7月1日、韓国サムスン・エレクトロニクス(以下、サムスン)が、新世代SSD「Samsung SSD 850 PRO」を発表した。同社は毎年、SSDの新製品を発表しているが、製品名にPROを冠するのは2012年9月発表の「Samsung SSD 840 PRO」以来、約2年ぶりとなる。PROシリーズは、性能と信頼性への要求が厳しいアーリーアダプタ層向けのハイエンド製品であり、性能にこだわるPC自作派からの人気も高い。

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Samsung SSD 850 PRO

Samsung SSD 850 PROの最大の特徴は、3D V-NANDと呼ばれる、3次元構造のNANDフラッシュを採用していることだ。メモリセルを垂直方向に複数重ねることで、高密度化を実現できることが3D V-NANDの利点である。

これまでは、プロセスルールを縮小していくことで高密度化を実現してきたが、プロセスルールも十数nm時代に突入しており、これ以上の縮小は困難になりつつある。3D V-NANDのような3次元チップは、NANDフラッシュ高密度化の切り札とされており、NANDフラッシュメーカーがその開発にしのぎを削っている。

そうした中、サムスンはいち早く3次元NANDフラッシュの量産に成功し、今回発表されたSamsung SSD 850 PROに採用したのだ。ちなみに、Samsung SSD 850 PROに採用されている3D V-NANDは32層ものセルを垂直に積層している。3次元NANDフラッシュを採用したコンシューマ向けのSSDは、Samsung SSD 850 PROが世界初となる(エンタープライズ向けとしては、同じくサムスンが2013年に3D V-NAND搭載のSSD製品を出荷済み)。