BenQの「XL2420TE」は、LEDバックライトを採用した24インチ・フルHD(1920×1080ドット)液晶ディスプレイだ。パネル駆動方式はTN方式で視野角が広いとは言えないが、それでもゲーマーからは絶大な支持を得ており、各種大会でも公式ディスプレイとして採用されている。その理由は、垂直リフレッシュレート144Hz駆動、そして中間階調域の応答速度5ms(Gray to Gray:1ms)を実現し、ラグや残像の無い映像が得られるという点にある。しかし、スペックだけならば同様の製品は他にも存在している。BenQのディスプレイが選ばれる理由はなんなのかを探るため、ゲーミングチームに話を伺うことにした。

ゲーマーから圧倒的支持を受けるBenQ「XL2420TE」

インタビューを受けて頂いたのは、累計プレイヤー数150万人を誇るゲームオンのオンラインFPS「Alliance of Valiant Arms」(以下「AVA」)において数々の大会で優勝実績を持ち、現在最強の呼び声が高いクラン「DeToNator」(http://detonator-ava.com/)だ。2013年の締めくくりとして行われた、12月28日の「AVAれ祭り2013 -後楽園の陣-」においても圧倒的な強さで勝負をものにし、観客にその存在感を強烈に植えつけた。今回お越しいただいたのは、爆破メンバー4名。企業のスポンサードを受けるレベルのゲーマーがどんなデバイスをどのように使っているのか、ゲーマーそしてハード好きな諸君なら気になって仕方がないはず。ディスプレイはもちろんのこと、彼らのプレイスタイルや使用デバイス、そして「XL2420TE」の魅力と設定を探っていこう。

DeToNatorの爆破メンバー4名。左から、ライフルマンの[上海紅茶館]氏、スナイパーの[Ak~ayS](しゃか)氏、ポイントマンでチームリーダーの[Darkよっぴー]氏、ライフルマンの[RobiN]氏

「DeToNator」メンバーが重視するゲーミングデバイス

──まず、パーツやデバイスに優先度をつけるとしたら、どのような順番になるか教えてください。

Darkよっぴー氏:一番はやはりPC本体ですが、ゲームが問題なく動けばOKです。その次にディスプレイかな。次いでマウスとヘッドセット。音は重要ですね。そしてマウスパッド、キーボードでしょうか。

──AVAの画質はどのような設定にされていますか?

Darkよっぴー氏:画質設定は出来るだけ下げていますが、影は重要なので、しっかりと見えるように設定しています。メンバーみんなそんな感じじゃないかな?

RobiN氏:僕だけ違いますね。敵か味方かを輪郭で判断しているので、ある程度画質設定を高くしています。

──27インチなど大型ディスプレイも増えていますが、理想の画面サイズはありますか?

Darkよっぴー氏:元々17/19インチのCRTディスプレイでプレイしていたので、それくらいの大きさが一番合っていたのかなと思います。画面は、横を区切って4:3にしています。サイズで言うと19インチ位ですかね。でも結局は慣れですよね。大きくても対応できます。

上海紅茶館氏:僕もあえて狭めて、視界に入る範囲でプレイしています。

Ak~ayS氏:あまり大きいとディスプレイまでの距離が遠くなってしまうので、ちょっと辛いですね。23~24インチが好きです。

RobiN氏:僕はあまりサイズは気にしたことが無いかな、大きいんだったら大きいのを使いたいです(笑)。

Darkよっぴー氏:大きい方がリアル感、没入感はありますよね。ライトユーザーの方が遊ぶという視点では、大きい方が楽しいと思います。ただ競技性を追及する場合、やはりどうやって勝つかを前提に考えてしまうので、元々プレイしていたサイズが理想的です。「XL2420TE」には、ディスプレイサイズをエミュレートする「ディスプレイモード」が搭載されていますから、大きすぎると感じたり、画面の比率が合わないなと感じたときでも、理想的なサイズを追求できるのがうれしいですね。

「DeToNator」メンバーのプレイスタイルを確認しよう

さてディスプレイの詳しい話に移る前に、ここで「DeToNator」爆破メンバーのプレイスタイルを確認しておこう。同じチームメンバーとはいえ、プレイスタイルは各自大きく違う。使用しているマウスやキーボードなども、好みにより異なる。今回は詳しく紹介しないが、ゲーマー諸君なら形状を見ただけでモデルが判断できるはず。同じようなプレイスタイルの方は、ぜひ参考にして欲しい。

Darkよっぴー氏のスタイル。もっともオーソドックスと言えるだろう。マウス速度はミドルセンシとし、被せ持ち。手首を中心にを動かしている。ディスプレイサイズは前述のとおり、4:3だ

Ak~ayS氏のスタイル。スナイパーらしく、マウスをローセンシに設定し、ひじから大きく動かすスタイルで、つまみ持ちだ。現在は行っていないそうだが、以前はセンシ切り替えに応じて、ひじを始点にした操作、手首を支点にした操作を切り替えていたという

上海紅茶館氏のスタイル。マウスの速度はローセンシでAk~ayS氏に近いが、ひじまで机の上に乗っており、マウスパッドの先端を使用している。マウスの持ち方は被せ持ち。画面サイズは4:3に設定されている

RobiN氏のスタイルはかなり独特な「カイザースタイル」。顔のすぐ近くまでディスプレイを寄せ、マウスやキーボードを裏側に設置する。持ち方は被せ持ち。背面の、本来はヘッドフォンハンガーとなる箇所が、余計なケーブルをまとめるのに便利だそうだ