サーバールームにユニットコム 法人事業部のPCを導入した経緯

マイナビニュース:ユニットコムのシステムを導入した経緯について教えてください。

樋口氏:某大手メーカーさんの製品を使用していたときは、故障がそれなりにあった代わりに、同じ仕様のPCを再購入するのが容易という特徴がありました。またそのメーカーでは頻繁にWebページで安売りを行っていましたので、そのタイミングでまとめて購入しておいて、故障したらシステムごと入れ替えるという運用を行っていたんです。この方式は復旧が早いというメリットがありましたが、正直言って地球に厳しいですよね(笑)。加えて、そのPCはIntel Core 2時代のモデルでしたから、徐々に電力要求が時代に見合わなくなってきたわけです。

そこで、スペックを吟味したPCを用意して、一度導入したらあまり壊れないシステムに変更したほうがよいだろう、と考えを変えました。しかし大手メーカーさんでスペックまで絞ってしまうと、金額が大きく上がってしまうんですよ。そんな必要スペックを絞った構成に予算内で対応し、しかも動作検証と負荷テストを行ったPCを納入してくれたメーカーが、ユニットコム 法人営業部さんだったんですね。

樋口氏:大学の研究室では、その日のうちにパーツが必要だったりするシーンが案外多いものです。しかしパソコン工房さんの店舗に行けば、組んであるPCもパーツもありますから、非常に小回りが利くわけです。大手メーカーさんも安いですが、やはり融通が利くという面では、こういったショップの存在は研究者にとって大きいですね。

ひまわり8号映像の公開は、学内での予想以上の反響から決まった

マイナビニュース:YouTubeに気象情報をアップロードした理由について教えてください。

豊嶋氏:ひまわり8号の新しいポイントは、カラーチャンネルの可視画像にあります。このひまわり8号について広く一般の方に認知していただきたいと考え、作成したものですね。特徴的な気象現象、例えば台風であるとかエアロゾルであるとか、局所的な集中豪雨の様子などを、ピックアップして載せています。カラーかつ高解像度で高頻度に更新される気象画像をみると、これほど鮮明に見えるということを知って貰えれば嬉しいです。専門的な知識が無くとも「すごいな!」と思っていただきたい、ひとえにそれが理由ですね。

YouTubeの「CEReS NICT JMA HIMAWARI Visualization Team」チャンネルではひまわり8号の映像が公開されている

樋口氏:ひまわり8号が打ち上げられた当初はデータを処理するのに手いっぱいで、我々も一度も画像を見てなかったんですよ。しかし、せっかく鮮明なカラー画像があるのに、それが可視化されないのはもったいないですよね。そんなわけで豊嶋さんにお願いして今年4月に動画にエンコードしてもらったところ、一目で「これはすごいデータだ」と気付きまして。その動画を試しに新入生の研究室訪問で公開したところ、女の子から黄色い声援が上がるという、想像以上の反響があったんです(笑)。画像を動画にしただけでこれほどのインパクトがあるのであれば、広く一般の方に見せないわけにはいかないだろうと考え、だれもがアクセスしやすいYouTubeに動画を公開しました。

とはいえ、送られてくるデータ自体は超高解像度画像ですから、本来であれば元の解像度のまま見ていただきたいわけです。そこで内向けにはマルチディスプレイを利用して、可能な限り高い解像度のデータを大学の付属図書館で公開しようと、ほぼ感動した勢いで考え付いたんですね。そこで、この気象動画を再生するためのシステムを、今回ユニットコムさんにお願いしたのです。

超高解像度映像を4Kディスプレイ6枚で公開している、千葉大学の付属図書館