日本のRPGゲームを牽引する2大タイトルといえば、スクウェア・エニックスがリリースする「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」だろう。両タイトルとも、誕生から25年以上が経過した現在もその人気に衰えがみえない。特に後者は、家庭用ゲーム機だけでなく、WindowsやiOSといったプラットフォームにも提供されファンの裾野を広げてきた。一方ドラクエのほうは、意外や意外、パソコンでの展開はこれまでなかったのだ。ところが2013年9月26日、いよいよ満を持してWindows版ドラクエが登場! 今回紹介するサイコムの「G-Master Cutlass2-ITX-DQX」は、そんな待ちこがれたWindows版ドラクエ推奨のゲーミングPCである。

mini-ITXプラットフォームをmicroATX以上の拡張性で生かす!

G-Master Cutlass2-ITX-DQX

さて、ゲーミングPCというと、ミドルタワーあるいはフルタワーPCケースにATXフォームファクタのマザーボードという組み合わせが一般的だ。これは、2スロットを占有するグラフィックボード、場合によってはマルチGPUにより4スロット以上占有されるため、ある程度の容積がPCケースに求められるからだ。ところが、今回紹介するG-Master Cutlass2-ITX-DQXは、そうしたゲーミングPCと比べると少々異色な存在。というのも、フォームファクタにmini-ITXを採用しているからだ。mini-ITX+キューブ型PCケースというゲーミングPCもなくはないが、そうした製品は拡張性に乏しく、あとからストレージ類を追加するのが難しい。だが、G-Master Cutlass2-ITX-DQXは、ストレージの増設で悩むことはない拡張性を確保している。

まずはベースとなるPCケースからチェックしてみよう。同機に採用されているPCケースはBitFenix社の「Prodigy」で、ユニークな機構がさまざまに採り入れられているのが特徴だ。特に注目したいのが、フレキシブルなベイ構造。同機は5インチベイ×1、内蔵3.5インチ×5あるいは内蔵2.5インチ×9とミドルタワー並みの拡張性を備えるが、すべてのベイが取りはずし可能。長めのグラフィックボードを取り付けたり、ハイエンドな水冷システムを搭載したりするときなど、干渉するベイを取りはずすことで対応できる。ちなみに、試用機はセンター部分の内蔵3.5インチ×3基分のベイが取りはずされていた。もちろん、出荷されるときはその取りはずしたベイも送られてくるので、あとから活用することもできる。


内部の様子。試用機は中央部分の内蔵ベイが取りはずされて出荷されていた

続いて注目したいのは、天井部分にあるMac Proを彷彿とさせるようなハンドル。このハンドル部分は「FyberFlex」と呼ばれる素材で作られており、弾性がありながら強靱な耐久性を併せ持っている。天面と底面にこのハンドルが付いており、同機を持ち上げるのに便利なのはもちろんのこと、置いたときに内部への衝撃を和らげるダンパーとしての役目も果たす。また、あらゆるエアインテークに防塵フィルターが取り付けられており、内部にホコリが侵入することを防いでいるのもポイント。しかもこれらのフィルターは取りはずしやすく、容易に清掃できる。

フロントのデザインはシンプル。リアからみるとわかりやすいが、I/Oインタフェースが天地平行になっている。つまりマザーボードはミドルタワーのように垂直ではなく、平行に設置される。なお、フロントインタフェースは正面ではなく右サイドに用意されている

天面、底面のフィルターはワンタッチで取りはずせる。サイドのフィルターもマグネット式で着脱しやすい