Eee PCにビジネスアプリケーションを入れて持ち出そう

大人気のASUSTeK「Eee PC 4G-X」の、小さく、軽く、お買い得という3つのメリットから、それをビジネスモバイルとして活用してみようというのがこの企画だ。前編では、Eee PCの3つのメリットそれぞれに迫り、さらにEee PCのハードウェアスペックと特徴を紹介、そしてその特長であるSSDについて空き容量を増やすテクニックまでを紹介した。今回は、ビジネスアプリケーションを導入し、そして実際にモバイルしてみて気づいた使用感を紹介しよう。

残り容量1GBを確保しつつアプリケーションを導入

前編は、低リスクかつ簡単な方法でSSDの空き容量を増やしてみた。計4GBのうち約半分の2GBまでスリム化したが、この空き容量でインストールできるアプリケーションは実質1GBほど。通常使用においては、大容量のファイルをダウンロードするWindows Updateなどがあるため、1GBほどは空き容量を確保しておくことが望ましいためだ。使える容量が1GBとなると、さすがに普段使用しているアプリケーション全てをインストールすることは難しい。取捨選択が必要というところだが、まずはオフィススイートとセキュリティ対策ソフトをインストールしてみよう。

ちなみに今回、ソフトのインストールに使用したDVDドライブは、アイ・オー・データのDVRP-UN8LX。このドライブは、バスパワーのみでDVD±RおよびDVD-RAMなどの書き込みができる。また、非常にコンパクトな筐体になっているので、Eee PCと一緒に持って行き、出先でデータの受け渡しやバックアップに利用するのもいいだろう。もちろん今回のようなソフトのインストールをはじめ、DVDの鑑賞などに利用するためにも一台持っていると便利だ。

ではMicrosoft Officeの最新版である「Office Standard 2007」のインストール結果から紹介しよう。Office Standard 2007を標準構成でインストールした際の容量は約1GB。つまり2GB確保しても半分はOfficeで占有してしまい、他のアプリケーションをインストールする余裕はほとんど無いも同然だ。Office Standard 2007の特徴として、後々に機能を追加していく際にCDを要求しないで済むようにローカルインストールフォルダ「MSOCache」という隠しフォルダが作成される。便利な機能ではあるのだが、これがかなりの容量で、しかもインストール後はこれを削除できない。そのため、インストールオプションから外す、あるいはOffice 2007以外の手段を選ぶのが良いだろう。なお、これがOffice 2003の場合、「MSOCache」専用のツールが用意されており移動または削除が可能だ。

最新のOffice Standard 2007の場合、インストールにはかなりの容量を必要とする。インストールオプションを絞り込み、ローカルインストールフォルダを作らない方法でインストールしよう Excel 2007を起動したところ。800×480ドット表示では一画面の情報量は少ないが、Eee PCでは画面全体をスクロールさせることで800×600ドット表示も可能だ

ではその代替となるオフィススイートとして「Office XP Personal」と「OpenOffice.org」を検討してみた。Office XP Personalのインストール容量は約650MBで、OpenOffice.orgのインストール容量は約440MBだ。前者にはサポート期間と入手性の問題が、後者には社内アプリケーションとの互換性の問題があるため、これを考慮、検証したうえで導入を選びたい。

次は統合セキュリティソフト。まずシマンテックの「ノートン インターネットセキュリティ2008」をインストールしてみた。ノートン インターネットセキュリティ2008はかなりの容量を要し、インストール容量は約500MB。次にキヤノンシステムソリューションズの「ESET Smart Security」を調べたところ約350MB。各アプリケーションによって、かなり容量に差がでるところは先のオフィススイート同様だ。このほかにも各セキュリティ対策ソフトの製品ページからインストール容量を確認してみると、トレンドマイクロの「ウイルスバスター2008」は約300MB、CAの「インターネット セキュリティ スイート プラス 2008」は約120MB、ソースネクストの「ウイルスセキュリティZERO」は約20MBとされている。

