レーシングゲームを60fpsでプレイ

まず、基本性能を確かめるべく、PC版「NEED FOR SPEED MOST WANTED 2012版」(NFSMW)をXL2420Zでプレイしてみた。このゲームは2005年に発売された同名のリメイク作品で、スーパーカーを操ってストリートレースを楽しむタイプのレーシングゲームだ。

なお、下記が現在の筆者のゲームプレイ用PCのスペックになる。

CPU A10-6800K(定格クロック4.1GHz、最大クロック4.4GHz、4C4T、
L2キャッシュ容量2MB×2)
マザーボード GIGA-BYTE TECHNOLOGY「G1.Sniper A88X」(AMD A88X、BIOS F7)
メインメモリ PC3-10600 DDR3 SDRAM 8GB×2
GPU GeForce GTX 780 Ti(グラフィックスメモリ容量4GB)
HDD Western Digital「WD Green」(3TB、SATA 6Gbps、型番 WD30EZRX-00DC0B0)
OS 64bit版Windows 7 Ultimate SP1

NFSMWは60fps(60Hz)のゲームであり、XL2420Zの144Hz描画性能をもってすれば余裕なわけだが、実際、動体視力が向上したかのように敵車両や情景の動きがよく見えるようになる。一般的な液晶テレビでも60Hz描画能力はあるわけなのだが、それよりもくっきりと見えるのは5ms(中間色で1ms)というXL2420Zの圧倒的な液晶パネルの応答速度によるものだと思う。

実際、テストパターンなどを表示して確認してみたが、AMA(Advanced Motion Accelerator)と呼ばれるオーバードライブ技術が効いているようだ。XL2420ZはAMAの設定を「オフ-高-プレミアム」から選べるが「オフ」では一般的な液晶テレビで見慣れたようなテクスチャ表現が淡く見える見映えになる。「高」設定で十分くっきりと見えるが、さらに鮮鋭度を上げて見たい場合には「プレミアム」設定を使ってもいいだろう。

以下は、ハイスピードカメラで240Hz撮影したものだ。それぞれの設定の違いをご覧いただきたい。

AMA「オフ」

AMA「高」設定

AMA「プレミアム」設定

もう一つ、NFSMWのプレイで役に立ったのは「ブレ削減」モード。これはバックライトを1フレーム未満の僅かな一瞬だけ消すことで液晶表示特有のホールドボケを低減させる機能だ。効果としてはAMAのように動体表現を先鋭化してくれるもので、AMAと併用すれば速い動きも的確に目で追えるようになる。一般にこうしたバックライトスキャニング的な機能は活用すると表示が暗くなるのだが、XL2420Zは元々高輝度なので、「ブレ削減」オンでやっと普通の液晶ディスプレイくらいの明るさだ。バックライトを一瞬消しているという特性上、省電力効果もあるはずなのでゲームプレイだけでなく、常時オンでもいいかもしれない。

XL2420Zは表示遅延性能に関しても優れており、プレイ操作に対するレスポンスも軽快であった。XL2420Zには低遅延モードとして「インスタントモード」が備わっており、これを有効化すると、さらに遅延が小さくなる。

実際に、業界最速と言われてきた表示遅延3msの東芝レグザ26ZP2との表示遅延比較を行ってみたが、「インスタントモード=オフ」時は26ZP2に及ばなかったものの、「インスタントモード=オン」時にはXL2420Zが26ZP2を上回っていた。ゲームプレイ時には「インスタントモード=オン」を常用したいところだ。

以下、左がXL2420Z、右が26ZP2。テスト映像を2台に対して分配器経由で表示し、これを240Hzのハイスピード撮影を実施。数値が進んでいる方が遅延が少ないことを表す。

インスタントモード=オフ時では26ZP2の方が低遅延だったが…

インスタントモード=オン時ではXL2420Zの方が低遅延となり逆転。理論値同士で比較すると本来はここまでの差は出ないはずなのだが、遅延とは別に、XL2420Zの液晶の方が応答速度が早い分、画素書き換えが早く、このような結果になった可能性がある。いずれにせよ、XL2420Zの方がユーザーへの情報提示速度は26ZP2よりも早いと言うことだ