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「Adobe Creative Suite 4」を使ってビジネスに役立つテンプレートの作り方を紹介していくこのコーナー。第3回目となる今回は、名刺とパーティカード(インビテーションカード)を作成してみた。それぞれ、持ち主やそのイベントの印象を大きく左右する重要なもの。気の利いたデザインならば、それだけでよい印象を持ってもらえることも少なくない。ビジネスマンにとって、こだわっておいて損のないツールといえる。


名刺を作ってみる

一般的に企業での名刺はCI(コーポレートアイデンティティ)にてデザインが統一されているので、個人的に名刺を新たにデザインするケースは少ないであろう。しかし、フリーランスのクリエイターにとっては名刺は自己アピールの重要なポイントであるし、ボランディアなどのプライベートな活動で名刺を必要とする機会も増えているのではないだろうか。紙は市販の名刺用紙などを利用するとして、ここからは名刺作成上の基本的なデザインについて整理してみよう。

サイズ

名刺のサイズは91mm×55mmが基本である。多少のサイズ違いはあっても、これが基本と理解しておくとよいだろう。もちろん正方形であったり、円、あるいは大きな用紙を折り込んで91mm×55mmになるといった特殊なモノもあるが、一般的な活動で利用する名刺であればサイズも一般的なものに合わせておいた方がよいであろう。

レイアウト

名刺はサイズが小さいので思い切ったレイアウトを心がける事が大切だ。そうしないと受け取り側の印象は薄れてしまう。まず社名などと一緒に利用するマーク類をオレンジ、名前や肩書き、住所などのブロックをグリーンのブロックとして大雑把なレイアウトを整理したのが、図01~図03となる。

図01

図02

もっとも基本的なレイアウトの1つ

マークと文字に一定の方向性を持たせるレイアウト

図01は、もっとも基本的なレイアウトの1つである。「迷ったらシンメトリー」と言われるように、オーソドックスなレイアウトだが、もっとも安全で簡単なデザインと言える。確定している文字要素を配置してみて、収まりが悪い場合などにも重宝するレイアウトだ。ただし、シンボルマークなどが未確定の場合は、色ベタの帯などでアクセントを付けるようにするとよいだろう。

図02は、マーク類と文字要素の関係に一定の方向性を持たせるレイアウトである。無理に文字要素やマーク類をまんべんなく配置するのではなく、一つの方向性に合わせることにより、バランスが保たれる。

図03

思い切ったレイアウト例

図03のレイアウト例は、名刺に思い切った切り口と動きを与える。この動きの中に構成要素を収めることで、名刺を受け取った時の印象が格段に高まるのではないだろうか。

これらの基本的な考え方を基に、4つの基本レイアウトを整理したものが下図である。なお、日本固有の処理として名刺のタテレイアウトがある。この場合、時々英数字も含めた文字列をタテで羅列した名刺を見かけるが、意図的な処理を除き、用紙をタテに使うレイアウトであっても、文字はヨコ書きとした方が自然である。特に最近はURLやemailアドレスの表記が必須となっているため、無理にタテ書きにすることで可読性を壊してしまうのは好ましくないと思うので、今回はタテ書きのものは作成しなかった。

図04

図05

図04では、色帯の中に顔写真を入れてみるのも一つのアイデアである。また文字要素はできるだけ散乱させず、ブロック状にして処理することが大切だ。そして、どのデザインであっても、空白部分を残すことを心掛けて頂きたい。全面写真デザインなど、特殊な場合を除き空白部分が無いと受け取り側に不安定なイメージを与えてしまうからだ。

図05ではインパクトのある動きに合わせ思い切ったレイアウトを行うか、シンボルマークのインパクトにゆだねるか、という具合にポイントを1つに絞ってレイアウトを行うと悩まずにデザインすることができる。いくつかのラフを手書きでラフスケッチして絞り込むようにしてデザインを練り込むとよいだろう。

マークやロゴタイプが無い場合

名刺デザインで重要なマークやロゴタイプが無い場合は、下図のように名前を活用してみるのも一つのアイデアだ。

図06

図07

イニシャルをマークとする例

名前そのものをマークとする例

図06は、名前のイニシャルをマークとして活用する方法。「I」など癖のないイニシャルの場合は小文字を使ったり、スクリプト系の書体を使うといった方法で対処してみるとよいだろう。
図07は、イニシャルではなく、名前そのものをマーク的に活用するアイデアもある。思い切って大きくインパクトあるデザインをしてみることで名刺としての機能が発揮できるはず。

パーティカードを作ってみる

取引先との親睦を深めるためにパーティ、イベントなどを催す事は多々あると思うが、最近では、ビジネスマンが人脈形成や異業種間の情報交換のため、勉強会をかねたパーティを催すケースも多いようだ。そんな場合に、案内状をユニークなデザインにすることで参加者が増えるのではないだろうか。デザインそのものの考え方は名刺の時と同じである。あとは葉書をどう使うかだ。連載の第2回で作り方をご紹介した封筒に、このカードを同封してもよいだろう。 そこで、そのまま切手を貼っても、封筒に収めて投函しても使うことができるカードのデザインを考えてみた。 送付枚数が多い場合は往復葉書ではなくメールで参加表明をしてもらう方が合理的なので、参加表明はメールに限定してみた。

図08

図09

タテレイアウト

ヨコレイアウト

図08は、3種類の異なるパーティー用のカードのタテ使用例である。地図は3種類作成してみた。データ構造を確認して頂き、いろいろと使い回してみてほしい。また、背景に関係者の写真などを配置してみてもよいだろう。

図09は、図08のヨコ使用例だ。シンプルかつインパクトのあるデザインはアクセント的な図形あるいはクリップアートなどのイラストを配置し、ユニークな書体で決めるというのも一つのアイデアである。

当サイトからダウンロードできるテンプレートは、地図や郵便番号枠などのレイヤーが保持されている。必要に応じてカスタマイズして活用してほしい

(マイコミジャーナル広告企画)


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