多拠点展開する企業にとって、各拠点のシステムにあるデータをいかに効率的に収集し、次のアクションにつなげるためのデータ分析を行うかは、大きなテーマであろう。19のゴルフ場を運営するアイランドゴルフでは、各ゴルフ場にあるそれぞれの基幹システムからデータをクラウド上に集め、効率的に分析するための環境を整えた。その際、データの効率的な収集に活用されているのがアプレッソが提供する「Thunderbus」だ。

各ゴルフ場の基幹システムのデータを、効率的に分析したい

アイランドゴルフグループの本部である株式会社アイランドゴルフの設立は2011年10月。2015年7月現在では全国19コースを運営するまでに成長している。

全国に広がるアイランドゴルフのゴルフ場

近年、日本のゴルフ人口は減少傾向にあり、経営状況の厳しいゴルフ場も少なくない。かつてゴルフブームを牽引していた団塊の世代が仕事を引退して次第にプレーから遠ざかりつつあり、法人におけるいわゆる「接待ゴルフ」も減少したことが大きく影響しており、業界では「2015年問題」とも言われている。バブル期には高値で取引されていた会員権も、相場こそ大幅に下落したものの、名義変更による新規入会として、なかなか若い世代のプレーヤーに引き継がれないといった事情もある。また以前は、異業種の企業がゴルフ場経営に乗り出すケースも多かったため、こうした企業の保有するゴルフ場では本業集中を目的とした経営方針転換や後継者不足など、経営維持あるいは集客向上に集中しずらい事例も多いという。

こうした現状の中、株式・営業権の譲渡や運営業務受託によりゴルフ運営会社を取得し、グループの相乗効果を活かした経営合理化や各種マーケティング施策、旧来にないゴルフ場のスタイルの提案などを通じて、運営の刷新と再活性化を図っているのがアイランドゴルフだ。競合企業には元外資系大手や国内企業も保有ゴルフ場数を増やしつつある中、国内企業ならではの細かな気配りと譲渡元の経営企業からの経営交代後の信頼も大きな特徴としている。

株式会社アイランドゴルフ 管理本部 マネージャー 松本悠佑氏

「本業集中や後継者不足、あるいは経営不振など、譲渡される事情は多々ありますが、ゴルフ場を育んできた企業やオーナーにとって、その譲渡先の選定は重要です。これまでと同様か、それ以上にゴルフ場を大切にし、既存会員様とも共存し、引き継いだ従業員の方々の意見を尊重しながらゴルフ場運営の再構築にも繋げる施策を講じてくれるといった、信頼できる相手を当然のことながら希望されます。当社では、経営改善や運営のシステム化に留まらず、コースメンテナンスの改善や、会員様を大切にしながらも、女性主体の企画・若年層やジュニアなど、新しい顧客層を増やすことにも尽力しています」と、同社管理本部 マネージャーの松本悠佑氏は語る。

アイランドゴルフでは、運営する全てのゴルフ場に、共通の基幹システムを導入している。ゴルフ場向けシステムを手掛けるアイシグリーンシステム社が開発したパッケージで、ゴルフ場運営に必要な一連の業務を網羅したものだ。

しかし松本氏によると、いまだそうしたシステムを保有しておらず紙の帳簿で管理しているゴルフ場も存在するという。こういったゴルフ場ではシステム導入だけでも業務を大幅に効率化できる。加えて、共通のシステムを採用することで1カ月半~2カ月と非常に短期間での導入が可能となり、これまでのゴルフ場運営ノウハウも容易に横展開できることから、経営改善効果を早期に発揮できる。

本部で効率的にデータを分析できるよう、BIとデータ収集の仕組みを導入

システム共通化はデータの内容も統一できるため、本部が各ゴルフ場の予約状況や日々のプレー人数などのデータを集計・分析し、マーケティング施策などに活用する際にも有利となる。しかし、これまでアイランドゴルフではBIツールなどを利用しておらず、主にPDF資料あるいはFaxで全国からデータを収集し、Excelで集計表を作るなどしていた。この一連の作業を担当する松本氏は、日々かなりの時間を費やしていたと語る。

