予想外の悪材料によって、株価が急落することを「ネガティブサプライズ」といいます。
1929年の世界大恐慌の発端となった、ウォール街大暴落。1987年に起きた史上最大規模の大暴落、ブラックマンデー。そのほかITバブルの崩壊やリーマンショックなどの大規模な金融危機はアメリカで起こり、世界を揺るがしました。
このように、歴史を振り返ってみると、「ネガティブサプライズ」は過去に何度も起こっているのです。
世界的な金融危機の影響で、日本も大きな打撃を受けることに。例えば1929年のウォール街大暴落から始まった世界恐慌の際、日本の失業率は20%以上になりました。
買いたくても買えない、売りたくても売れない。売れなければ経営は傾き、また失業者が増え・・・悪循環が起こるのです。
そんな悪循環を起こしてしまう世界大恐慌に備えるために、過去に世界を金融危機に陥れたほどの「ネガティブサプライズ」を振り返ってみましょう。
年表から世界で起きた金融危機を知ろう!始まりは1929年の大恐慌
1929年の世界大恐慌の引き金になったと言われる、ウォール街の大暴落以降も世界ではいくつかの金融危機が起こりました。
世界で起きた金融危機をまとめた年表を見ていきましょう。
1971年 ニクソンショック
1987年 ブラックマンデー
1991年 日本バブル崩壊(日本)
1997年 アジア通貨危機
2001年 ITバブル崩壊
2006年 ライブドアショック(日本)
2008年 リーマンショック
これらの金融危機は、日本にも大きな影響を与えました。
昭和に起きた世界恐慌は?世界を揺るがした3つの金融危機を紹介
まずは昭和に起きた世界規模の金融危機についてです。
- 1929年(昭和4年) ウォール街大暴落
- 1971年(昭和46年) ニクソンショック
- 1987年(昭和62年) ブラックマンデー
次の項目から順番に、概要を紹介していきます。
ウォール街大暴落が世界大恐慌の引き金に!1ヶ月続いた大暴落
「ウォール街大暴落」とは、1929年10月24日から約1ヶ月間続いた一連の株価の大暴落のことです。
大手金融機関が集中するアメリカのニューヨーク・ウォール街で起こったことから、その名がつきました。また最初の暴落が起きた10月24日が木曜日だったことから、「ブラックサーズデー」とも。
ウォール街大暴落は世界恐慌のきっかけになった、と言われています。
これが株価大暴落に繋がったぞ。
この暴落を受け、銀行による組織的な買い支えが行われたため、売りが売りを呼ぶ、という負の連鎖は一時的に免れました。しかし28日、29日にさらなる大暴落が起き、1929年11月13日には198.60の底値を付けることになったのです。
1930年4月17日には294.07という高値を付けるところまで急速に回復しましたが、相場は再び下がり、1954年11月23日まで大暴落前の水準まで戻ることはありませんでした。
金とドルの交換停止によるニクソンショック!固定相場制の終焉
「ニクソンショック」とは、1971年8月15日にアメリカの当時の大統領リチャード・ニクソンが発表した新経済政策の「金(きん)とドルの交換停止」と、それによる世界市場の混乱を指します。
1945年以降、基軸通貨※はイギリスのポンドからアメリカのドルになりました。
各国間での貿易決済や金融取引などで基軸となる通貨のこと。
金とドルの交換比率を金1オンス(約31グラム)=35ドルに固定し、この比率を保証することでドルの流通と価値の維持に繋げました。日本でも1ドル=360円という固定相場で交換されており、ニクソンショック当時、アメリカから各国にドルが大量に流出。
金とドルの交換に応じられない状況に陥りつつあったアメリカは、ドルの防衛策として交換停止せざるを得なくなったのです。
ニクソンの声明を受け、ヨーロッパ諸国がドル売りの殺到を防ぐために為替市場を閉鎖するなか、日本は東京市場を開けたままにし、ドル売りは殺到。
しかし日本経済にとって金とドルの交換停止は「円高になり輸出が減少する」という問題に繋がっていたので、「(東京市場を閉鎖しなかったのは)輸出業者を救済するためだったのではないか」と言われています。
これにより1973年にはアメリカを始め主要国のほぼ全てが、金とドルとの交換を前提とした固定相場制から変動相場制へ移行しました。
史上最大規模の株価大暴落!世界へ波及したブラックマンデー
「ブラックマンデー」とは、1987年10月19日の月曜日に、ニューヨーク証券取引所を発端に起こった史上最大規模の世界的株価の大暴落のことで、「暗黒の月曜日」ともいいます。
NYダウ平均株価の終値が前週末より508ドルも暴落し、下落率は1929年のウォール街大暴落の12.8%を上回る22.6%になりました。
平成に起きた金融危機を紹介!10年の間に起きた3つの危機
次に平成に起きた金融危機について説明します。
- 1997年(平成9年) アジア通貨危機
- 2001年(平成13年) ITバブル崩壊
- 2008年(平成20年) リーマンショック
では概要を見ていきましょう。
東アジア新興国を襲ったアジア通貨危機!2年間に渡る日本の支援
