2018年からはじまった「つみたてNISA(ニーサ)」。
つみたてNISAは投資対象が投資信託に限られ、非課税枠もNISAより少額ですが、20年もの長期間非課税の恩恵を受けられるのが特徴です。
コツコツ少額から投資したい初心者には、おすすめの制度。
この記事では、つみたてNISAはどんな制度なのか、またNISAとの違いについても詳しく解説します。
つみたてNISAとiDeCoの併用方法についても説明していますので、長期投資について考えるときの参考にしてくださいね。
つみたてNISAとは?制度の概要を紹介
つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するため、2018年に始まった制度。
次のような特徴があります。
- 年間40万円まで積立投資が可能
- 20年間、配当や譲渡益が非課税
- 対象商品は投資信託とETF
つみたてNISAは年間40万円まで、最長20年間保有でき、その間に得た配当金や譲渡益に税金がかかりません。
「20年も投資信託を保有するなんて長すぎる」と思う人もいるかもしれませんね。しかし資産形成をする上で長期投資は基本。
いままでのNISAは5年間しか保有できませんでしたが、実際のところ5年間で結果を出すのは難しいときもあります。
20年という長期投資は大きな強み。もちろんマイナス成長の年もあるでしょうが、伸びしろのある市場を対象とした投資信託を購入することで、トータルでは大きな利益が期待できるんです。
また積立投資することでドル・コスト平均法※も使え、投資のマイナスポイントである基準価額の変動リスクを回避することにもつながります。
毎月一定額を買付けることで、トータルの購入単価を平均化することができます。
基準価額が高いときには口数を少なく、低いときには口数を多く買い付けることができるので、その後基準価額が上昇したときにはより高いリターンを得られるメリットがあります。
投資に充てる資金が少ない人でも利用できるよう、少額から積立・分散投資に適した制度としてつみたてNISAが考え出されたんだ。
NISAについて、詳しい解説は「NISA(ニーサ)とは?メリットとデメリット」を参考にしてください。
つみたてNISAとNISAは併用不可!2つの違いを解説
つみたてNISAはNISAと違い、金融商品を長期で保有することができるところが大きな違いです。
そのほかにどんな違いがあるか、具体的な特徴を表にしました。
つみたてNISA | NISA | |
---|---|---|
対象年齢 | 20歳~ | 20歳~ |
非課税枠 | 年間40万円 | 年間120万円 |
最大合計投資額 | 800万円(20年間) | 600万円(5年間) |
対象商品 | 投資信託(ETF) | 上場株式、上場REIT、上場ETF、投資信託など |
非課税期間 | 20年 | 5年 |
非課税対象 | 分配金、譲渡益 | 配当、分配金、譲渡益 |
引き出し | いつでも引き出せる | いつでも引き出せる |
投資可能期間 | 2018年~2042年 | ~2028年 |
ロールオーバー | 不可 | 可 |
そのほかの特徴 | 定期・定額・積立投資に限定される | 上限額の範囲内なら単発の購入もでき、積立もできる |
NISAでは株やREIT、ETFも購入することができますが、つみたてNISAでは投資信託とETFしか購入できません。
しかも、初心者にも選びやすいように対象投資信託は厳選されているのです。
またコストの負担が少ない、ノーロード(購入手数料無料の投資信託)のみが対象です。
つみたてNISAは投資に深い知識がない人が資産運用を始めるきっかけになる制度だといえるでしょう。
「つみたてNISA対象の金融商品から選ぶ!おすすめ投資信託」ではつみたてNISAで購入できる投資信託のなかからおすすめのものを紹介しています。
併用は不可!つみたてNISAとNISAは選択制
NISAで非課税枠いっぱいまで投資している人の中には「つみたてNISAの口座を作ればもっと非課税投資枠が増える!」と考える人もいるかもしれません。
しかし残念ながら、つみたてNISAとNISAの2つを、併用して使うことはできません。
また、NISAでは、非課税期間が終わったときに、翌年の非課税枠に資産を移すこと(ロールオーバー)ができるのですが、つみたてNISAではロールオーバーができないことにも気をつけましょう。
NISAのロールオーバーについては、「NISAでロールオーバーすべき?しないべき?具体的な手続きも紹介」を参考にしてください。
つみたてNISAのデメリット!損益通算ができない
つみたてNISAを始める前に、そのデメリットについてもきちんと理解しておきましょう。
つみたてNISAのデメリットは以下のようなものが挙げられます。
- 投資信託の種類が限定的
- NISAと併用できない
- 損益通算※できない
年間の利益と損失を差し引きし、課税対象になる金額を計算すること。株や投資信託ではトータルで得た利益にだけ課税されます。
つみたてNISAもNISAと同じく、口座自体が課税対象とされていません。
そのため例えば特定口座で利益が出てNISA口座で損失が発生しても、特定口座の利益と相殺し、特定口座の課税対象額から引くことができないのです。
自分の目標資産がどれくらいなのか決め「それに到達するまでは利益確定しない」「多少のマイナスでは損切りしない」など、まずは自分ルールを徹底しておくことが大切だ!
