今年で創業20周年、新しい店舗ブランド展開で中古車販売のシェアを伸ばし続けるガリバーインターナショナルが、営業用デバイスとしてすべての店舗社員にiPadを配付したニュースは記憶に新しい。全国に数千台あるデバイスを管理する手法としてもはやMDMは欠かせないものになるが、同社にとってその価値はどれほどのものなのか。システムのリニューアルを機に疑問をすべて投げかけてみた。

●MobileIron社とは
全世界で6000社以上のユーザを抱え、多くのモバイルITプロジェクトに関わったノウハウ、更には北米・ヨーロッパにてBYOD関連の多くのコンサルティングを行なってきた実績がある。日本では、2011年4月に日本支社設立以来、大手企業を中心に約300社のモバイルプロジェクトに貢献してきた。

●MDM(Mobile Device Management)とは
モバイル情報端末を遠隔から管理する仕組み。アプリケーションのダウンロード状況や利用実態を確認したり、特定機能の動作を制限したりできる。モバイル情報端末の導入台数が多い企業では特に有効で、セキュリティーを確保しながら、システム管理者の運用・保守作業にかかる手間を大幅に軽減できる。最近ではユーザでのモバイル活用の進化とともにアプリ管理(MAM)やコンテンツ管理(MCM)機能を統合したEMM(Enterprise Mobile Management)へと進化している。

中古車業界にIT旋風を巻き起こした風雲児が次の一手

―今回の採用のきっかけは、そもそもどこから?

柳下幹生氏
MobileIron アジア太平洋・日本担当セールスバイスプレジデント。世界最大のMDMベンダーの1つであるモバイルアイアン社は、そのサービスクオリティの高さと新機能に関するローンチスピードの早さといった実績から、米アップルからも絶大な信頼を寄せられているブランドだ。国内ではJR東日本、髙島屋、富士写真フイルムグループ、キヤノン、三菱ふそうトラック・バスなどエンタープライズ市場での採用が広がっている。

  • 坂口 これまでMDM(モバイル・デバイス・マネジメント)をお願いしていたベンダーさんとの契約がちょうど切れるタイミングだったのと、配付した社員用iPadが2年半くらい経っていたので、切り替えましょうと。タイミングが全部揃ったんです。それで管理ツール群をもう一度最初から比較検討して最終的にはモバイルアイアンに決めました。

―MDMソリューションは国内ベンダーも数多くあります。中でモバイルアイアンを選んだ、決め手は?

  • 柳下 そこはまだお聞きしていなかったので、実は今日聞きたかったんですよ(一同笑)。

  • 坂口 サービスソリューションとして、アップルに近しい存在であり対応も迅速。例えばiOS7がリリースされたとき、それに対応した機能やサービスっていうのがモバイルアイアンにいち早く入っていますと。他のベンダーさんは、日本に翻訳されたものを待ってるとか、そういうレベルでしたからね。

  • 柳下 iOS7における企業向けの機能は、いち早く対応してほぼ同時くらいにサポートしました。それができないと結局iOS7のよさが活きない。そういう企業としての姿勢とか、アップルとのリレーションや親和性が評価されたということろですかね。

  • 坂口 そのスピード感が一番の魅力です。「コストはがんばります」とかはありましたが、OSが優れた進化をしたのにそれを活用する側が別の理由で進化をストップさせてしまっては、いったいなんのための進化なのか、モバイルの本質が根底から揺るぐことになります。

  • 柳下 iOS7になってから、MDMベンダーによっては管理自体ができない状況に陥ったケースも結構ありました。我々が意識したのは、とにかく今の状態で管理に影響があってはいけないということで、即日、iOS7リリースと同時にまずは「互換性は必ず保証します」というバージョンを出しました。そして2週間以内に新機能に関してほぼすべてをサポートすることができた、という経緯はあります。

  • 坂口 あとは、2年半くらいiPadを業務活用してきた実感として、バージョンのたびにOSの中身が進化という変化をしてくるので、アプリの作り直しも結構あります。場合によっては結構な時間もかかる。特にiOS7ではそうでした。

―現状自社開発したアプリは何種類ぐらい?

  • 坂口 全部で8つぐらいです。これらがまだ対応しないうちに店舗社員がOSをアップデートしてしまうと、瞬間に業務では使えなくなってしまう。その改修が2カ月くらいかかれば、その間、何もできなくなってまう。その意味では新OSへの対応はMDM同様に必須です。スピード感を我々は重視しています。

  • 柳下 アプリ改修は皆さん苦労されていまして、ここも我々のポータルから一斉配付することによって、プロビジョニングファイルも含めて更新ができるメリットはあります。その面でもさっそくお役立てできたのかな、と考えています。

  • 坂口 iOS7対応の新機能で一番魅力だったのはサイレントインストールですよ。これまではお知らせメールを出して告知してはいたものの、やってくれない人はアップデートもなおざり。また、古いバージョンのまま業務を続ける人はいて、そうするとデータの不整合が起きる。それを防ぐにはサイレントインストールで全端末に対して同じバージョンを一斉に配付することです。実はついこの前、この機能を使ってみたのですが、やはり全然違いますね。ほぼすべての端末にアプリの最新バージョンを一瞬で当てられる。この状態は初めてです。

―使ってほしいバージョンが正しく使われている。当たり前ですが管理側にとってこれができるできないは大きい。結果的にサポートコストも下がってますか?

