小さな小さなデスクトップ

Radiant SPX2300NUCは、IntelのNUCをベースとしたBTOモデルだ。NUCとは、底面サイズが10cm角という超コンパクトなデスクトップPCベアボーンキット。コンパクトなデスクトップPCと言うと、これまでならパフォーマンスが犠牲になりがちだったが、SPX2300NUCは最新のCore i5プロセッサを搭載し、全く不安の無いものに仕上がっている。

ベアボーンキットと書いたとおり、NUC自身はケースにマザーボードを収めた、半完成PCキットである。つまり、あとの必要パーツはユーザーが自由に選び、本来なら自身で組み込むという形式だ。とはいえ、NUCに組み込むパーツは、メモリ、ストレージ、そして拡張カード1枚のみなので、作業的にはたいして難しくない。ただし、注意点はある。

NUCの場合はコンパクトさを追求しているため、搭載パーツには若干の制限がある。例えばメモリはデスクトップPCで通常用いられるDIMMではなく、モバイルPCに用いられるSO-DIMMの、それもより低電圧な1.35V駆動のDDR3L SO-DIMMを選ぶ必要があり、また、ストレージもコンパクトPCで一般的な2.5インチSATAドライブではなくmSATAと呼ぶインターフェースのものを選ぶ必要がある。こうした制限があるため、実はパーツ集めに意外と苦労する。

しかしそこはBTOモデルのSPX2300NUCが解決してくれる。BTOでは、NUCというベース自体は決まっているが、メモリの搭載量(もちろんDDR3L SO-DIMMだ)や、mSATAストレージのメーカー/製品/容量が選べ、無線LANカードとなるがPCI Express mini Cardにも選択肢を用意している。つまり、少々パーツ選びが難しいNUCでも、問題なくパーツを選べて自分の理想の構成ができ、かつ組み立てられた形で購入できるのがSPX2300NUCの魅力だ。

使いやすいインターフェースで、小ささによるトレードオフを解消

今回、評価機としてお借りしたのは、メモリに「DDR3 SO-DIMM 16GB」を、ストレージに「PLEXTOR PX-128M5M 128GB」を、そして拡張カードに「Intel Centrino Wireless-N 802.11b/g/n」を、OSに「Windows 8.1 64bit」搭載したモデルだ。OSに関しては評価機のためそのままインストールした格好だが、製品でOSを選んだ場合はこれに「DATA引越しソフト」と専用の「クロスケーブル」が付属する。

この内容でBTOメニューから価格を見ると、95,250円(執筆時点)となった。なお、メモリ8GB、ストレージが128GB、拡張カードとOSナシの標準構成モデルは70,520円(執筆時点)である。およそ、メモリ、ストレージ、拡張カードにOSという基本のBTOだけで最上位のパーツを選んでも12万円以内には収まる予算のPCだ。

Radiant SPX2300NUCの内部の構造

ここで少し、従来のNUCベースの製品との違いも紹介しておこう。最新モデルの特徴は、もちろん最新のHaswellベースのCore iプロセッサになったという点が最大ではあるが、そのほかにインターフェースが見直されて、通常の使用において実用的かつ十分な構成に変更された点もある。

従来モデルのインターフェースは、有線LANが省かれていたり、USB 2.0までしか対応していなかったりと、デスクトップPCとして、または最新PCとしては少々不満のある構成だった。一方、最新モデルはこのどちらも搭載しており、USB 3.0ポートは合計4ポート利用できるため、キーボードとマウスを搭載してもさらに2ポート、USB 3.0外付けHDDなどの周辺機器を接続することができる。ディスプレイ出力端子は、mini HDMIとmini DisplayPort。mini規格であるため、通常のHDMIやDisplayPortに変換するアダプタや変換ケーブルが必要になるところだが、SPX2300NUCでは標準でmini HDMI→HDMI変換ケーブルが付属する。電気街を離れたいわゆる家電屋さんの場合、スマホやタブレットで使われるmicro HDMIケーブルはあってもmini HDMIケーブルを置いていないことも多いので、こうした心配りはとてもありがたい。

