一般的な定年・リタイアである50代・60代を待つことなく、30代や40代での早期リタイアという生き方が注目されています。その中で知っておきたいキーワードが「FIRE」です。
ここでは、FIREの基本的な特徴、FIREをするために何が必要で何に気を付けなければいけないのか等、FIREを目指す人が知っておくべきポイントについて紹介していきます。
FIREは経済的自立!基本的な情報を押さえよう
FIREとは、経済的自立を意味する「Financial Independence」と早期リタイア(退職)を意味する「Retire Early」の頭文字を繋げた言葉です。
FIREでは、貯蓄・資産を確保してその金額に見合う生活を行うこと、働かずに生活することを目指します。
ただし、FIREにも様々な種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
Fat FIRE | 資産だけで贅沢した生活が送れる |
Lean FIRE | 節約しながら最低限の生活が送れる |
Barista FIRE | 頻度を減らして働きながら生活する 仕事をいつでも辞められる状態にある |
Coast FIRE | 生活費をまかなう資産はあるがゆるく働いて生活する |
もちろん、難易度としてはFat FIREが一番難しくなります。FIREを目指すが社会とのつながりは確保したい、と思うのであれば、あえて働く道もあるでしょう。
自分がどのFIREを目指すのか、自分にはどのスタイルが合うのかを考えることが大切です。
FIREのメリット
FIRE最大のメリットは、仕事をする時間を自分の時間にできるということです。
趣味など、自分のやりたいことに時間を使える自由を得ることができます。
また、働くことがない、短時間勤務やパート・アルバイトで良いということであれば、好きな場所に住むことが出来ます。
Lean FIREのように節約しながら生活をするのであれば、居住費を見直すことも大切です。
自分の好きな場所、過ごしやすい場所、コストを抑えられる場所など、希望に合う居住地を探しましょう。
FIREを目指すための5つのポイントとは
FIREを目指すと決めたとき、どのように進めていけば良いのでしょうか。
ここでは、FIREを目指す人にチェックしてもらいたいポイントを5つに絞ってみました。
- ポイント①FIREで早期リタイアするためにいくら必要か計算しよう
- ポイント②FIREのやり方・ルールを確認しよう
- ポイント③FIREする前には必ず支出を見直そう
- ポイント④FIREは投資信託など資産運用が重要
- ポイント⑤注意点をチェックしよう
それぞれのポイントについて詳しく見ていきます。
ポイント①FIREで早期リタイアするためにいくら必要か計算しよう
まずは、FIREで早期リタイアするために自分がいくらの資産を築けば良いのかを知ることが大切です。
1つ目の方法が、年間の必要支出額から必要資産を計算するというものです。
1ヶ月の支出が15万円、年間支出額が15万円×12ヶ月=180万円の場合を例に見ていきましょう。
年金受給までの年数 | 必要資産額 |
---|---|
35年間 | 180万円×35年=6,300万円 |
25年間 | 180万円×25年=4,500万円 |
15年間 | 180万円×15年=2,700万円 |
年金受給年齢が65歳とすると、30歳でリタイアするためには35年分として6,300万円の資産が必要であることを示しています。
これは、22歳から働き始めたとしても8年間で6,300万円貯蓄が必要となるわけです。若い時に早期リタイアできるときの貯蓄を完了するのは、現実的ではありません。
そこでFIREでは、資産を運用した利益の範囲内で生活していくのが基本となります。
そこで2つ目の必要資産の計算方法が、アメリカでFIRE実現の目安とされている「4%ルール」です。
アメリカでFIRE実現の目安とされたルール。年間支出の25倍の資産があれば年利4%の運用で生活できるというもの。
年間支出が300万円の場合、その25倍である7,500万円の資産を年利4%で運用すれば良い、となります。
ただし、これはあくまでもアメリカでの場合です。4%の根拠を見てみましょう。
日本はインフレ率目標が2%程度となるため、年間支出の20倍前後、5~6%ルールが目安となってきます。
生命保険文化センターが行った意識調査から、夫婦2人で必要となる最低日常生活費、ゆとりある老後生活費の平均額が発表されています。
その金額をもとに、5~6%ルールにより計算した必要な資産について見ていきます。
5% | 6% | |
---|---|---|
最低日常生活費 22.1万円 |
約4,400万円 | 約5,300万円 |
