AMDの新プラットフォームとなるTrintyを採用したエアロストリーム RM5A-A42/S2

一般的にCPUの処理能力差は、事務や家庭などで使用される用途において、すでにほとんど体感できない。一方グラフィック処理能力に関しては、ある程度ゲームなどを楽しもうと考えた場合、別途グラフィックボードが必須だった。しかしTrinityに搭載されている3Dグラフィック機能は、いままでの内蔵グラフィックとは一線を画す、高い処理能力と、動画エンコード・デコード機能を有している。つまり、Trinityを利用することで、グラフィックボードを追加しなくても、非常にバランスの良いPC環境を作ることができるのだ。

老舗PCショップ「TSUKUMO(ツクモ)」が展開するプライベートブランドPC「eX.computer」では、早くもこの最新APUであるTrinityを搭載したミニタワー「RM5A-A42/S2」を販売開始している。10月22日現在、標準構成価格は47,980円。5万円を切るというコストパフォーマンスに優れたモデルだけに、グレードアップしてみたい箇所もいくつかある。この購入しやすいモデルをベースにして、さらに各パーツ箇所をチェックし、BTOカスタマイズするのが賢い選択だろう。今回はRM5A-A42/S2の標準構成モデルを、目的別にどのようにカスタマイズしたらよいか考えてみよう。


「RM5A-A42/S2」の実用重視カスタマイズを考える

それではツクモのホームページからRM5A-A42/S2のカスタマイズを行なっていこう。まず初めに目を向けたのが、CPU項目。標準構成では「AMD A8-5600K APU」が選択されているが、ここは最上位の「AMD A10-5800K APU」に変更したい。なぜなら、CPUのクロック周波数が3.6GHzから3.8GHzに向上するのはもちろんのこと、内蔵グラフィック機能が「Radeon HD 7560D」から「Radeon HD 7660D」にグレードアップできるからだ。+3,150円の上乗せで済むのだから、上位APUを選ばない手はない。

続いてメモリ項目。標準構成では4GB×1枚という構成。64-bit版のOSを搭載するのが当たり前になった現在、4GBという容量はちょっと心もとない。多数のアプリケーションを同時に立ち上げ、快適に使うなら8GBはほしいところ。というわけで、8GB (4GB×2枚)に変更を行う。このグレードアップは+2,100円の上乗せで済むので、必須で行いたい。

APUは上位のAMD A10-5800K APUに、メモリは4GB×2枚の構成にすれば、パフォーマンスの底上げが行える

次に、ストレージ項目を確認しよう。標準構成では500GBのHDDが選択されている。容量的に心もとないだけでなく、1GBあたりの単価では、すでに500GBモデルは割高。そしてそれ以上に、起動ディスクがHDDのままでは、せっかく進化しているほかのパーツの性能を生かしきれない。ここは思い切って、高速なSSDと大容量HDDを導入し、快適度を上げてしまうのが妙手。SSDには、+2,100円(特別価格。通常は+3,150円)で変更できる「Hynix製 SH910 Series 128GB」を選択。取り付けのために2.5インチSSD用マウンター(+1,050円)も追加した。追加ハードディスクには「WD製 WD10EZRX 1TB」(+8,490円)を選択。動画を扱う機会が多い方は、さらに大容量のドライブを選ぶのもいいだろう。

グラフィック機能は、APU内蔵グラフィックを利用するのでそのまま。光ドライブに関しては、昨今は使用頻度が下がっているためDVDスーパーマルチのままとした。ブルーレイディスクを再生、書き込みする機会のある方は、ブルーレイドライブを選択してもよいだろう。電源は外部グラフィックボードを導入していないため、標準の450W電源でも問題ないが、将来の拡張を見越してアップグレードしておくのもよいだろう。

最後にOSについてだが、本稿作成時はWindows 8発売開始前だったのでWindows 7 Home Premium 64bit SP1をチョイス、以上でカスタマイズは終了した。本体価格は合計64,880円と標準構成よりも16,900円高となったが、性能底上げの価値はそれ以上だろう。なお、2012年6月2日~2013年1月31日の間にWindows 7パソコンを購入すると、1,200円でWindows 8 Proにアップグレードできる優待購入プログラムが受けられる。安価な追加料金で最新OS、しかも高機能なPro版が手に入るのだから同プログラムを利用しない手はない。

「ハードディスク」の項目でHynix製 SH910 Series 128GBをチョイス。「追加ハードディスク」のプルダウンメニューでWD製 WD10EZRX 1TBを選んだ。もっともリーズナブルな価格でSSD+大容量HDDを得られる組み合わせだ