Office Standard 2007とノートン インターネットセキュリティ2008の組み合わせでは計1.5GBほど必要とする Office XP PersonalとESET Smart Securityを組み合わせたところ約1GBほどで、空き容量1GBを確保できた

先のオフィススイート同様、統合セキュリティソフトにもシステム負荷、ウイルス検出精度などが各製品によって異なるため、やはり考慮、検討したうえで導入したい。幸い、多くのメーカーが体験版を用意しているので、まずはこれらを試してみることをオススメする。

SDカードを活用してデータ保護 & 容量問題を解消しよう

基本的にSSDはフラッシュメモリであるため、他のフラッシュメモリ同様の書き換え回数の寿命という問題がある。寿命と言っても数万回から数百万回であるため、一般的な使い方であれば簡単に達するものではないが、リスク回避という意味ではなるべくSSDの書き換えは控えたい。そこで、Eee PCのSDカードスロットを活用する方法がある。SDカードであれば交換が可能であり、容量も最大16GBの製品まで市販されており、Eee PCの容量問題を一気に解決できるのだ。そしてウレシイことにEee PCには4GBのSDメモリカードが付属する。これを使わない手は無いだろう。

SDカードを活用する方法は2つ。ひとつ目はマイドキュメントなどデータの保存先をSDカード内に指定する方法。この方法はリスクも少なく、是非とも設定しておきたい。エクスプローラからマイドキュメントを右クリックしてプロパティを見ると、「リンク先」という項目がある。別途SDカード内にフォルダを作成し、そこを指定しておけば、マイドキュメントを参照する際はSDカード内の指定フォルダを参照するように設定できる。

マイドキュメントのプロパティにある「リンク先」を変更。データやプログラムの一部をSDカードに移せば容量にもかなり余裕ができる

ふたつ目はメールデータをSDカードに保存する方法。もちろん重要なデータであるし、さらに長期間の使用やとくにビジネスメールの場合、受信数が膨大になって容量を圧迫することも考えられる。ここもマイドキュメント同様にSDカードに移動させておくのが得策だ。メーラーによって可否は異なるが、可能な場合は変更してしまおう。

そして3つ目はアプリケーションのインストールフォルダをSDカードに指定する方法だ。アプリケーションがインストール時にインストール先を指定できることが条件で、なかには規定の「Program Files」以外選択できないものもあるので注意が必要。インストールフォルダを指定できる場合、SDカード内に「D:\Program Files」等のフォルダを作成し、そこにインストールするよう指定すれば良い。

カフェや新幹線、Eee PCの小ささはやっぱり魅力的

まずこれまで紹介してきたEee PCをモバイルで使うメリットを改めて紹介しておく。まずは小ささ。ビジネスバッグはもちろん、小ぶりなカジュアルバックにも入れられるから、モバイルがもっと気軽なものになる。また軽さ。本体は1kgを下回り、さらにACアダプタも小型で持ち運びやすいため、子供や女性にもオススメできる。そしてVGA出力ポートの装備。Eee PCをプレゼンテーションでも活用できるのはもちろん、たくさんの資料を同時に持ち運ばなければならない場合、とにかくEee PC自体の小ささや軽さがうれしい。

そこで、Eee PCを実際にモバイルで使ってみた様子を紹介しよう。ちょうど所要があり新幹線に乗る機会があった。新幹線と言うと、これまでB5ファイルサイズノートを使っていて不便に感じたのが自由席のダッシュボードの小ささだ。普通にノートPCを置くぶんには困らないのだが、飲み物を置こうとするとスペースが無い。そのため、飲むのはペットボトル飲料と決め、それを網かごに放り込んでいた。

しかしEee PCは違う。Eee PCを置きつつボトル用のスペースもしっかりと確保できるのだ。実際にEee PCをダッシュボードに置いてみた写真を参照していただきたいが、この状態でEee PCの底面のゴム足はしっかりとダッシュボード上に乗っている。コーヒーを置くスペースを確保できたことで、目的地までは文書作成やプレゼンの予行演習などの作業をこなしつつ、時には一杯のコーヒーでリラックスすることが可能になる。