ゆとりある老後生活費 36.1万円 |
約7,200万円 | 約8,600万円 |
FIRE実現のためには、最低でも4,400万円の資産が必要になるという計算です。
ポイント②FIREのやり方・ルールを確認しよう
FIREの基本的なやり方・ルールは、いたってシンプルです。
収入の種類は給与収入や副業による収入、資産運用による金利・配当収入など、いろいろあります。
重要なのは、収入に対して支出を抑え、できるだけ貯蓄を増やしていくということなのです。
ポイント③FIREする前には必ず支出を見直そう
FIREでは貯蓄・資産をいかに増やすかが重要となるため、まずは支出を見直して余計な出費がないか、節約できるポイントはないかをチェックすることから始めます。
チェック内容 | |
---|---|
住居費 | 家賃や光熱費・水道代などを削減できるか |
車両費 | 車の維持費は削減できるか そもそも車は必要か |
携帯電話料金 | プランは適正か 格安携帯の利用を検討出来ないか |
食費 | 不必要な出費はないか |
交際費 | 無駄な飲み会など見直せないか |
趣味・娯楽費 | 必要以上にお金がかかる過ごし方をしていないか |
これらのポイントをチェックし、支出を最低限にできるよう工夫してみましょう。
ただし、厳しすぎる節約は長く続きません。まずは大きな固定費を見直し、その上で他の要素を見直していけると良いでしょう。
ポイント④FIREは投資信託など資産運用が重要
FIREを始めるためには、一定以上の資産形成が必要不可欠です。給与収入を貯蓄するだけでは難しいため、本業と並行して投資による資産運用を行うことが重要です。
投資には様々な方法がありますが、FIRE実現のためにチェックしておきたい投資方法が次の4つです。
- 株式投資
- 投資信託
- NISA
- 米国株
これらの投資方法については、後ほど詳しく解説していきます。
ポイント⑤注意点をチェックしよう
FIREを実現できたとしても、そのままスムーズに生涯過ごせるとは限りません。
FIRE後にどのような問題が起こる可能性があるのか、注意点について知っておくことも重要です。
考えられる注意点としては、次の3点が挙げられます。
- 資金不足になる
- 目標がなくなる
- 再就職が困難
最も気を付けなければいけないのは、資金不足になってしまうという点です。
資産が不足すれば、必要に応じてアルバイトなどの短期就労を余儀なくされることもあります。
また、FIREは自分の時間を確保できる、やりたいことを始められるといったメリットがありますが、やることがなくなってしまった、目標を失ってしまったとなれば、日々の生活が物足りなくなってしまうでしょう。
ただ、目標がなくなった、資産が不足してきたなどが理由で再就職を考えたとしても、簡単に採用されるとは限りません。
FIREを始める時には、これらの注意点についてしっかり認識しておくこと、そして万が一の時について考えておくことが重要となります。
FIREを始める前にチェックしておくべき投資の種類
FIREを始めるために、投資によって資産を増やすこと、そして配当などで必要な利益を確保することが重要となります。
ここでは、FIREで投資するべき4つの方法について紹介します。
株式投資
株式投資は、株式を購入・保有することで、配当金や売却益を得る投資方法です。
FIREに必要な資産形成をした手段の中で、最も多いのが株式投資です。
株式投資では、3つの方法で利益を得ることが出来ます。
内容 | |
---|---|
売買益 | 安く買って高く売ることで利益を得る |
配当金 | 会社が得た利益を株の保有数に対して与えられる |
株式優待 | 株の保有数に応じて商品券や食品・商品が得られる |
売買益は少ない投資でも取引を繰り返すことで大きな利益を得られる可能性があります。
配当金は1株あたりに対して得られる額が少ないため、十分な利益を得るためには多額の投資資金が必要となります。
株主優待は現金を直接もらえるわけではありませんが、支出を抑えるために有効活用できます。
株式はすぐに現金化できる、少額投資・分散投資が可能などのメリットがありますが、経済変動が大きくなると株価が暴落するリスクもあります。
投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金をまとめたものをプロが運用する投資方法です。
少額から始められること、集めた資金が株式や不動産など複数の商品に分散されて投資されるため、どれかが値下がりしても他の商品でカバーできるメリットがあります。
また、プロが運用するため初心者でも始めやすい投資方法だと言えます。
投資信託について詳しく知りたい方はコチラの記事がおすすめ!
