Windows 8の登場とともに、同OSが持つ最大の特徴である「タッチ操作に最適化」されたインタフェースを盛り込んだノートPCが数多くリリースされている。液晶部分を反転させて折りたたみタブレットとして使える“コンバーチブル型”、液晶部分とキーボード部分を分離させることでタブレット/ノートPCとして使える“デタッチャブル型”などがその代表例だ。昨年リリースされたVAIO Duoシリーズも、液晶を反転するのではなくスライドさせることでタブレットとして使えるという意味ではコンバーチブル型に属すだろう。今回紹介する「VAIO Fit 13A」 iconは、そのVAIO Duoの“スライダーハイブリッドPC”をさらに進化させたコンバーチブル型ノートといえる。

“ワザあり”の液晶可動で利用スタイルを増やす!

VAIO Fit 13A

同機の最大の特徴は、液晶ディスプレイの可動方法にある。まず液晶ディスプレイ下部を手前に持ち上げ、表面部分をそのまま裏側に反転、そして折りたためば“タブレットモード”になるというものだ。この可動方法を採用したことにより、通常のノートPCとして使える“キーボードモード”、ディスプレイ表面をタッチして操作する“タブレットモード”に加え、ディスプレイを立てて対面者に情報を見せる、あるいは複数人で情報を共有するといった使い方に最適な“ビューモード”が利用できる。前述したVAIO Duoは、液晶ディスプレイをスライドさせて立てたり閉じたりするだけだったので、このビューモードは利用できなかった。ワンアクションでスタイルを変更できるというメリットはあるものの、ビューモードが利用できない、キーボードモードでは液晶の角度が変更できないといったウィークポイントもあった。ところがVAIO Fit 13Aではそうしたポイントを克服したということになる。


液晶ディスプレイの可動行程を撮影したもの。上段左の写真がキーボードモード、下段中央がビューモード、下段右がタブレットモードとなる

この可動方式を採用したことは、ビューモードが使える以外にもう1つメリットがある。それは、薄型・軽量ボディに設計しやすいこと。液晶ディスプレイ部を左右180度反転させるコンバーチブル型もいわゆるビューモードで使うことができるが、この場合、液晶ディスプレイを1点のヒンジ支えなくてはならず、しかも回転に耐えられる強度を持つものでなければならない。そのためボディは厚くなりがちで、重量もかさみがちとなる。ところがVAIO Fit 13Aの方式なら、無理な設計をしなくてもスリムなボディが可能だ。事実、VAIO Fit 13Aは、ノートPCとしてもタブレットとしても使えるコンバーチブル型でありながら、最薄部14.3mm、最厚部17.9mmと非常に薄型。重量も約1.31kgと、13.3型ワイド液晶のコンバーチブルとしては軽量な部類に入る。

ヒンジ部に設けられたスライドレバーを[RELEASE]にすると、液晶ディスプレイの回転が可能となる