坂口直樹氏
株式会社ガリバーインターナショナル ITチーム所属。査定買い取り業務で使用する1800台のiPadのほか、営業ツールとしてすべてのノートパソコンをMacBook Airに置き換えたり、店舗内の商談端末をすべてiMacに置き換えるなど現在3000台以上のMacに切り替えている中心的存在。氏は単に見た目だけの問題だけでなく、MDMによってiOSデバイスとMacを一元管理できるという効率面からもアップル製品を選んでいるという。

坂口 バージョンが古いことによる不具合とか、おかしいという問い合わせはなくなりました。

柳下 アプリのアップデートは、月1もしくはそれ以上の頻度でありますか?

坂口 開発スピードも最近上がってきているのもあって、月2くらいですかね。全部できてからリリースではなく、機能が載るたびにどんどんリリースしています。ちょっとずつ気づかないうちに改善していくという(笑)。まさにクラウドっぽい感じです。

―ところで、世界レベルで見ると企業利用におけるiOSデバイスの採用率は?

柳下 地域によって違いはありますが、米国はiOSデバイスの企業利用シェアがとても高いです。一般的にはアンドロイドが全体でシェア80%とかいいますが、米企業においては逆に80%がiOS。さらに最近では米国防総省で数万台の案件が出るので、おそらくそこを起点に今後いろいろな連邦政府の機関にiOSが入ってくるような状況です。


―日本企業ではまだまだそのあたり、顔色をうかがっている傾向があります。

  • 柳下 その意味でガリバーさんが新鮮だったのは、WEBブラウジングなど標準機能に規制をかけていないこと。多くの国内企業はものすごく規制をかけたがるんですよね。アップストアまで閉じるとかサファリも使わせないとか、アイクラウドも制限対象というのがほとんどなんですよ。理解できなくはありませんが、やればやるほど従業員は個人端末で結局はやってしまうので、意味のない規制なってしまう。

  • 坂口 そうですね。弊社は配付当初から「勝手に使ってくれ」と。その代わり、業務用アプリも配ってるのでそっちも使ってくれ、と。そもそもアンドロイドとかウィンドウズを使うよりもiOSはセキュアでしょう。ウイルスの面もね。担保されているなら「好きに使っていいよ」というスタンスです。

  • 柳下 BYODは将来的な視野にありますか?

  • 坂口 今は会社支給にしていますが、通信費負担分を会社でという案は今後あるかもしれません。一方で、店舗社員は全員iPadを持っているので、本部から(iPhoneなどの)BYODを勧めるというのは考えていて、それで社内メールやシステムにアクセスできると利便性は高まりますよね。

  • 柳下 弊社の場合、MDMだけでなくMAM(モバイル・アプリケーション・マネジメント)、さらにデバイス中に企業領域を作れますので、基本的には支給端末であろうが個人所有であろうが、企業内データの安全性は確実に担保できます。

ガリバーインターナショナルは、米アップル本社が企業導入の好例として採用した数少ない日本企業の中の1つ

モバイルアイアンが提供するモバイルITの統合プラットフォーム。MDMだけでなく、MAM、MCM(モバイル・コンテンツ・マネジメント)機能をサポートする企業におけるモバイル活用プラットフォームだ。

― さて今回、MDMの移行にはかなりパワーが必要だったのでは?

  • 坂口 はい。ただ、実は2週間くらいでほぼ完了しました。初期設定コストも以前より下がっています。モバイルアイアンはほとんどの設定が遠隔操作できるので、煩わしい作業工程も要りません。入れ替える新しいiPadに資産シールを貼って配付先を分別して送付。店舗からは古いiPadを送り返してもらう。店舗側で業務用アプリをダウンロードしてもらってアクティベートすれば、あとは本部から設定をリモートで端末に自動配付。入れ替えにおけるキッティングコストは50%以上も下がりました。

―それは2世代目という慣れもありますか?

  • 坂口 あると思います。普通にアップルID使ってアップストアからアプリをダウンロードして、IDパスを入力してっていえばみんなできます。それよりはモバイルアイアンを設定をしたんだけどうまくできないとか、その問い合わせが今は多いです。もちろん予測の範疇ですが。

  • 柳下 すでにモバイルの業務活用の主軸はデバイス管理ではなく、その中のアプリとかデータ管理に移りつつあります。先ほどのサイレントインストールを含めて、モバイルのボトルネック的要素はどんどん減っていくでしょう。そういうプラットフォームを含めたエコシステムを作れるのは、業界トップ3くらいまでだと思います。我々はそこに力を入れています。

―自由にしていい部分とそうでない部分をきちんと分けられる現状が、多くの企業さんにも広まっていくといいですね。

  • 坂口 使い方は自由で、あくまでも会社で使うならこういう機能が安全に使えますよ、とか。そこがきちっと冷静に判断できれば、モバイルはもっと浸透すると思います。
●お問い合わせ
モバイルアイアン・ジャパン

MobileIronに関するお問い合せは下記までお願いします。

TEL: 03-6205-3414
http://www.mobileiron.com/jp

MobileIron ケース・スタディ
●お問い合わせ
マクニカネットワークス株式会社

ガリバーインターナショナルのMDM移行はMobileIronパートナー社であるマクニカネットワークス株式会社によって実施されました。マクニカネットワークスはiOS 7新機能を含め最新のテクノロジーをサポートします。

TEL: 045-476-1980
http://www.macnica.net/mobileiron/

[PR]提供:MacFan転載