新幹線自由席のダッシュボードとEee PC。ちゃんとボトルホルダーが利用できる 車内サービスのカップのコーヒーも置ける。些細なことだが作業効率には大きなメリット

そしてモバイルの本命はやはりカフェでの作業。よく2人のサラリーマンがテーブル2つを占有してノートパソコンで作業しているのを見かける。あまり混雑する店舗ではこうした使い方は気が引けるものだが、実際のところカフェテーブルはかなり小さめ。しかし小さなEee PCはこうした小さなテーブルでも余裕で置け、しかもコーヒーを置いても大丈夫だ。リーズナブルな値段でコーヒーが飲めるコーヒーショップではもっとEee PCの小ささが有利になる。コーヒーショップではカフェよりもさらに小さなカウンタータイプの丸テーブルを置く店舗が多い。しかしEee PCのサイズなら、こうしたカウンターテーブルでもコーヒーと一緒に置いても大丈夫だ。

カフェテーブルでEee PCとコーヒーを横に並べてもこのサイズ。店舗によってはもっと小さなテーブルのところも多いがEee PCなら大丈夫

無線LAN+Wi-Fineでインターネットもバッチリ

Eee PCは広く普及しているIEEE802.11b/g無線LAN機能を搭載している。もちろん自宅でのワイヤレスインターネットでも便利だが、出先においても活躍してくれる。そして今、Eee PCという新しいスタイルのPCの活用を広めるキャンペーンとして、5月末までのWi-Fine無料接続サービスが実施されている。Wi-FineはNTTBPの無線LAN接続サービスだ。アクセスポイントは全国で約6000箇所。各地の鉄道駅、空港、ファーストフードやカフェで利用できるので、詳しくはNTTBPのサービス提供エリアをチェックしよう。

Eee PCでWi-Fineの無料接続サービスを利用するには、事前登録またはWi-Fineサービスエリアにてその場で登録が可能だ。事前登録の場合はEee PC以外からも登録が可能。Eee PC購入時にパッケージに添付されているキャンペーン案内ちらしには「キーワード」が記されている。これをユーザーエントリーから入力すればOK。登録を済ませておけば、SSID「wifine」からすぐに利用が可能だ。

Eee PCを買うと無線LAN接続サービス「Wi-Fine」が2008年5月末まで無料。カフェや空港、駅などでもメールチェックやインターネットができる

このWi-Fineのほか、様々な公衆無線LAN接続サービスが全国にある。お住まいの地域ごと、使用環境ごとに事業者は異なるので最適なサービスを見つけ出そう。

新しいジャンルのPC製品「Eee PC」でモバイルを広げよう

Eee PCは小さく、SSDのように特殊なデバイスを採用しており、価格も安い。そこを最大限活用すると、新たな活用シーンが生まれ、Eee PCが「ノートパソコンとは違う新しいジャンルの製品」であるという意味がなんとなくわかってくる。

SSDを活用するには確かにテクニックが必要だ。簡単なものであればASUSTeKが紹介している最低限のものでまずは大丈夫。さらに使い込むにはまた様々なテクニックが必要となる。もちろん、スキルに合わせて安全なものから試すのが良い。ただし、この試行錯誤がけっこう楽しい。Eee PCが低価格ということもあり、PC上級者達がホビーPCとして買い求めるのも納得だ。また、SSDならではの耐振動・耐衝撃性能はモバイル時にはメリットとなる点も見逃せない。

次に小ささ。PCにとって小さいことは全ての面でメリットとなるわけではないが、逆に小さいことで使える場所が広がるというのが今回の企画で紹介できたと思う。今回紹介した新幹線内やカフェ、ほかにも小さなスペースと言えば飛行機のダッシュボードやビジネスホテルの机、これまで窮屈だったところ、あきらめかけていたところでEee PCを試して欲しい。ここがビジネスモバイラーにオススメするEee PCのメリットだ。

(マイコミジャーナル広告企画)

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