2012年もいよいよ年末ボーナス商戦を迎えた。特にパソコン市場は、10月26日にWindows 8がリリースされたばかりで、盛り上がりを見せている。これを期に、新OSを採用したマシンの購入を検討している読者も多いことだろう。そこで、PCパーツ販売の老舗ショップであるTSUKUMOが展開するプライベートブランドPC「eX.computer」シリーズの中でも、編集部がチョイスした注目の最新モデルをチェックしてみたい。

なお、今回のレビューではWindows 8を使用したが、注文時のBTOオプションでWindows 7も選択できるため、Windows 7でオーダーして「Windows 8 優待購入プログラム」で後日Windows 8を特別価格で入手するという方法もある。

安心と快適を両立したG-GEARシリーズでPCゲームを遊び尽くす!

G-GEAR GA7J-K43/ZE。冷却製と拡張性を兼ね備えたCoolerMaster製のミドルタワーケースを採用している

まず、チェックしたいのがeX.computerのゲーム向けブランド「G-GEAR」だ。最新の3Dゲームは緻密なグラフィックやド派手なエフェクトが大きなウリ。できればフルHDの高解像度ディスプレイで楽しみたいものだが、緻密なグラフィックや派手なエフェクトを高い解像度で表示させようとするとマシンにかなりの負担がかかる。3Dゲームをストレスなくしむためには、高性能であると同時に安定性が求められる。その点G-GEARシリーズは、PCパーツを知り尽くしたTSUKUMOがプロデュースするゲーム用PCブランドなので安心できる。

このG-GEARシリーズの中から今回ピックアップしたのは、冷却製に優れるミドルタワーを採用し、インテルの最新アーキテクチャとNVDIA GeForceグラフィックボードを組み合わせた「G-GEAR neo GA7J-K43/ZE」。ゲーム用デスクトップPCでは王道ともいえる構成だ。


カスタマイズでチョイスできるZOTAC製のGeForce GTX670搭載グラフィックボード

同マシンをカスタマイズする際にまずこだわりたいのが、ゲーム描画の快適さを左右するグラフィックボードだろう。標準構成では登場したばかりのNVIDIA GeForce GTX660を搭載しているが、ここは一歩踏み込んでNVIDIA GeForce GTX670をチョイスしたいところだ。というのも、GTX660、GTX670ともにNVIDIAの最新アーキテクチャ「Kepler」によるGPUだが、前者のCUDAコア数は960、後者のCUDAコア数は1,344。また、メモリバンド幅は前者が144.2GB/s、後者が192.2GB/sと大きく異なり、特に高解像度での3D描画性能に差が出てくる。+13,650円でGeForce GTX670にアップグレードできるので、フルHDのディスプレイで迫力満点のゲームプレイを味わいたいなら、はずせない選択だろう。

ちなみに3DMark11のスコアを計測すると、Performance設定でGTX670が「8444」、GTX660が「6823」、Extreme設定でGTX670が「2844」、GTX660が「2267」と、1.2倍以上のスコアとなった。Direct11世代のPCゲーム「ファンタシースターオンライン2」のベンチマークでは「14840」となった。このスコアなら最新ゲームもストレスなく楽しめる。


3DMark11(OverAll)
Performance Extreme
GeForce GTX670 8444 2844
GeForce GTX660 6823 2267

自作市場で高い支持を得ていた「EA-650」の後継製品となる「EA-650-GREEN」。こちらも自作PC市場での評判は高く、今もなお定番製品になっている

また、グラフィックボードのアップグレードにともない、電力供給源も強化しておきたい。標準構成では80PLUS Bronze認証の最大550Wの電源ユニットが搭載されているが、+5,250円で自作PC市場において人気が高いAntecの「EA-650-GREEN」に変更できる。こちらも80PLUS Bronze認証だが、定格650Wと標準構成の電源ユニットよりも余裕がある。電力の安定供給は、高性能パーツで構成されたマシンにとって大切な命題。予算が許すならグレードアップしておきたい。


トレンドのストレージ構成「SSD+HDD」を見逃すな

内部ストレージの構成も、カスタマイズ時に考えておきたいところ。というのも、データのリード/ライト性能がHDDよりも圧倒的に速いSSDの価格がこなれてきたからだ。同製品のCPUやグラフィックボードはハイエンドレベルなのに、ストレージ構成がHDD単発というのではあまり芸がない。やはりこのマシンならば、SSD+HDDという今やトレンドともいえるストレージ構成でオーダーしたい。こうすることで、OSや各種プログラムはSSDにインストールし起動を高速化、映像や画像ファイルなどの容量の大きなデータはHDDに保管という使い分けができる。プログラムファイルが大容量になりがちなゲームクライアントは、HDDにインストールしておくという使い方にも有効だ。

なお、eX.computerのカスタマイズメニューには、複数のメーカーのさまざまな容量のSSDが用意されている。品質と耐久性のIntel、パフォーマンスのCrucial、期待の新星Hynixなど、どの製品も自作PC市場で定評のあるものばかりなので、好みのSSDを選べるのもポイントといえる。

拡張ベイは5インチ×3、3.5インチ×2、内蔵3.5インチ×4という構成。試用機はCrucial製SSDと1TBのHDDという組み合わせだった。なお、SSDをオーダーすると、OSはSSD側にインストールされ出荷

背面と上面に12cmの排気ファンを、前面には大口径14cmの吸気ファンが搭載される。強力なエアフローで冷却する仕組みだ。前後面、上下面ともにメッシュの範囲が広く、フレッシュなエアを取り入れやすい

  

インタフェース類は上面に配置される。机の下などに設置した際にアクセスしやすい位置だ。また小物を置けるトレイにもなっている

G-GEAR neeoシリーズでは輸送中のトラブルを防ぐため独自の緩衝材が採用される。発泡スチロールに比べ廃棄しやすく、環境にも優しい素材だ

G-GEAR neo GA7J-K43/ZEのカスタマイズ例
CPU Core i7-3770K(3.5GHz、最大3.9GHz)
チップセット インテル Z77 エクスプレス(ASUS製マザーボード P8Z77-V LK)
メモリ 8GB(4GB×2、DDR3-1600)
グラフィック NVIDIA GeForce GTX670(2GB)
ストレージ SSD128GB(Crucial製)+HDD 1TB
電源ユニット Antec EA-650-GREEN
PCケース CoolerMaster CM 690 II Plus rev2N
OS Windows 8 (64ビット版)
カスタマイズ構成例価格 139,879円(税込)