NISA
2024年から新しくなったNISAは、株や投資信託などに投資できる「成長投資枠」と積立に適した投資信託への投資ができる「つみたて投資枠」があり、税制が優遇されるというメリットがあります。
- 年間360万円まで投資可能で収益は非課税
- 非課税期間は無期限
- 生涯投資枠は1800万円
ただし、つみたて投資枠は年間投資枠が120万円まで。そして積立投資のみ、そして金融庁が選んだ商品のみが対象となります。
長期投資に向いている商品となり、本来かかるはずの20.315%の税金がゼロにできるので、ぜひ活用したいですね。
米国株
米国株は危険だ、リスクが高いというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、そうとは限りません。
米国の時価総額の上位には、Appleやアマゾン、Googleといった有名企業が名を連ねています。これらの企業銘柄は5年、10年チャートいずれを見ても右肩上がりの傾向にあり、米国株全体の株価を見ても安定成長しているのです。
また、日本株は100株、1,000株という単位で取引をしなければいけませんが、米国株は1株からの取引が可能です。
アマゾンやGoogleなどの知名度が高い株でも、1株であれば30~40万円で購入できます。
投資信託の中には、米国の代表企業500社に分散投資ができるS&P500連動の商品があります。この商品であれば米国株と投資信託のメリット双方の恩恵を得ることが出来ます。
投資にオススメの証券会社3選
FIREを実現させるために重要なポイントとなる投資。ここでは、投資をするときにオススメの証券会社を3社厳選してご紹介します。
自分の希望する投資スタイルを考えながら、ぜひ参考にしてください。
NISAをはじめるなら「楽天証券」!ポイントが貯まります!
国内株式、外国株、投資信託、NISAなど幅広い商品を取り扱っている楽天証券。NISAもお得な内容となっており、投資初心者にもオススメです。
楽天証券のNISAの特徴を見てみましょう。
特徴 | 概要 |
---|---|
楽天ポイントが利用できる | ・クレジット決済で貯まった楽天ポイントを 1ポイントから投信積立に利用可能 |
楽天カード決済ができる | ・投信積立を楽天カード決済にすると 決済額100円につき1ポイント貯まる ・クレジットカード引き落とし口座から 自動で引き落とされるため 証券口座に資金を移動する手間が不要 |
取扱商品が多い | ・つみたて投資枠対象ファンドが213本と豊富なラインナップ |
手数料もお得 | ・口座開設料・管理料0円 ・買付手数料0円 |
NISAがお得な「楽天証券の評判」をまとめた特集記事も是非ご覧ください。
楽天カードユーザーや、楽天ポイントを保有していても使い道に悩んでいるという方には、楽天証券のNISAはオススメです。
また、2023年10月27日から投資信託残高ポイントプログラムも始まりました。
下記ファンドを保有していると、保有金額に応じて毎月ポイントが貯まるのでとってもお得ですよ。
- オールカントリー株式インデックス・ファンド
- S&P500インデックス・ファンド
また、楽天証券は口座開設時に以下の口座を同時に申し込めます。
- 特定口座
- NISA口座
- 楽天銀行口座
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)口座
- 楽天FX口座
- 信用取引口座
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米国投資なら「マネックス証券」がおすすめ!
マネックスグループの完全子会社であるマネックス証券。楽天証券、SBI証券と並ぶ大手ネット証券としての知名度があり、外国株に強いという特徴があります。
マネックス証券の米国株投資の特徴を見ていきましょう。
特徴 | 概要 |
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取り扱い銘柄数が多い | ・取り扱い銘柄数は5,000を超える ・大手銘柄だけでなく中小型銘柄も豊富 |
手数料がお得 | 1取引当たりの手数料 ・約定代金の0.495% ・最低手数料0米ドル(無料) ・最大22米ドル |
特定口座に対応 | ・投資信託、日本株と同様に特定口座に対応 ・確定申告が不要、もしくは簡易な手続きでOK |
時間外取引可能 | ・立会時間含めて最大12時間取引が可能 |
注文方法が豊富 | ・逆指値、とれ~るストップ、ツイン指値など 様々な注文方法に対応 |
4つの特典あり | ・米国株デビュー応援で最大3万円キャッシュバック ・買い付け時為替手数料無料 ・米国ETF買付手数料実質無料 ・NISA買付手数料実質無料 |
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FIRE実現のためには上手に投資を活用しよう
FIREでは、高額な資産が必要となります。まず、自分に必要な資産がいくらになるかを認識し、支出を見直して毎月の余剰資金を少しでも増やすことが大切です。
また、FIRE実現のためには給与所得のみを蓄えていくだけでは厳しいため、投資を活用していくことが求められます。
株式投資、投資信託など、自分のスタイルに合う投資を見つけて、上手に活用していきましょう。