背面のインタフェース、USB 3.0は前後合計4ポート。mini HDMI→HDMI変換ケーブルも付属する

Core i5とSSDによるパフォーマンスは快適

さて、SPX2300NUCのパフォーマンスを見てみよう。SPX2300NUCの場合、CPUにCore i5-4250U(デュアルコア/Hyper-Threading対応)を搭載しており、普段使いであれば十分なCPUパフォーマンスを備える。一方、グラフィックス機能はCPUに統合されたIntel HD 5000を利用するため、主に2Dグラフィックスに使用しつつ、軽めの3Dゲームであれば低画質~標準画質の720pで楽しめるといったあたりのパフォーマンスだ。このあたりはPCMark 8のスコアが示している。一番良いスコアがWORKといったことから、用途が決まってくる。

PCMark 8での「HOME」スコア、「2457」

「CREATIVE」スコアが「2659」

そして「WORK」スコアが「3509」となる

PCMark 8では、HOMEスコアが2457、CREATIVEスコアが2659、そしてWORKスコアが3509。HOMEとCREATIVEにはゲーム等も含まれるがWORKは2D処理中心になるテストで構成されているため、このようなスコアになる。

グラフィックス性能では、ドラゴンクエストXベンチマークソフトを試したが、標準品質の1280×720ドットであれば、「普通」という評価が得られた。3Dゲームを快適に楽しみたいとなるとNUCには荷が重く、グラフィックスカードで強化するわけにもいかないという点が使い方の上でのポイントになる。

ドラゴンクエストXベンチマークソフトでは、標準品質の720pで「普通」という評価が得られた。同じスクエア・エニックスのタイトルでもファイナルファンタジーXIVは少々キビシイ

一方、ストレージは、搭載するのがSSDであるためかなり高速で、アプリケーションの起動も速い。ストレスなくPCを楽しめる点が魅力だ。128GBまたは256GBと、容量面には制限があるものの、大容量なデータは、USB 3.0外付けドライブやNASを併用することで補っていけばよい。こうした使い方は、モバイルPCとも似ている。そもそも、NUC自体がモバイルPCの部品を用いてデスクトップPCを作ったらこうなった、というようなものである。液晶ディスプレイは搭載しないが、使い方が似てしまうのは当然と言える。

搭載するmSATA SSDのパフォーマンスは、2.5インチSATAドライブと同等。高速なストレージで、OS・アプリケーションの起動も短時間で快適だ

ただ、NUCの場合は接続するディスプレイを選ぶことができる。もちろん、モバイルPCもディスプレイ出力機能くらい備えているわけだが、設置面積としてはNUCの方が小さい。こうしたメリットを活かせば、例えばリビングのテレビに接続して、動画や写真などを中心に家族で楽しむためのPCや、机の上で22~27インチの大きなディスプレイや入力しやすいキーボード・マウスを組み合わせて作業の快適さを追求するといった用途が考えられる。その際、通常のデスクトップPCもモバイルPCも、どちらも設置面積という点ではある程度を専有してしまうわけだが、10cm角サイズのNUCであれば邪魔にならない。

なお、組み合わせる液晶ディスプレイが、スタンドと別にVESAマウンタを用意したモデルであれば、付属のVESAマウントアダプタを介して液晶ディスプレイ裏に搭載できるので、いわゆる液晶一体型デスクトップPCのようにも利用できる。パソコンでありながらも自己主張が控えめなところは、むしろいろんなところで活用できる可能性があると言い換えても良いだろう。

ちょっと特殊なNUCでも、SPX2300NUCなら悩み無用で構成も選べる

ここまで紹介してきたとおり、NUCの特徴は、小ささと、そのサイズでありながらパフォーマンスやインターフェースで十分な実用性を備えている点だ。そしてそのNUCをベースにしたSPX2300NUCは、NUC特有のパーツ選びの難しさをうまくフォローしつつ、BTOという注文方法により、容量などを選択できることで、ユーザーのニーズに合った構成を選べる点にある。BTOメニューを見ると、NUCを使う上で必要になるディスプレイやUSB外付け光学ドライブ、キーボード・マウスや、オフィスソフト・セキュリティソフトなどが用意されている。必要になるものを一括で購入できる手軽さも魅力だろう。

(マイナビニュース広告企画)

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