アドビ システムズは6月19日、ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)が「Adobe Experience Cloud」のWebコンテンツ管理ソリューション「Adobe Experience Manager」を採用したと発表した。

大手半導体専業メーカーであるルネサスの顧客は、一般消費者ではなく、自動車車両・部品メーカーや家電メーカーなどであるため、対面による営業活動が重視される。しかし、顧客の購買行動の変化に伴い、BtoBの分野においても顧客は営業担当者に連絡する前にWebサイトでさまざまな製品について調査する傾向にある。同社では、こうした変化に対応するために、Webサイトのリニューアルが急務だと考えられていた。

ルネサスは、メインとなるグローバルサイトのほか、9つの地域(日本、米国、欧州、中国、韓国、台湾、シンガポール、インド、ブラジル)・6言語でリージョンサイトを展開する。製品ベースでコンテンツを持つため、1サイトにつき約4,500ファイル、ドキュメントは約4~5万件を管理しなければならず、コンテンツの追加・更新時の負荷をいかに低減するかが大きな課題でもあった。

Webサイトのリニューアルに際し、リージョンごとに異なるコンテンツを効率良く管理でき、かつ多言語に対応するツールを比較検討した結果、Adobe Experience Managerを採用。2016年5月末に導入した。選定に当たっては、サイト全体の一貫性を保ちながら地域に応じたカスタマイズができる「マルチサイト管理機能」が高く評価された。また、先行して導入済みの分析ツール「Adobe Analytics」やA/Bテスト・パーソナライゼーションソリューション「Adobe Target」との親和性の高さ、製品情報を管理するサードパーティ製品との連携が可能な点などが決め手になったという。

Adobe Experience Managerの導入により、サイト運営の業務効率を高めると共に、Adobe AnalyticsやAdobe Targetとの連携によって適切なターゲットに最適なタイミングでコンテンツを提供できるようになったほか、ドキュメントのダウンロード数・問い合わせ数・サンプル要求数で測定しているコンバージョンが従来の約1.5倍に増加したとしている。