タッチ操作に最適化されたWindows 8が登場してからというもの、タブレット端末型のWindowsマシンが数多くリリースされてきた。ところが意外なことに、VAIOシリーズには“ピュアタブレット”タイプの製品はこれまで存在しなかった。Windows搭載VAIOノートは、VAIO DuoのようにノートPCとしてもタブレットとしても使える製品か、タッチ操作が可能なノートPCに絞られていた。ピュアタブレットはAndroidを採用したXperiaシリーズに限られていたのだ。ところがWindows 8登場から約1年、とうとうWindows搭載のピュアタブレットがリリースされた。それが10月30日から受注開始された「VAIO Tap 11」である。

工夫が施されたキーボードが付属

VAIO Tap 11。そのほかの2013年VAIO秋冬モデルの詳細はコチラ

VAIO Tap 11の最大の特徴は、薄さ9.9mm、重量約780gの薄型・軽量ボディだろう。タブレットは、その性格上、肌身離さず持ち歩く端末なので、優れた携帯性を有していることはまず第一条件。その意味でVAIO Tap 11は、11.6型ワイド液晶を搭載したタブレットとして十分にその条件をクリアしている。また、携帯性だけでなく、モバイル機器の命綱ともいえるバッテリ駆動時間も約8時間(JEITA測定法)と納得できるレベル。モビリティの面では、VAIOシリーズの中でも随一といえる存在だ。

VAIO Tap 11の特徴は、単にモビリティ性能に優れているだけではない。超薄型のキーボードが付属していることも注目だ。このキーボードは“単に文字が打てる”といったオマケ的なものではなく、ピッチ19mm、ストローク1.1mmと、人気を博したモバイルノートVAIO Zと同等のキー配列となっている。浅いキーストロークについては賛否はあるかもしれないが、キーボードの薄さを考えれば納得だろう。むしろ、ピッチ19mmを確保したアイソレーション型キーボードであるため、キートップの小さなモバイルキーボードに比べ、タイプミスは少なくなるだろう。タッチパッドも搭載しているので、マウスなど別途ポインティングデバイスを用意する必要もない。

なお、このキーボードにはいくつか工夫が施されている。キーボードの四隅にはマグネットが仕込まれ、裏側にして本体に貼り付ければ液晶カバーになる。上下を間違って貼り付けようとするとマグネットが反発し、装着できない仕組みだ。取り付けた場合の厚さは約14mm、重量は約1,100gとなる。また、このキーボードを液晶カバーにした際、本体とキーボードが電源接点で結ばれる。この間に本体からキーボードに電源が供給され、充電される設計となっている。ちなみに無線接続は2.4GHz帯のRF方式で、ブルートゥースデバイスのように初期ペアリング作業は不要だ。接続範囲は約3mまでとなっている。


キーボードは全87キーで、配列にはクセがない。最下段右側の[Alt]や[Ctrl]キーは若干狭いものの、メインの文字キーはピッチ19mmを確保しているので、タイピングはしやすいはずだ。

キーボードを裏側にして液晶カバーにしたところ。この状態でも重量約1,100gと携帯しやすい重量だ

本体との脱着は、四隅に仕込まれたマグネットによる。その際、接点で結ばれ充電される仕組み。動作の目安は約3時間充電で、約2週間だ