つみたてNISAと併用するなら個人型確定拠出年金(iDeCo)を!
つみたてNISAとNISAは併用することはできませんが、つみたてNISAと個人型確定拠出年金(iDeCo)※は併用が可能です。
積立式の年金制度。個人型確定拠出年金で老後の資金を積み立てると、その掛金の分だけ毎年の課税所得から控除することができ、高い節税効果が期待できます。
個人型拠出年金について詳しい解説は「【個人型確定拠出年金】iDeCo(イデコ)とは!メリットとデメリットを紹介」を参考にしてください。
しかし個人型確定拠出年金はあくまでも「老後の資金を貯める」ことが目的。そのため本人が60歳になるまでお金を受け取ることができません。
このように個人型確定拠出年金は資金拘束を受けるデメリットがあるのですが、つみたてNISAを併用することでそのデメリット部分を補うことができます。
余剰資金の資産運用には、最終的な使い道を考え、iDeCoかNISAかを選択することがおすすめだ。
つみたてNISAにおすすめ!ネット証券2社を紹介
つみたてNISAに興味が出てきた!という人のために、ここではつみたてNISAにおすすめのネット証券を紹介します。
ぜひ参考にしてください。
SBI証券は取扱商品が充実!NISA口座からの移行もカンタン
1つ目のおすすめはSBI証券。
SBI証券は手数料が安く、サービス、取引ツールも充実していて、どんな人にもおすすめできるネット証券です。
そんなSBI証券のつみたてNISA口座はメリットは次の通り。
- 豊富な投資信託から購入商品を選べる
- 100円から投資ができる
- 積み立て頻度が選べる
- 「カートつみたて」で資産状況をチェックできる
「カートつみたて」という機能は、SBI証券オリジナル。
カートつみたてでは、つみたてNISA投資可能枠の利用状況や資産状況が、一目でわかる仕様になっています。
利用者目線を忘れないサービス精神旺盛なSBI証券ならではの心配りです。
SBI証券はNISA口座開設数がナンバーワン。すでにNISA口座をSBI証券で持っている人も多いでしょう。
NISAでSBI証券を利用してきた人は、SBI証券のつみたてNISAへの移行もカンタン。
このまま同じ証券会社でつみたてNISA口座を作るのもおすすめです。
これまでSBI証券でNISAをやっていた人も、これからSBI証券に口座を作ろうと考えている人も、ぜひSBI証券のつみたてNISA口座を検討してみてくださいね。
楽天証券はポイント利用が可能!楽天ユーザーには断然おすすめ
続いて紹介するのは、大手ネット証券のなかではSBI証券と双璧をなす、楽天証券です。
楽天証券のつみたてNISA対象投資信託の本数も多く、豊富なラインナップの中から商品を選択することができます。
楽天証券のつみたてNISAには、次のようなメリットがあります。
- 豊富な投資信託から購入商品を選べる
- 100円から投資ができる
- 楽天スーパーポイントで積立ができる
- 「まとめてつみたて」で簡単に運用できる
楽天証券は、積立代金を楽天スーパーポイントから支払うことが可能です。
筆者は楽天ユーザーなので、ここは一番心が惹かれる点なんです。もし楽天証券でお買い物をしせっかくポイントが貯まっても、それを買い物に使ってしまってはゼロになってしまいます。
「まとめてつみたて」※機能も楽天証券ならでは。忙しい人にはうれしい機能です。
「金額」「引落先」「引落タイミング」をまとめて設定できる機能のこと。
通常、積立投資をする際には、それぞれのファンドに対して積立設定を行わなくてはいけませんでしたが、その必要はなくなりました。
楽天証券も、便利な機能が揃っていておすすめの証券会社です。
「楽天証券でつみたてNISAをはじめたい!でもまだ楽天証券の口座を持っていない・・・」という人は、まず楽天証券の口座開設をしましょう!
楽天証券の口座開設は、こちらからできます。
投資初心者必見!つみたてNISAは長期投資に向くオトクな制度
つみたてNISAを利用することで、年間40万円まで積み立てることができ、20年に渡る長期的な非課税投資が可能になります。
投資対象は限定された投資信託の中から選びますが、資金はいつでも引き出し可能。自由度の高さが嬉しいメリットですね。
つみたてNISAの制度が資産運用の意識改革に一役買い投資をする人が増えれば、日本の企業を元気づけ、さらに景気を押し上げることにもつながります。
資産形成を始めるなら今でしょ!さあ、いまこそ資産形成の第一歩に踏み出してみませんか?