「データ収集においては、当初各ゴルフ場に都度電話して聞いていました。後に本社からリモートでシステムを見られるようにしましたが、それでもゴルフ場の数が増えるに従って手間が増え、集計まで含めると作業全体に毎日1時間ほど費やしていました。これでは、データ収集・集計作業そのものが“目的”になってしまい、次のアクションを考えるという本来の目的に時間を割けなかったことが課題でした。また、経営陣からも、日々のデータの迅速な収集と多角的な分析を行いたいという要望を受けていました」

業務において重要なのは集計や分析した結果を施策につなげて効果を得ることであり、データを集計する作業ではない。より効果的な施策のためには、これまでより多角的な分析も求められてくる。こうした考えから同社では、「施策につなげるためのデータ収集・分析の仕組み」を検討。集計・分析については、様々なBIツールの中から「Yellowfin」の採用を決定した。

それに加えて同社の場合、セキュリティの問題などから各ゴルフ場にデータソースが分散しているため、これらを効率的に収集する仕組みも不可欠であった。当初は各拠点にバックアップソフトを導入し、VPNを経由して本社へ定期的にデータをコピーさせることも検討したそうだが、この方式ではVPNの導入や維持管理に要する手間や時間、そしてコストがネックとなる。この悩みを抱えていたときに出会ったのが、アプレッソの「DataSpider Servista」と、当時まだα版だった「Thunderbus」の組み合わせだ。図の通り、Thunderbus Serverを通じて各ゴルフ場のサーバから最新データを参照し、それをDataSpider Servista経由でYellowfinが集計・分析する仕組みになっている。

アイランドゴルフのデータ収集と連携イメージ

導入期間とコストの削減、運用も容易なThunderbus

「データ収集ならアプレッソという評判を聞いて相談したところ、Thunderbusの存在を知りました。α版の段階からでも採用に踏み切ったのは、“導入スピード”の早さ、簡単さです。検討した他の手段では、インストール時の現地作業などで月単位の期間が想定されたのに対し、Thunderbusでは現地のサーバにエージェントを導入するだけなので、導入期間を大幅に短縮できることが大きなポイントとなりました。その他、収集したデータの扱いが容易であることや、エージェント数に応じた月額制のため費用もリーズナブルに済むといった利点もありました。今後新たなゴルフ場を運営していく際にも、基幹システムと同時にThunderbus Agentを導入することで、すぐにデータ分析できる状態になります」(松本氏)

2014年4月、この仕組みの検証を開始し、機能を確認した上で本格導入を開始。導入作業は基幹システムの開発元であるアイシグリーンシステムが担当。Thunderbusを扱うのは初の経験ではあったが特別なトレーニングを受けるまでもなく使いこなすことができた。

集計を自動化し、素早くマーケティング施策へつなげる

松本氏は、今回の一連の仕組みを構築したことで、分析作業が大きく変わったと実感している。

「データ収集の作業がシステマチックになり、大幅に効率化されました。また、条件を設定するだけで自動的に分析できるため、集計や分析の幅も広がっています。各ゴルフ場が持つ元のデータすべてが分析対象で、まさに切り口次第でいろいろと活用できるのです。これらは主にBIツールの効果ですが、それが可能になったのもデータを集めてくるThunderbusがあってこその成果です」(松本氏)

分析結果はマーケティング等の担当者はもちろん、経営層もチェックしている。経営陣から、「こんなデータを見たい」といった要望も出てきており、集計・分析の内容は頻繁にアップデートしているという。

「以前は単なる作業として費やしていた集計の時間が、より多角的な分析を実践するための時間に変わりました。今後はより細かな分析も行っていきたいと考えています。例えば、予約に至るまでの経路について、これまでもWebサイトでの流入先ごとの分析などを行っていましたが、電話での予約経路を識別できるよう基幹システム側のカスタマイズを進めています」(松本氏)

例えばダイレクトメールを見て電話したのか、Webサイトを見て電話したのかといった区別をつけそれを分析することで、新たな施策につなげることが可能になる。

まだまだ活用の余地があるはずですから、今後も、経営の分析管理の一つのツールとして十分に活用できるよう、運用を強化していきたいですね」(松本氏)

19のゴルフ場における基幹システムのデータを集約し活用するアイランドゴルフの事例は、チェーンストアや多拠点展開する企業の参考になるに違いない。

お客様情報

株式会社アイランドゴルフ
本社所在地:東京都港区六本木1丁目6番1号 泉ガーデンタワー
設立:2011年10月3日
資本金:10,000万円
URL:http://www.island-golf.co.jp/

アイランドゴルフグループの理念

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