「RAID」(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)といえば、複数のHDDを組み合わせ、データを分散して記録することで読み書きを速くしたり、まったく同じデータ内容を複数のHDDに保存することで冗長性を増したりと、利便性の高いテクノロジーだ。特にデータを分散して記録する「RAID 0」(ストライピング)は、データの読み書きでボトルネックとなりやすいHDDの高速化の常用手段として、多くの自作PCユーザーが挑戦してきたことだろう。ところが今や、SSDの登場によりストレージのデータ読み書き速度は大幅に向上。RAIDを組むまでもなく、SSDを起動ディスクに設定すれば、おおよそ満足できるパフォーマンスを手に入れられる。RAIDを組む自作ユーザーも減ったのではないだろうか。

では、HDDではなく、SSDでRAIDを組んだらどうなるのか。ここでは、プレクスターのSSD「M5 Pro Xtreme」(以後、M5 Pro)を2基用意して、ストライピングを構築してみた。まずは、その「設定編」をお届けしよう。

今回、RAID構築に使用したのはプレクスターのM5 Pro 256GB。SATA6GbpsポートにSSDを2基接続すれば準備OKだ

まずはBIOSのSATAモードを「RAID」にする

以前、RAIDを組んだことがある方ならご存じだろうが、RAID構築はなかなか面倒な作業だった。OSインストール前に[F6]キーを連打しフロッピーディスクからRAIDドライバを読み込む必要があったし、ハードウェアによっては別途RAIDボードを用意しなくてはならない場合もあった。ところが現在は、Windows 7以降のOSはRAIDドライバが組み込まれており、ハードウェア的にもチップセットレベルでサポートされていることがほとんど。ユーザーは2基のSSDやHDDを用意するだけでRAIDが構築できるようになっている。

ここではインテル製チップセット搭載マザーボードの手順を紹介しよう。Windows 7以降のRAID構築は非常にカンタン。まず、OSをインストールする前の起動時に[Delete]キー(製品によって異なる)を押してBIOSかUEFIを起動する。今回の製品ではBIOSの[Advanced]→[Integrated Peripherals]→[SATA Configuration]内の[SATA Mode]を標準設定の[AHCI Mode]から[RAID Mode]に変更。変更を保存して再起動する。なお、メニュー名などは使用するマザーボードによって異なる。

まずはBIOSの[Integrated Peripherals]メニューにある[SATA Configuration]内の[SATA Mode]を「RAID Mode」にしておく。これによりRAID BIOSを呼び出せるようになる