性能と品質の高さで、パワーユーザーからも支持を集めているTSUKUMO(ツクモ)のBTOパソコン「eX.computer」。その中にラインナップされている「G-GEAR note」シリーズは、ノートPCでありながら高いグラフィックス性能が求められるゲームを快適に楽しめるマシンだ。PCゲームをやってみたいが、デスクトップ機を置くスペースがない、友人の家に遊びに行くときも自分のゲーミング環境を携帯したい、といったユーザーに向けた高性能なノートPCとなっている。

これまでは、2013年8月に登場したG-GEAR note「N1580J」シリーズが販売されていたが、同11月からはより購入しやすい価格を実現したG-GEAR note「N1560J」シリーズが追加され、2ラインナップ構成となった。今回は、同シリーズのSSD+HDD搭載モデル「N1560J-720/E」(販売価格124,980円)に触れて、その実力を確かめてみよう。

ノート型G-GEARの新シリーズとして登場したG-GEAR note「N1560J」

充実の基本性能はそのままに、最小10万円を切る低価格を実現

G-GEAR note「N1560J」シリーズは、フルHD(1920×1080ドット)表示に対応した15.6型ディスプレイを搭載する、据え置き型のノートPCだ。ディスプレイには、周辺光の反射が少なく長時間のプレイでも目が疲れにくいノングレアタイプの液晶パネルを採用している。これらの点は従来のG-GEAR note「N1580J」シリーズと共通だが、実際にマシンを見ると、N1580Jが15型クラスのノートPCとしては大型の筐体を採用していたのに対し、今回のN1560Jは同じ画面サイズながら一回りスリムなボディとなり、すっきりとした印象になっているのがわかる。

数字でも、N1580JのサイズはW396×D268×H56mm・約3.5kgだったのに対し、N1560JはW374×D250×H42.7mm・約2.7kgと小型軽量化が図られており、これはゲーマー向け製品ではない一般のノートPCと同等水準といえるだろう。ゲーミングノートの理想を追求する上位機種のG-GEAR note「N1580J」シリーズと、通常の据え置き型ノートPCの枠の中で高い性能を実現する普及機種のG-GEAR note「N1560J」シリーズ、このようにとらえるとそれぞれのシリーズの位置づけもわかりやすい。

ゲーマー向けでない通常のノートPCと同等のサイズを実現

スペック面での大きな違いはグラフィックスチップで、N1580JがGeForce GTX 770Mだったところ、N1560Jはグラフィックスコア数などが若干少ないGeForce GTX 765Mとなっている。とはいえ、GeForce GTX 765MもノートPC用のGPUとしてはGeForce 700番台の上位3位に位置するモデルで、かなりの性能を有している。実際のパフォーマンスは、後ほどペンチマークテストの結果で紹介しよう。

両シリーズにおけるこのような特徴の違いは価格に反映されており、最小構成モデル「N1560J-500/E」は99,980円と、10万円を切る低価格を実現した。CPUをCore i7-4700MQに、メモリを8GBに倍増したミドルクラスの「N1560J-710/E」でも114,980円と、かなり買い得感のある価格設定になっている。それでも拡張性は十分確保しており、USBは3.0×3(1ポートはeSATA兼用)と2.0×1の計4ポート、アナログRGBおよびHDMIの2系統ディスプレイ出力、ギガビット有線LAN、それぞれ独立した端子として搭載されるヘッドフォン・マイク・S/PDIFなど、まず困ることがないだけのポートが用意されている。

左側面には光学ドライブとサウンド関連の端子などを搭載

右側面にはSD/MS対応のカードリーダー、USB 3.0、eSATA、HDMI、有線LANを搭載。このほか背面にD-sub15のアナログRGB出力を備える

キーボードにはもちろんテンキーを搭載。オフ、弱、強の3段階に調光可能なキーボードバックライトも搭載

タッチパッドはクリックボタンが別のタイプ

Haswell世代のCPUを採用、SSD+HDDの同時搭載も可能

スペックをさらに詳細にチェックしてみよう。今回の試用機、N1560J-720/EのCPUはCore i7-4700MQ(4コア、動作周波数2.40GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.40GHz)となっており、さらに強力なCPUパワーが必要なユーザーはCore i7-4900MQ(4コア、動作周波数2.80GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.80GHz)を選択することも可能だ。

底面のカバーを開けると、2.5インチドライブを2台搭載している様子が目に入ってくる。冒頭で述べた通り、N1560J-720/EはSSD+HDDの両搭載モデルとなっており、SSDの容量は128GBまたは256GB、HDDは500GBまたは1TBが用意され、組み合わせは自由に選択できる。また、ユーザーによるパーツ交換はメーカー保証外のため、あくまで自己責任となるが、これらのベイはカバーを外すだけで簡単にアクセスできるので、知識のあるユーザーなら自分で必要な性能・容量のストレージを調達して使用することもできそうだ。最近はSSD+HDDの構成が可能なノートPCも増えてきたが、SSDはmSATAスロットに搭載する機種も多い。本機ではSSDも標準的な2.5インチ型を利用可能なのが特筆すべき点だろう。

底面カバーを外したところ。CPUおよびGPUとヒートパイプで接続されたファン、2台の2.5インチドライブなどが確認できる。左下はバッテリー搭載スペース

SSDはSanDiskのX110シリーズで、128GBまたは256GBを選択可能

メモリはスロットは2つで、ここに4GB×2のデュアルチャネル構成で計8GBのDDR3Lメモリが搭載されている。最大は8GB×2の16GB。そのほか、光学ドライブは標準でDVDスーパーマルチドライブを内蔵し、オプションでブルーレイディスクドライブ(ブルーレイ読み書き対応)に変更も可能だ。

GeForce GTX 765MのほかCPUの内蔵グラフィックス機能も使用可能で、NVIDIAのOptimusテクノロジによって、どちらのグラフィックス機能を利用するかが自動的に切り替えられる。内蔵グラフィックスのパワーでも十分なときはGeForce側がオフになるので、消費電力や発熱を最小限に抑えられる。また、バッテリー使用時などで特に電力の消費を抑えたいときは、キーボード右上にあるボタンを押すと、内蔵グラフィックスの使用に固定することもできる。

キーボード右上のVGAボタンを押して表示を緑色に切り替えると、内蔵グラフィックスの利用に固定できる。その横の飛行機マークは無線LANとBluetoothのオン/オフを切り替えるボタン

Optimusの動作はコントロールパネルからアプリケーションごとに設定することも可能

また、プリインストールOSは現在でもWindows 7が選択可能となっており、選択肢はWindows 7のHome PremiumおよびProfessional、Windows 8.1の無印およびProの計4種類。Professional/Proの場合は標準価格の5000円増しとなっている。

Windows 7を求めるユーザーにも対応。インストールメディアがDVDで付属する

サウンド関連では、オンキヨーのデザインによる内蔵スピーカーとSound Blaster Cinema技術を採用。音割れを防ぎながらもノートPCの小型スピーカーで失われがちな低音やダイナミックレンジを補完し、ゲームの臨場感を損ねないようになっている。

ディスプレイ上にはHD画質のWebカメラを搭載

Sound Blaster Cinemaのダイナミックレンジ最適化機能「SBX Crystalizer」などが利用できる