老舗PCショップ「TSUKUMO(ツクモ)」が、秋葉原でのパーツ販売のノウハウを活かしたBTO-PCブランド「eX.computer」。その確かなパーツ選択眼によって作られているゲーミングPCが「G-GEAR」だ。このG-GEARで長年使用され、その顔ともなっていたオリジナルケース「62R3」が、12月1日に3年ぶりのリニューアルを果たした。スリムで機能的なミドルタワーケースは、どのような進化を遂げたのだろうか。今回は新型ケース「69JD」を採用したG-GEAR「GA7J-H63/ZE」カスタマイズモデルをお借りすることができたので、その詳細を確認していきたいと思う。

G-GEARにとって第4世代となる新筐体「69JD」を採用したミドルタワーPC G-GEAR「GA7J-H63/ZE」カスタマイズモデル

試用機の詳細スペック
型番 G-GEAR「GA7J-H63/ZE」カスタマイズモデル
CPU Intel Core i7-4970K(定格4.0GHz、TB時最大4.4GHz)
チップセット Intel Z97 Express
メモリ PC3-12800 DDR3 8GB(4GB×2)
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 970(ZOTAC ZTGTX97-4GD501)
ストレージ SSD 256GB/SerialATAIII(Crucial MX100 Series)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
電源ユニット CWT製GPK500S(定格550W)、80PLUS BRONZE認証
ケース G-GEAR ATXミドルタワーゲーミングケース(ブラック/69JD)
OS Windows 7 Professional 64ビット
価格 147,800円(税別・2014年12月上旬現在)

フロントパネル・インタフェースが一新された第4世代ミドルタワー「69JD」

G-GEARのミドルレンジモデルに採用された「69JD」は、前モデル「62R3」の特徴を踏襲しながらも、昨今の自作PCパーツのトレンドを取り入れた新型ケースだ。まずは両モデルの外観を見比べて、その違いを確認してみよう。並べてみると69JDは62R3のマイナーチェンジモデルであることがはっきりとする。外形寸法には変更がなく両モデル共にW190×D475×H475mm。ミドルタワーとしてはスリムで背が低く、設置の自由度が高いという特徴は、そっくりそのまま引き継がれている。大きく変わったのは前面フロントパネルの配置と構造だ。電源ボタンやリセットボタンをはじめとした前面インタフェースの位置が、フロントパネル中央部に変更されている。一方背面はといえば、特に変更点が確認できない。こちらは従来の作りを、そのまま引き継いだと見ていいだろう。

69JD(左)と、62R3(右)の前面を比較してみると、基本構造はそのままに、前面インタフェースの位置を大きく変更していることがわかる

背面は69JD(左)、62R3(右)を並べてみても変更点が特に見当たらない。12cmファンや拡張スロット周辺の仕様もそのままだ

ボタンは金属製の丸ボタンから樹脂製の四角いボタンに変更され、従来よりも主張が少なくなっている。加えて電源のLEDはグリーンに変更。ツクモのイメージカラーといえば緑なので、ブランドイメージに近づいたと見ることもできるだろう。もしくは、当モデルの消費電力は(本稿の後半でも紹介するが)ベンチマーク起動時でもミドルレンジ並みとなっており、LEDカラーである「グリーン=エコ」と見ることもできる。またUSB端子は昨今のマザーボードの仕様に合わせ、USB 3.0に変更されている。USB 2.0という仕様にはさすがに古さを感じるので、より高速なデバイスを利用できるようになった点は歓迎したい。

69JDでは前面インタフェースの配置変更に合わせ、ボタン形状やLEDにも変更が加えられた。またUSB端子が3.0となり、フロントパネルから高速なデバイスを気軽に利用できる

昨今の自作PC事情を考慮し、拡張ベイの構成を大きく変更

左右側面も背面同様、仕様変更は見当たらない。CPUやグラフィックスカードの冷却を助ける左側面の通気口も従来通りだ。しかし左側面のパネルを開けて内部を確認すると、新型筐体の特徴がはっきりとする。拡張ベイの構成が大きく変更されており、2.5インチベイが追加されているのだ。62R3は5インチベイ×3、3.5インチベイ×6(内蔵ベイ×4)という仕様だったが、69JDでは5インチベイ×2、3.5インチベイ×4(内蔵ベイ×3)、内蔵2.5インチベイ×4という構成になっている。この仕様変更はSSDの普及やHDDの大容量化に伴ったものだろう。光学デバイスの使用頻度が低下したためデッドスペース化が進んだ5インチベイを減らし、より多くのストレージを搭載できるようにしたのだ。

左側面のパネル構造も従来とまったく同様。69JD(左)、62R3(右)で特に違いはない。この写真だけ見ると同じ製品に見えることだろう

左側面のパネルを開けたところ。69JD(左)、62R3(右)を比較すると、5インチベイを減らして2.5インチベイが追加されたことがわかる

69JDでは4基の2.5インチベイが追加された。SSDの普及とHDDの大容量化、そして光学ドライブの使用頻度の低下という、現在のパーツ事情を反映した構成となっている

こちらの右側面パネルの写真は共に69JD。内蔵3.5/2.5インチベイは左側面から設置、接続が行えるため、この右側面パネルを開ける機会は少ないだろう

そのほかの箇所に特に変更はない。本体天面には滑り止めのゴムが用意されており、変わらずスマートフォンなどの一時的な置き場として利用できる。底面のしっかりした足の仕様もそのままで、安定した設置が見込めるだろう。62R3で評価の高かった点はそのままという印象だ。

本体天面はフロントパネルのデザインがつながるような形でアクセントがある。3本の黒い線はゴム製で、スマートフォンやポータブルHDDなどを置く際の滑り止めになる

本体底面にはしっかりしたゴム足が用意されており、安定した設置が可能だ。またフロントパネル底部には、吸気口が設けられているのが確認できる

次ページでは、フロントパネルの詳しい構造や、内部に使用されているパーツを確認していこう。