いよいよ実用フェーズに入ったとされるAI/ディープラーニング。

だが、日本での活用はいまだスタート段階にあり、残念ながら普及が進んでいるとは言い難い。

GPUによってAI/ディープラーニングの進化を加速し、数多くの企業を支援しているNVIDIA(エヌビディア)は、「日本企業の成長のカギはAI活用」だと強く語る。

本稿ではAIの隆盛とともに歩むGPUの進化を紐解きつつ、AI/ディープラーニング活用における課題とあるべき成長戦略を探っていこう。

身近なところで活用が進むAI/ディープラーニング

エヌビディア エンタープライズ事業部 事業部長 井﨑武士氏

AI/ディープラーニングという言葉を耳にすることが多くなった昨今、我々は知らず知らずのうちにAI技術の進化に触れている。

わかりやすい例としては、画像認識技術を活用したスマートフォンアプリや、音声認識技術を活用したスマートスピーカーの登場だ。

エヌビディア エンタープライズ事業部 事業部長 井﨑武士氏によると、とくにいまホットな話題は、コールセンターなどで自然な対話をするためのAI技術だという。

「顧客の声を認識する技術、声をテキストにしてすばやく検索する技術、音声を合成して人間のような声を出す技術など、さまざまなシーンでディープラーニングが使われています。

顧客がコンタクトセンターに電話すると、相手の要望を聞き取り、適切な回答を返すのですが、情報の検索にあえて時間をかけたり、発言に対して相槌をうったりと、まるで人のように会話します。

ほとんどの人は相手が機械であることに気づかないでしょう」(井﨑氏)