マーライオンやマリーナベイサンズなどが有名で、観光地として人気の高いシンガポール。
東南アジア諸国の中でも、突出して経済成長を成功させた国の1つです。
シンガポールでは国民1人当たりのGDPが先進国と同じ高い水準を保ちながら、経済成長率は新興国と同じ水準で伸び続けています。
つまり先進国の良い点と、新興国の良い点の両方を合わせ持つ素晴らしい国なんです。
シンガポールの国土は狭く、資源にも恵まれていません。しかし交通の要衝という立地を活かす事業の成長や、海外企業を積極的に誘致した国策で、世界的に見ても大きな影響力を持つ国際金融センターとして発展してきました。
今回は、経済成長を進める東南アジアの中でもとりわけ競争力の高いシンガポールの経済について説明し、その中でお勧めのシンガポール株についても紹介します。
世界中から資産家や起業家が集まる国
国名 | シンガポール共和国 |
---|---|
首都 | シンガポール |
人口 | 561.2万人(2017年) |
言語 | マレー語、英語 |
日本との時差 | -1時間 |
通貨 | シンガポールドル(1シンガポールドル=約82円) |
シンガポールは東南アジアの中でとても国際競争力がある国で、2014年のGDPは3,080億ドル(約37兆円)です。
富裕層の割合が世界で最も高い国と言われ、6世帯に1世帯は100万ドル以上(約1億2,000万円)の金融資産を保有しています。
1967年にタイ、インドネシア、マレーシア、フィリピンとともに東南アジア諸国連合アセアン(ASEAN)を設立し、1997年以降は日本、中国、韓国もASEAN会議に参加するようになりました。
2002年には日本とシンガポールの間で「新時代経済連携協定」を結び、関税の撤廃など両国間の人や資本、サービスの行き来がしやすいよう連携を深めています。
シンガポールは、20世紀末から急速に経済成長しているのです。
2014年にアメリカのダウ・ジョーンズが発表した国際金融センターランキングでは、ニューヨーク、ロンドン、東京に次いで、世界4位と評価されています。
東西貿易の中心地として発展するシンガポール
シンガポールは地理的に東南アジア、東アジア、中東、オセアニア、ヨーロッパを結ぶ中心地として、古くから東西貿易の拠点として発展してきました。
そのため海運業や航空業が盛んで、現在はシンガポール航空が国内で最大の企業として成長しています。
また国が工業化政策を進めた結果、東南アジア最大の工業国として発展。
古くから国営の企業が独占していたシンガポールの産業は、さらなる発展を目指して1980年代から民営化が広まり始めました。
1990年以降はIT産業に力を入れ始め、世界でもトップレベルのIT先進国として成長を続けています。
成長を続けるシンガポールの有望企業を紹介します
シンガポールは国土も小さく資源も少ないため、決して恵まれた環境とは言えません。
しかしアジアの交通の要衝という立地を活かした事業を育て、海外の企業も積極的に誘致しているため、国際的な競争力を高めた有望企業がたくさんあります。
その中でも特にシンガポールやアジアを代表する企業をピックアップしましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
【航空】シンガポール航空
シンガポール航空は最新機材を104機保有し、子会社も含めると現在37カ国105都市に就航している国内最大の企業です。
シンガポールを訪れる旅行客の比率は少ないですが、ヨーロッパからオーストラリアやニュージーランドへの乗り継ぎ客を重視したルート設定を行い、アジアのハブ空港として多くの人々が利用するようになりました。
今では当たり前のヘッドフォン貸し出しは、実はシンガポール航空が始めたサービスだったのです。
1995年には機内エンターテイメントシステムとして、最先端の「クリスワールド」を全席に導入。2004年にはシンガポール-ニューヨーク間で、世界最長の直行便を就航。
2007年には総ニ階建ての大型旅客機エアバスA380を世界で初めて就航するなど、世界トップレベルのサービスと技術で各国から高い評価を得ています。
【不動産】キャピタランド
アジア最大の不動産ディベロッパーであるキャピタランドは、住宅やオフィス、ショッピングモールなどの不動産開発や不動産投資信託を手掛けています。
子会社を含めると、24カ国141都市で事業展開しているのです
2015年の地域別売上高を見ると、シンガポール国内が49%、国外では中国が30%、その他のアジアが13%という比率を占めています。またそのほかに、5つの不動産投資信託をシンガポールとマレーシアに上場。
今後は発展が見込める新興国であるインドネシアやベトナムにも事業を拡大していく計画があり、バランスの取れた事業構成で安定した成長を期待できる有望企業です。
【通信】シンガポール テレコム
シンガポールテレコムは、グループ社員が2万人を超えるシンガポールの巨大企業。
アジアを中心に主に国際ネットワークやクラウドサービスなど通信事業や、テレビ、電子書籍、ゲーム、音楽などのデジタルサービスの提供も行っています。
また同社のモバイル事業は、アジアやアフリカ地域まで展開。
グループ8社を合計した携帯加入者数は、世界26カ国で約5億人という世界トップクラスの加入者数を誇っています。
ASEAN諸国の発展とともに、今後も成長が期待できる有望企業です。
REITについて詳しくは、次の記事を参考にしてください。
日本でシンガポール株を取り引きできる証券会社
シンガポール株を取り引きできる日本の大手証券会社は、SBI証券と楽天証券です。
この2社では日本語で、しかも日本円で取り引きができるので、シンガポール株と言っても日本の株と同じように取り引きが可能です。
しかし、シンガポール株の全てが取り引きできるというわけではなく、SBI証券では約44銘柄、楽天証券では38銘柄と制限があります。
どちらも厳選された有望企業ばかりで、先ほど紹介したシンガポール航空やキャピタランド、シンガポールテレコムの3社はどちらの証券会社からでも取り引き可能。
手数料(全て税抜)については、どちらの証券会社も約定代金の1%ですが、SBI証券は最低手数料が28シンガポールドル(約2,300円)、楽天証券が500円です。
今回紹介した企業以外にもシンガポールには今後成長が期待できる有望企業がたくさんあります。
ぜひこちらから口座開設して、シンガポール株に投資してみてくださいね。
日本の株と同じように購入できるシンガポール株
シンガポールは国土が狭くても、ASEAN加盟国の利点を活かして国内にとどまらず、航空産業や不動産業、通信サービスなどの事業を手広く発展させています。
シンガポール企業はこれから成長してくる東南アジア諸国での事業展開にも積極的なので、東南アジアの後進国の発展に合わせて、シンガポール経済もますます成長すると期待できます。
海外旅行などでシンガポール航空を利用したことがある人なら、そのサービスの良さは他の航空会社に比べ一目瞭然です。
まずは自分が利用したことのある企業の株を購入するのも良いでしょう。
SBI証券や楽天証券では、日本の株と同じようにシンガポール株が買えます。今後も勢いのあるシンガポール株を購入するのもお勧めですよ。
ぜひ選択肢のひとつとして考えてみてくださいね。