Windows 8の登場により、各PCメーカーはタッチ操作を強く意識したパソコンを数多くリリースしてきた。ピュアタブレット型、ノートとしてもタブレットしても使えるコンバーチブル型など、従来から存在するタッチ操作対応端末に加え、新たなスタイルを提供する製品もリリースされた。ここで紹介するソニーの「VAIO Tap 20」も、新たなスタイルを確立するマシンのひとつといえるだろう。

Windows 8を搭載したVAIO Tap 11

VAIO Tap 20の最大の特徴は、タッチ操作が可能なタブレット端末としては最大級の20型ワイド液晶を採用していること。ディスプレイにタッチして各種操作を行ったり、文字を書いたりできるマシンは過去にもあったが、それらはいわゆる「液晶一体型PC」だった。ところがVAIO Tap 20は、スタンドをたたんでしまうと完全なタブレット型に変化する。卓上に置くと複数人でデスクトップ画面を上からのぞき込め、家族や友人などとVAIO Tap 20を囲み手書きのイラストを描いたり、ゲームを楽しんだりできる。ソニーはこのスタイルを「テーブルトップ」と呼んでいる。

もちろんスタンドを立てれば、一般的な液晶一体型PCとして利用可能。オフィスドキュメントを作成するような時は液晶一体型スタイルでキーボードを使い入力、気軽にウェブ閲覧したい時はキーボードを使わず画面に触れて操作してブラウジング、そしてスタンドをたたみテーブルトップスタイルでゲームプレイやイラスト作成といったように、3種類の使い方ができるのだ。


さて、タブレット的に使うとなると“持ち運ぶ”というシチュエーションに出くわすだろう。ところが基本的にデスクトップマシンはAC電源に常時接続して利用するもの。ケーブルが届く範囲でしか動かすことができないというのが相場だ。だがVAIO Tap 20はバッテリを内蔵しており、電源をオフにしなくても部屋間を移動できる。JEITA測定法で約3.5時間のバッテリ駆動と決して長時間ではないが、ちょっとした移動であれば十分だ。実はソニーはバッテリを内蔵したデスクトップを過去にリリースした経緯がある。デスクトップPCにバッテリを内蔵するという発想は、以前から開発陣にあったのかもしれない。

スタンドを折りたたむとタブレット形状になる。IPS液晶を採用しているので視野角が広く、複数の人でのぞき込みやすい。背面の中心部分が平らになっており、テーブルトップスタイルで置いた際に安定する