分散投資とは、リスクを分散させる投資手法のこと。
先人が残した「卵はひとつのカゴに盛るな」という格言が有名ですね。
これを投資に置き換えると、「ひとつの資産に集中投資せず、リスクを分散させろ」という意味だ。
分散投資は多くの投資家が実践する、投資で損失を増やさないために有効的な投資手法です。
世界的に有名なアメリカの投資家「ウォーレン・バフェット氏」も、著書で分散投資の大切さを語っています。
この記事では分散投資の方法や種類、メリット・デメリットについて紹介するので参考にしてくださいね。
分散投資とは?リスクを分散させる投資手法の定石
分散投資とは、さまざまなリスクを軽減させる投資手法のことです。投資に伴うリスクにはどのような種類があるのか、確認していきましょう。
投資するうえで、発生するリスクは次の4つです。
価格変動 リスク |
資産購入時の価格より、売却時の価格が下がるリスク |
---|---|
為替変動 リスク |
為替が変動することで、為替差損を生むリスク |
信用リスク | 国・企業の経営悪化により、有価証券の価格が下落するリスク |
カントリーリスク | 国の情勢や政策、天災によって資産の価値が減るリスク |
次の章で詳しい解説をするから、しっかり確認してくれ。
分散投資にはどんな種類がある?事例や図を使って紹介!
分散投資の種類は、大きく分けると次の3つです。
種類 | 概要 |
---|---|
資産の分散 | 株、債券、不動産など、複数の資産に投資する |
地域の分散 | 日本株、米国株など、複数の国の資産に投資する |
時間の分散 | 投資タイミングを複数回に分ける |
それぞれ事例や図を用いて、詳しく紹介するので参考にしてください。
【分散投資の種類その1】資産(アセットクラス)の分散
「資産の分散」はひとつの資産に資金を集中させず、複数の資産に分散して投資する手法です。主に価格変動リスクや信用リスクの軽減が可能。
また、値動きやリスクの特性が同じ資産のグループのことを、「アセットクラス」といいます。
たとえば株なら「国内株式・海外株式」、債券なら「国債・公社債」と分けられたグループがアセットクラスです。
「資産の分散」では、各アセットクラスへの資金配分が重要なポイント。
だが複数のアセットクラスに分散する場合と比べて、リスク軽減の効果は薄れてしまうだろう。
もし日経平均を大きく下げる材料があった場合、銘柄A・銘柄Bどちらの株価も下落する可能性があります。
債券や不動産にも分散投資していれば、日経平均がどう変動しても損失に直結しません。
こうした価格変動リスクを軽減するなら、複数のアセットクラスに投資することを心がけましょう。
【分散投資の種類その2】地域の分散
異なる地域(国)に資産を分散させることで、主に為替変動リスクやカントリーリスクを軽減することができます。
急激な為替変動や、投資先の国が情勢悪化になっても、地域の分散をしておけば損失を最小限に抑えられるんです。
アメリカなどの先進国だけでなく、インドや中国などの新興国へ投資するのもオススメです。新興国は急激に経済成長する可能性が高いため、リターンアップも見込めますよ。
リスクパリティ戦略※という手法を使うといいぞ。
ポートフォリオ全体における、各資産のリスク割合が均等になるように保有する投資戦略のことです。
リスクパリティ戦略はリーマンショック後に普及し、個人投資家から機関投資家まで幅広く利用されています。
アセットクラスと地域の分散を行い、各資産のリスク率を元に資金配分を決めることで、リターンも安定させることが可能です。
ハイリスクな資産への資金配分は少なく、ローリスクな資産への資金配分を多くすることで、リスクを均等にできるのです。
リスクパリティ戦略によって損失が少なくなれば、リターンもしっかり安定してきますよ。
【分散投資の種類その3】時間の分散
「時間の分散」では、投資タイミングを分けることでリスクを分散させます。
だが「時間の分散」は、投資タイミングの判断が極めて難しい。初心者の場合、ドルコスト平均法※という手法を使うのがオススメだ。
一定の金額で、定期的に投資資産を購入していく投資手法のこと。
投資タイミングを固定するので、高値で買いすぎたり、安値で買い損ねるリスクが軽減されます。
ドルコスト平均法は、平均購入単価を引き下げる効果も発揮。
次の図は、ドルコスト平均法による効果事例です。
毎月一定株数を購入するより、一定額購入したほうが平均購入単価が下がります。
また毎月購入する日付を決めておけば、投資タイミングで迷わないため精神的にも優しい手法です。
時間を分散させるうえで、ドルコスト平均法は非常に効果的なので、ぜひ実践してみてください。
分散投資のデメリットも理解して正しいリスク分散を
分散投資には、リスクを軽減できるメリットがあります。このメリットを最大限活かすには、分散投資のデメリットもしっかり理解しておきましょう。
分散投資のデメリットは次のとおりです。
- 複数資産の管理が難しい
- 資産を分散するため、短期間ではリターンを出しにくい
分散投資は効果的ですが、資産を分散しすぎると管理が難しくなります。
またリスクだけでなくリターンまで分散されてしまうので、5年~10年以上運用しないとまとまった利益を出しにくいのも難点。
自分で分散投資するなら資産は5つまでに絞り、長期投資する前提で行いましょう。
投資信託とは自分の投資を、プロの投資家が代行する金融商品のこと。商品を購入するだけで、プロの投資家が複数資産に分散投資してくれるのです。
さらに毎月100円から積み立て可能な商品もありますよ。
また投資信託は資金を積み立てて資産を増やす特性があるため、ドルコスト平均法との相性も抜群です。
投資信託の仕組みや始め方については、次の記事を参考にしてください。
分散投資を徹底し、低リスクで資産を増やそう!
「資産」「地域」「時間」を分散させることで、低リスクな運用ができます。
投資初心者の場合、リスクパリティ戦略やドルコスト平均法を活用して効果的な分散投資を目指しましょう。
分散投資にはリスクを分散させるメリットがありますが、リターンまで分散してしまうデメリットも。
また投資資産が増えるほど資産管理に手間がかかるため、資産を増やしすぎるのも禁物です。
資産管理などの手間無しで分散投資したいなら、投資信託がオススメ。購入後ポートフォリオの再構築などを管理する必要がなく、放っておいても分散投資ができる商品が多数ありますよ。
分散投資を実践し、低リスクで利益を増やしてくださいね。