1997年7月、タイ王国の通貨であるタイバーツの暴落を皮切りに、東アジアの新興国市場※を「アジア通貨危機」と呼ばれる金融(通貨・経済)危機が襲いました。
経済が発展途上にあり、潜在的な成長力が高い国や地域の証券市場のこと。その国の経済が大きく成長・拡大すると高い利益を得られますが、海外からの資金の流入や流出、急な政権交代などにより大きく株価が変動するリスクもあります。
先進国の経済動向や金融情勢に影響を受けやすいことからみても、利益との比率はリスクのほうが高いと言えるでしょう。
日本も、金融危機に陥った国への融資の焦げ付きが多発しました。
通貨危機により東アジアの国々から外資系企業が撤退し始め、倒産する企業も現れたことで経済危機へと繋がりました。
日本も円安に拍車がかかり為替市場に大きな影響を受けましたが、日本はIMF(国際通貨基金)を中心とする国際金融機構と協調。東アジア新興国に「通貨安定を目的とした支援や経済再建を目的とした支援」、「通貨危機の予防を目的とした支援」を行いました。
2001年ITバブル崩壊!ITベンチャー企業の隆盛と突然の衰退
2001年頃からアメリカのITバブルが崩壊し、景気が急速に後退した一連の出来事のこと。ITバブル崩壊を受け、日本では2002年1月まで景気が後退しました。
1990年代、アメリカや日本などのIT企業への期待と、急速に起きた株高によってもたらされたITバブル。マイクロソフトを始め、AppleやGoogleなどは今では誰もが知る大企業ですが、当時のITバブルに飛びついたベンチャービジネスの全てに成功があったわけではありません。
大手投資会社が経営破綻!株価暴落が世界に連鎖したリーマンショック
2007年のサブプライムローン問題※を発端に、2008年9月に大手投資会社のリーマン・ブラザーズが経営破綻。それを受け市場株価が連鎖的に暴落し、世界的な金融危機の引き金となった出来事です。
アメリカのサブプライムローンにより膨れ上がった住宅バブルの崩壊による、一連の金融危機のこと。
2000年頃からアメリカには住宅ブームが起き、サブプライムローンを提供することで低所得者でもローンで家を購入できるようになっていました。しかしローンが焦げ付き、関連債券を保有していた投資家たちが損失を恐れ、売り注文を出し始めたのです。
その影響を受け、リーマン・ブラザーズの負債は膨れ上がり、経営破綻。
破綻の兆候に気づけなかった投資家たちはリスクを回避することができず、大きな損失へと繋がりました。
リスクも含めて自分でよく吟味した上でブームに乗れれば、大きく儲けられることもあるんだぞ!
日本を襲った2つの金融危機!日本バブル崩壊とライブドアショック
日本で起きた2つの金融危機についても見ていきましょう。
- 1991年 日本バブル崩壊
- 2006年 ライブドアショック
日本経済を震撼させたバブル崩壊とライブドアショックの概要を、それぞれ紹介します。
1991年から始まった日本バブル崩壊!膨れ上がったバブルが弾けた
1991年に始まったバブル経済の破綻とそれによる景気の急速な後退のことを、バブル崩壊といいます。
1985年のプラザ合意以降、日本経済は円高不況に。打開策として日本銀行は公定歩合※を引き下げ、金融緩和を長期的に行いました。
民間の金融機関が中央銀行にお金を借りるときに適用される金利のこと。現在の名称は「基準割引率および基準貸付利率」。
それにより景気拡大をもたらしましたが、同時に土地や株式への投機が増え、バブルが発生したと言われています。
しかし不動産や株価の終わりの見えない高騰に歯止めをかけるため、日銀は数回にわけて公定歩合を引き上げました。
日銀の急激な金融引き締めと、大蔵省による土地関連の融資に対する抑制についての通達をきっかけに、バブルは崩壊したのです。
世間の注目の的になったライブドアショック!青ざめる投資家たち
2006年1月16日に証券取引法違反の容疑で東京地検特捜部がライブドアに対し、強制捜査を行ったことを受け、翌日17日から株式市場の暴落が始まりました。
2005年の夏以降、円安により輸出業者の企業業績が好調になったことで株価が上昇し始め、市場はバブル景気を彷彿とさせる賑わいをみせました。そして「買えば必ず儲かる」という盲信で急増した新規の個人投資家たちにより、市場はさらに過熱。
なかでも1株数百円程度と手を出しやすかった、ライブドアの株を目当てに投資を始めた人も多くいました。
そんななか有価証券報告書の虚偽記載、偽計・風説の流布による証券取引法違反の容疑で、地検特捜部が強制捜査に入り、当時投資家に限らずかなりの注目を集めていたライブドアは、社会に大きな衝撃を与えたのです。
これにより株価が暴落し、ライブドア株の保有者はかなりの打撃を受けました。また株価の暴落はライブドア株だけの問題に収まらず市場全体に広がり、ほかの株の保有者にも影響が出たのです。
しかしライブドアへの強制捜査を受け、マネックス証券はライブドア関連株の信用担保能力の評価をゼロにした。
それにより追証が発生し、資金がゼロになるどころか追加保証金を支払わなければならなくなったんだ!
