履歴書に「大型自動車免許」「簿記1級」「管理栄養士」と書いてあれば、何ができるかイメージできる人は多いだろう。しかし、「CDA資格」と書いてあったら、いったい何ができる資格なのか? と疑問に思う人は多いのではないだろうか。

CDAとは、キャリア・デベロップメント・アドバイザー(Career Development Adviser)の略で、大学の就職課やハローワーク、人材会社の社員や企業の人事・教育担当者など、今やさまざまなシーンで活躍しているキャリアカウンセラーのための資格なんだそうだ。キャリアカウンセラーって、いったいどんな仕事なんだろう。CDA資格に興味を持つようになった私は、そんな疑問を解決しようと、日本マンパワーが開催する「CDA資格無料説明会」に足を運んでみた。

無料説明会は日本マンパワー本社で行われた。参加者は15名で、20代~50代くらいまでの幅広い年齢層の方が集まり、落ち着いた雰囲気のなか始まった。

キャリアカウンセリングって何をするの?

私自身、これまで勘違いしていたのだが、キャリアカウンセラーというものは、単に仕事を紹介したり、就職のためのテクニックを教えたりするだけの人ではないらしい。対話を通じて、その人がその人らしい生き方を選択できるようにサポートする人のことなんだそうだ。キャリアカウンセラーになるための国家検定や民間資格は複数あるが、その中でもCDAはもっとも認知度が高い資格だ。日本のキャリアカウンセラーの3人に1人はCDA資格者で、現在約1万人を超えるCDA有資格者がいるという。CDAの主な活躍の場は4つ。企業内人事・教育担当者、人材サービス業界、行政機関、学校・教育機関だ。最近では、大学や行政機関での就職・キャリア支援の場で、特に需要が高まっているとのことだ。

企業内人事・教育担当者や行政機関に勤める人が、キャリアカウンセラーとしての標準的な能力を持っていることを証明するために、CDA取得を目指すことが多いが、最近では、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルをアップさせるために取得する人も増えてきているそう。なぜ、CDAがそういったスキルを磨けるのかというと、“傾聴スキル(人の話を聴くスキル)”を身に付けられるためだ。カウンセリング理論やアセスメント手法を体系的に学ぶことは、人材系の職種の人はもちろん、そうでない仕事の人にとっても役立つものがあるのだろう。その人の目的によって、さまざまな利用の仕方があるCDAの資格は、奥が深い。

説明会では、講座のテキストを手に取って見ることができる

4つの絵のうち、「キャリア」という言葉からイメージできるものは?

次に、3人1組となってグループワークがスタートした。課題は、「次の4つの絵のうちから“キャリア”と聞いて思い浮かぶのはどれですか? ジェットコースター、大河、マラソン、サイコロのうち1つを選び、理由を考えてください」というもの。

グループのうち1人がなぜその絵を選んだのか理由を語り、2人は聞き手となる。注意するポイントは「話し手に好意的関心を持って話を聞くこと」、そして「相手と波長を合わせて話を聞くこと」の2つだった。

隣にいた30代の男性は「サイコロ」を選択し、理由を聞くと「最初はあまり好きじゃなかった仕事も、ひょんなことから好きになれた。仕事はやってみなければわからないものだと思うから」だと言う。一方、私がジェットコースターを選んだのは「まったく同じ作業は二度となく、慣れることがない。常に周りの状況が変化していくから」だった。1人2分ずつ話し、「もっとたくさん聞きたい、話したい」と思ったところでグループワークは終了。最初に言われたポイントの一つ「相手と波長を合わせる」というのは、簡単なようで意外と難しいと思った。

説明会は約2時間。現役のキャリアカウンセラーの話も聞くことができた

通学コースでは、こういったロールプレーイングやケーススタディといったワークが7割を占めるのだそう。“傾聴スキル”を身に付けつつ、自分自身への理解も深まるワークなので、コミュニケーションスキルやヒューマンスキルを磨きたい人にも勧められる資格だと感じた。

2時間の説明会が終了。この日進行をしていた日本マンパワーの緒方さんに、ずばりキャリアカウンセリングの魅力を聞いてみた。「キャリアカウンセリングは、その人がイキイキと生きるための方法を教えてくれるものです。説明会に来てくださった方に、『キャリアカウンセリングが好きになった』と思っていただけたら、それだけでも十分うれしいですね」と笑顔で語ってくれた。

日本マンパワーの緒方雪絵さん(CDA)

「その人がイキイキと生きるための方法」を導くのがキャリアカウンセラー。その導き方を身に付けるには、机に向かう勉強だけでなく、仲間とのグループワークでの気付きが大切なのだろう。そこでは、どんな面白い学びがあるのか、ますます興味がわいた。社会貢献にも、自己成長にもつながるCDAの資格。私は自分が取得するなら、そこで得たスキルを何に活かすだろうか? と考えながら説明会をあとにした。


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