相続したものとして申告自体はしておき、後日、決まった分割内容で修正申告をしましょう。これで、延滞税を抑えることができます。ただし、この場合、税額を抑える特例が適用できない場合もありますので、注意してください。

その3:生前贈与をしていれば…

生前贈与は、年間受取る人ごとに110万円まで非課税で受け取れます。その直後、贈与をした方が亡くなってしてしまうと、もらった人が相続人である場合、亡くなる前直近3年分の贈与は、相続税の計算上は贈与と認められず、相続財産に含めて相続税を計算します(贈与がなされなかったものとなります)。

これは逆に考えると、相続人でない人への贈与は、亡くなる前直近3年分であっても贈与と認められるということです。ですから、今回のケースで例えば、生前に長男の嫁に贈与をしていれば、長男の嫁も少しは報われますし、相続税の対策にもなります。

なお、今回のケースでは登場しておりませんが、孫への贈与も長男の嫁への贈与と同様、亡くなる前直近3年分の贈与も認められるため、子から孫への相続税の対策にもなりますので、効果的です。

その4:遺言書があれば…

その3でご説明したように、遺言書が無いと、最後にいちばんお世話になった長男の嫁に財産を遺すことができません。また、亡くなった後でも、分け方について、両親の希望があれば、比較的、子供たちも納得できるものです。遺言書が無く、子供たちに任せて「兄弟仲良くやってくれるわよね」と委ねてしまうと、遺言書がある場合よりも揉める可能性があります。特に母親は、家族の調整役である場合が多いですから、母親がいなくなることで、家族がバラバラになってしまったという話は良く耳にします。

その5:次男と長女にも遺せるものがあれば…

不動産は、同居している長男に遺したいと(生前)相当前から思っているとしたら、財産の分け前として、それ以外の子供には、不動産以外の財産を遺してあげたり、相続財産が不動産しかない場合は、(長男に財産がある場合は別として)その他の子供たちのために遺す財産を用意することもできます。これは、できるだけ早いうちから対策することで、遺された他の子供たちにも納得してもらえる可能性が高まりますので、早めの対策が必須です。

まとめ

遺す側(親)が遺される側(子供)のことを考えて、意思を表示することで家族が円満に行く場合が多いです。ただし、間違った対策をすることで、却って揉める原因になる場合もありますので、家族に『想い』がある方こそ専門家に相談してほしいです。

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