古い環境にはもう戻れない! ベンチマークが証明するSSDによる作業効率の大幅な向上!

さて、SSD環境への移行を済ませたところで、各マシンでベンチマークを採取してみたので紹介しよう。

ベンチマーク機能を始め様々なSSDの機能チェックが行えるSamsung Magician

Samsung Magicianを使ったベンチマークでは、ほぼ理論値に近い数値が出たマシンが2台あった。両方のマシンにいえることは、マザーボードのSATAインタフェースがSATA3(6Gbps)に対応していること。残りの2台は一世代前のマザーボードなので、SATA3(6Gbps)には対応していない。予算があればそちらも交換したかった、タイミング的にも難しいので今回はSSDへの換装のみにとどめた。それでも、シーケンシャルリードで200(MB/s)台の後半は出ている。古いHDDと比べればその差は7倍、うち1台は初期のSSDからの換装だが、約2倍の速度差が出たことになる。

次にPCの起動・終了時間だが、一番遅いマシンで約3倍、もともとSSDだったマシンでも体感できるほどの差が生まれている。終電ギリギリまで仕事をする日もあるので、起動よりも終了が遅いとハラハラさせられていたが、その不安も一気に解消された。

PCの起動時間と終了時間

また、アプリケーションの起動も高速になっている。Kスタッフが使用していたHDDは、他のマシンで余ったものをそのまま流用していたらしく、250GBで2世代前だった。うっかり筆者も忘れていたのだが、ジリジリとしか進まないプラグインの読み込みを見ていると、よくこれで我慢できていたなと感心するほど遅い(苦笑)。

SSD換装後のKスタッフいわくPhotoshopってこんなに早く起動するもんなんですね…。今まではアプリを起動させたら使えるようになるまでお茶を沸かしていましたとカミングアウト(やけにお茶が多い日があったがそれだったのか!)。一度でもこの速度感を味わってしまったのでもう戻りたくありません(笑)とご満悦だ。

結論を言うと、4台すべてのマシンで日常の操作において、「体感できる速度差」が生まれたことになる。実はこの「体感できる」という部分が大切で、これが業務効率にもっとも影響すると考えている。

換装前の数日間と換装後の2週間、各マシンでアプリケーションウィンドウの起動ログを取っておいたのだが、換装前と換装後の平均値を比べると、以前よりもウィンドウを開閉する回数が減ったマシンは1台も存在していない(筆者のみ2週目は取材や打ち合わせで出ずっぱりだったため、実測値は採取できなかった)。

というより、換装後は業務で使っているアプリケーションの起動回数と終了回数が増えた、と素直に見たほうがよいだろう。HDDから「Samsung SSD 840」へ換装したことで、アプリケーションの起動が高速化され(もちろんデータ保存など細かいストレージアクセスの積み重ねも含む)、PCの稼働効率と全員の業務効率が高まったことを実感している。

これは業務スタイルにもよるのだが、作業ごとにアプリケーションを起ち上げては終了し、起ち上げては終了、といった使い方をしている場合には、作業効率に大きく影響してくることも事実だろう。

アプリケーション切替を頻繁に行わないスタイルのスタッフMからは、「イラレを開くのが怖くなくなった」という意見も出てきた。こうした声も踏まえ総合的にとらえると、最新スペックのPCを導入するのとほぼ同等、いや、TCOで言えば数分の1程度の出費でこれだけの結果が出ているわけ。経営者視点で言わせていただければ、金額にしてウン十万円は得した気分でもある。

また、2週間の期間では何とも言えないが、再度ベンチマークを採取したところ、導入時と大きな変化はなかった。これは高い安定度とともに、いつでもスペック通りの働きをしてくれているという安心感にもつながる。

「Crystal Disk Info」の管理機能を活かして、SSDへの総書込量を測定。グラフ化したものがこちら。いずれのマシンも頻繁に使われていることが読み取れる。PCのレスポンスが向上することで、作業効率もアップすることは、こうした調査結果からも証明できる

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