マザーボードはPCの核となるパーツのひとつだ。だからこそ、自作PCの世界ではこのパーツ選びを軽んじることはできない。せっかく組んだ自作PCがすぐに不調になってしまったらたまったものではない。

2000年台初頭からマザーボードのトップメーカーにおいて、安定性や耐久性が向上する「高品質な固体コンデンサ」をハイエンドマザーボードに採用するのがトレンドとなったが、この固体コンデンサの採用を強くアピールしていたのがGIGABYTE。そして、そのブランディング施策が「Ultra Durable」だ。

Ultara Durable ロゴ

Ultra Durableは、ひと言でいうとGIGABYTE独自の品質基準で、ユーザーがマザーボードを選ぶ際に品質の目安として活用できる―― というもの。現在、第5世代の製品まで提供されているおり、品質と安定性の向上を目指すギガバイトのポリシーにのっとり、固体コンデンサだけでなく、今では冷却性や省電力性能、各種の保護機能まで含めたトータルでの「高品質」基準へと性格が変わってきている。そこで本稿ではUltra Durableが保障する”品質”とは何なのかを詳しく解説していきたい。

Ultra Durable誕生から現在まで。世代を重ねるごとに"超耐久"マザーボードは進化している

高品質部品という枠を超え、超耐久構成の集合体へ

まず、Ultra Durableの中核を成す部品について解説したい。まずはコンデンサだ。前述の通り固体コンデンサであることは当然として、Ultra Durable製品では「低ESRコンデンサ」を採用している。このコンデンサは消費電力や発熱を低減できることに加え、長寿命を実現するなどのメリットを備えた部品となっている。

次は「フェライトコアチョーク」と「低RDS(on)MOSFET」。まずはフェライトコアチョークだが、通常のチョークは、コイルがむき出しになっているのに対し、この部品はコイルの周囲をフェライトコアで固められている仕様となっている。これによりコイルを外気にさらさず、酸化を防ぐ効果が期待でき、それがエネルギー損失の抑制にも繋がる。加えて、ノイズ低減の効果もある。低RDS(on)MOSFETは、電流の充電・放電速度を速めるための低レベルスイッチングができるように設計された部品で、低消費電力と発熱抑制に効果がある。

続いて「2倍銅箔層基板」。同部品は主に冷却性能を向上させるもので、具体的にはPCB基板内部に一般的な基板の2倍の厚みをもつ銅箔層を設け、これを放熱板のように活用している。同時に厚みがあるぶん抵抗値が低く電力効率に優れ、EMIにも強いといった効果もあるという。

最後は「防湿機能」。網目の細かな繊維を用いたPCB (ポリ塩化ビフェニル)「新開繊クロス式PCB」を採用することで、湿度の進入を防ぐというもの。言うまでもなく湿度は電子機器の動作に影響する要素だが、日本も梅雨時となれば高湿度に悩まされる地域と言える。世界にはさらに高湿度な地域もあるので、そうした地域でも安心して使えるだけの保険的機能が搭載されているとなれば心強いことだろう。

ここまで紹介した機能は、Ultra Durable 4(第4世代)で実現されている機能だ。現在販売されているマザーボードは、第4または第5世代の製品となるので、市場に出ているすべて製品が、ここまで説明してきた"超耐久品質"が保証されたマザーボードとなる。

さらなる進化を遂げた「Ultra Durable 5 Plus」

なお、最新の第5世代製品は「Ultra Durable 5 Plus」という名称で提供されている。主にIntel 8シリーズチップセット搭載マザーボードのハイエンドモデルおよびミドルレンジモデルを中心に採用されている。Ultra Durable 5 Plusは、いくつもの高品質部品から構成されている。その特徴は大きく分類すると、「Ultra Cool」「Ultra Performance」「Ultra Safe」「Ultra USB3+」という4点だ。

Ultra Durable 5 Plusの特徴を大きく分類すると、「Ultra Cool」「Ultra Performance」「Ultra Safe」「Ultra USB3+」の4つが挙げられる

Ultra Coolは、冷却性能のためのヒートシンクデザイン。カラフルな外観とともに、その名の通り冷却性能を向上させた点が特徴だ。Ultra Coolでは、PWMエリア、チップセットといったマザーボード上の重要な部分を効率的に冷却可能。ハイパフォーマンス追求型の構成でもシステムの安定性を保つことができる。外観デザインも特徴で、GIGABYTEの8シリーズマザーボードでは、ゲーマー向けはグリーン、OC(オーバークロック)向けはオレンジのパーツを配色。スタンダードシリーズでは、上位モデルから順に、イエロー、レッド、ブルーが採用されている。デザイン上でのアクセントとなるのはもちろんのこと、ひと目でマザーボードのセグメントやグレードが分かるようになっている。

Ultra Performanceは、無駄な発熱を抑制する機能。Ultra Durable 5 Plusにおいては、International Rectifier製のPWMコントローラとPowIRstage ICの組み合わせとなる。従来型のアナログ電源回路と比べ、負荷への追従性に優れ、かつ高効率で発熱も抑えられるのが特徴だ。

ヒートシンクのカラーでマザーボードのセグメント・グレードが判別可能

International Rectifier製のPWMコントローラとPowIRstage ICにより、発熱を抑制

Ultra Safeは、GIGABYTE製マザーボードの従来からの特徴であるDualBIOSのUEFI版。DualBIOSは、物理的に2つのBIOS ROMを搭載することで、BIOS更新やBIOS設定の変更の際に片方がクラッシュしてしまったような場合でも、自動的にもう一方からリカバリがかかり、システムを保護する仕組みだ。

最後のUltra USB3+は、今や機器の接続だけでなくポータブルデバイスの充電用にも使われることの多いUSBポートに加えられた特別な機能で、USBポート1つに対し1つのヒューズを搭載するというもの。同機能により、万が一USBポートに高電圧が流れてしまったような場合、このヒューズが防波堤となり、被害をそのポートのみにとどめてくれる。

2つのBIOS ROMを搭載。これにより、UEFIに不具合が発生した場合にバックアップROMが自動的にリカバリする

USBポート1つに対し1つのヒューズを搭載

このほかの特徴としては、ハイエンドモデルを中心に採用されている「超耐久ブラックコンデンサー」だ。超耐久ブラックコンデンサーは日本ケミコン製のコンデンサで、105℃の高温環境で10,000時間以上稼動するというハイスペック仕様。ブラック塗装された外観もインパクトがある。なお、メインストリーム向けの固体コンデンサは同条件で5,000時間、スタンダード向け固体コンデンサは2,000時間が目安とのこと。

Ultra Durableはユーザーがひと目でわかる信頼マーク

ここまでUltra Durableについて解説してきたが、これで全てというわけではない。さすがに第5世代まで進化すると、本稿だけで全てを網羅することはできない。今回は、どのモデルにも準拠するUltra Durableの基本機能を中心に紹介した。

通常、自作PCのユーザーであっても搭載しているコンデンサやチップ、機能の詳細を把握するのはなかなか難しい。これらを簡単なキーワードとしてまとめ、誰でもわかりやすく視覚化したのがUltra Durableだ。「Ultra Durableであれば高品質で高耐久性」と覚えておけば、数あるマザーボードから、自分のPC用マザーボードを選び出す時に助けになってくれるだろう。

(マイナビニュース広告企画)

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