ThinkPadに、一家言アリ」というライター6人がリレー形式で展開する連載第五回には、インターネット媒体の編集者からライターに転身し、軽くて小さなものをこよなく愛する小山安博氏が登場。氏がThinkPad最大のこだわりである「キーボード」を軸に選ぶThinkPadとは?

ThinkPadといえば、質実剛健な設計や信頼性、そしてこだわりのキーボードなどで特にビジネスユーザーやキーボード入力を重視するユーザーに人気のブランドだ。今回はキーボードに注目してThinkPadの話がしたい。さて、まずは少し昔話から入りたいが、筆者が個人的に購入したThinkPadの初代は「ThinkPad i Series s30」だった。

なつかしの"名機"「ThinkPad s30」

ThinkPad s30は、10.4型液晶を搭載したB5サイズのモバイルノートPCで超低電圧版モバイルPentium III 600MHz、メモリ128MB、HDD 20GBを搭載。本体サイズはW257×D213×H22.5~32.3mm、重さは1.45kg、標準バッテリで約6.5時間駆動という2001年発売の製品だ。

液晶背面の天板にピアノブラック調の「ミラージュブラック」コーディング処理されたボディは、ThinkPadらしからぬスタイリッシュなデザインで、当時の日本IBM大和事業所で開発された、いわゆる「名機」だ。

個人ユーザーも強く意識した「ThinkPad i Series s30」では、光沢のある「ミラージュブラック」コーディングされたボディも話題に

ハードウェアスペックを見ると、さすがに10年近く前のモデルではある。筆者が選んだモデルには無線LANがないあたりも時代を感じさせるスペックだが、今でもデザインの古さは感じない。この辺りは時代によってデザインを極端に変化させないThinkPadの良さが生きている部分だ。

そしてThinkPad最大のこだわりであるキーボードにも特別な配慮がされているのが、このs30の特徴だ。s30は「リアルモバイル」を追求して液晶サイズを10.4型に絞り、ボディの小型を図っているのだが、全体のサイズを小さくするとキーボードサイズも小さくなってしまう。

それを解消するために、s30では本体の横幅よりも大きなキーボードを搭載し、本体からわずかにはみ出すようなデザインを採用しているのだ。それによって、フルキーボードに近いキーピッチを実現し、打ちやすいキーボードとなっていた。

s30のキーボードは、本体左右からわずかにはみ出すような実装となっており、これによってフルキーボードライクな打ちやすさと、当時としては最高水準のモビリティを両立させていた

今ならワイド液晶で解決できる部分だが、当時は新しい解決方法だった。この特殊なギミックを搭載したs30は、その後シリーズ自体がなくなってしまったが、過去から続くキーボードへのコダワリは今でも脈々と受け継がれ、そしてリアルモバイルの意思を引き継ぐモバイルPCも、現在でもリリースされている。

今、s30に代わって利用するなら、モバイルを追求した「ThinkPad Xシリーズ」か性能とモバイルを求めた「ThinkPad Tシリーズ」を選択するだろう。Xシリーズはコンパクトで軽量でs30の正統な後継機種と言っていい。スペックを追求するなら、Tシリーズもバランスがいい。もともと打ちやすいX/Tシリーズのキーボードだが、現行機ではさらにキーボードのEscとDeleteキーを大型化するといった工夫も取り込まれており、さらに使いやすくなっている。こういった改良は、変えてはいけない部分と、変わらないといけない部分のハイブリッドと言えるかもしれない。

2011年3月に発表されたばかりの最新Xシリーズ「ThinkPad X220」。EscとDeleteキーの大型化に注目

まっさきに大型Esc/Deleteキーを採用したのがTシリーズ。写真は最新の「ThinkPad T420s」だ

また、それらとは異なるアイソレーション・タイプのキーボードだが、最近ThinkPadファミリーに追加された「ThinkPad Edge」シリーズも有りだ。Edgeシリーズはラインナップの豊富さとコストパフォーマンスが特徴の製品で、流行のアイソレーション・キーボードを採用しているが、そこにはThinkPadで培ったノウハウが活かされているそうで、実際に使ってみてもThinkPadなりのしっかりした打ちやすさが実感できる。

こちらは2011年4月に発表となった「ThinkPad Edge E420」。従来のThinkPadのノウハウを活かしつつも、特にコンシューマに人気の高いアイソレーション・キーボードを採用している

モビリティで選べばXシリーズ、スペックで選べばTシリーズ、コストパフォーマンスや新タイプのキーボードを試したいならEdgeシリーズも視野に入るなど、選択肢が広がったのもうれしいところ。ThinkPadは、単なるモバイルPCとしてだけでなく、しっかり仕事をすることができるマシンだし、今でもs30のキーボードを打ってみると心地よい感触で、最近はThinkPad以外を使っている筆者も、もう一度ThinkPadを使ってみたくなるのが不思議だ。

こんなThinkPadを購入したくなった場合も、レノボのWeb直販サイトで広告限定クーポンを使うなどすれば大幅な割引価格で購入できるのもポイントが高い点で、今まで以上に気軽にThinkPadが購入できるいい世の中になったものだと思う。

小山安博

インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、音楽プレーヤー、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、音楽プレーヤー、PC……たいてい何か新しいものを欲しがっている。

(マイコミジャーナル広告企画)

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