金融危機に打つ手はあるのか?資産を守るために今すべきこと!
このように、経済危機や金融ショックと呼ばれるものは「ある日突然起きるもの」です。
いざその時が来てから、「シマッタ!」と頭を抱えても遅いんです。
常に自分の保有資産が暴落するかもしれない危機感を持ち、どう対処すべきかを日ごろから模索しておきましょう。
株価が暴落しているときに「ひと稼ぎ」できる方法が、空売り※です。
信用売りとも呼ばれ、証券会社から借りた株を売ることです。詳しくは「信用買い、空売りとは?株初心者向け信用取引の基礎知識」で紹介しています。
「信用取引って、なんだかコワイなあ・・・」とか「信用取引なんて俺にはカンケーないね!」などと、信用取引口座を開設してさえいない人もいるのではないでしょうか。
しかし信用取引口座は「いざというときすぐに利用できるようにしておく」ことが大切です。
信用取引で空売りするメリットはたくさんあります。
- 株価が暴落しているとき短期で大儲けできる
- 両建てすると保有証券の損失を限定的にできる
- 優待つなぎ売りに利用できる
自分の持っている銘柄の株価が暴落しているとき、保有株と同数の空売りを入れれば、それ以上の損失が拡大するリスクを防ぐことができます。
この方法は権利確定日が終わった後、含み損を抱えないように株主優待をゲットする方法(優待つなぎ売り)としても利用できるんですよ。
優待つなぎ売りについて詳しくは「優待つなぎ売りでリスクを回避!株主優待をお得にもらう方法」をチェックしてみてくださいね。
もっとアグレッシブに空売りを利用して、実際にリーマンショックが起きたとき大儲けをした、という大変な猛者がいたことをもちろん忘れてはいけません。
ぜひ信用取引をもっと活用し、トレードのバリエーションを広げてみてはいかがでしょうか。
恐ろしかった株の暴落が「楽しみ」に変わるかもしれませんよ。
空売りなら松井証券がおすすめ!
信用取引をするなら、おすすめは松井証券です。
松井証券は、信用取引のサービスが充実している証券会社なんですよ。
- 一日信用取引は手数料が無料
- プレミアム空売りが利用できる
- 無期限信用取引で逆日歩の心配ナシ
デイトレーダー向けのサービスですが、マーケット全体が下がっているときは、普段長期投資をする人もデイトレードにチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。
「プレミアム空売り」というのは松井証券独自のサービスです。通常は信用取引できない新興銘柄も、プレミアム空売りを利用すれば空売りできるんですよ。
また「投機的な空売りをしたくない」という人におすすめなのが、「無期限信用取引」です。
無期限信用取引なら通常の弁済期限(6か月)が実質無期限になるので、信用取引が長期で行えるという画期的なサービス。なんと信用取引で最も恐れられている「逆日歩(ぎゃくひぶ)の心配がないんです。
このように松井証券の信用取引は魅力がいっぱい。
松井証券の口座を持っていない人は、ぜひこちらから証券口座と信用取引口座の開設をし、空売りにチャレンジしてみてくださいね。
過去に世界で起きた金融危機を知って中国バブル崩壊に備えよう!
中国は世界第2位の経済大国。バブル崩壊し中国の経済活動が減退するということは、世界経済自体が減退するということ。そうなると、どんな株でも多かれ少なかれ影響を受けてしまうでしょう。
そんな危機を乗り越えるためには、今から対策を打っておく必要があります。
まず中国で事業を展開することで業績を伸ばしている企業など、中国の成長に依存している銘柄の保有を避けること。また中国の個人投資家は日本のマンションも購入してる場合があるので、国内の不動産価格にも注意しておきましょう。
投資をするなら日本のことだけでなく、世界の情勢をよく知ることが必要だ!