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富士通が自動車メーカー向けにモビリティデータを仮想的に統合管理する基盤を発表

[2021/04/16 09:00]岩井 健太 ブックマーク ブックマーク

管理・通信コストを削減を可能とする「Digital Twin Collector」

続いて、富士通 Mobility事業本部 FM アクセラレータ事業部 マネージャーの雨宮宏一郎氏が新サービスについて説明した。

富士通 Mobility事業本部 FM アクセラレータ事業部 マネージャーの雨宮宏一郎氏

富士通 Mobility事業本部 FM アクセラレータ事業部 マネージャーの雨宮宏一郎氏

同氏は「昨今ではコネクテッドカーやドライブレコーダーが急速に普及し、今後も拡大していくことが見込まれており、車両のメンテンナスや事故解析、交通情報など、多様なモビリティサービスに活用される。しかし、活用が広がるほどデータは大きくなり、コストの増大が想定されている」との認識を示す。

このような状況下において同社では新サービスを開発し、雨宮氏は「数万~数十万にのぼる車載器などモビリティデバイスにあるデータを仮想的に統合管理する基盤であり、データの収集や蓄積に伴う管理・通信コストを削減できる」とアピールする。

具体的には、モビリティデバイスで記録した映像などの大量のデータをクラウドで保持せず、軽量なメタデータのみを管理することで、分散するデータを仮想的に統合。これにより、自動車メーカーや損害保険会社などは必要なデータのみにアクセスすることが可能となり、クラウドのデータ容量や通信量を低減し、従来比50%のコスト削減を可能としている。

同氏は「車両からメタデータをリアルタイムに送信し、メタデータからデータを検索することでサービスに必要なデータだけを複製・提供できる」と説明し、主な特徴として「トラフィックスケジューラ機能」と「データカバレッジ制御機能」の2点を挙げている。

「Digital Twin Collector」の概要

「Digital Twin Collector」の概要

トラフィックスケジューラ機能は事故発生などにより、自車および周辺の自動車から一斉に映像データを収集する必要がある場合、各モビリティデバイスにアクセスしデータを複製するときにクラウド側の負荷が急増し輻輳が発生し、データの供給が遅延してデータアクセシビリティが低下する可能性があることから、モビリティデバイスからのデータ複製要求をコントロールすることで、大量通信を抑制。これにより、安定的なデータアクセスを実現するという。

トラフィックスケジューラ機能の概要

トラフィックスケジューラ機能の概要

また、データカバレッジ制御機能については、自動運転用学習データは取得時のデータに偏りがあるとサービス品質に影響が生じる可能性があるため、大量のモビリティデバイスに対するデータアクセスと取得状況を横断的に分析し、時刻、場所、画角が同一の映像データなど類似データの複製抑止と取得データの網羅性を両立する。これにより、データを使った分析や実現するサービスの品質安定化に貢献するとしている。

データカバレッジ制御機能

データカバレッジ制御機能

計5種類のサービスを用意

ユースケースは「事故状況・車両故障解析」「道路管理業務の高度化」「地図作成用データ取得」の3つを紹介した。事故状況・車両故障解析は、事故発生を検出した際、発生場所や時刻を指定するだけで当該車両に加え、周辺車両の事故発生前後に渡る映像を自動的に取得することができ、損害保険会社は多角的な視点から事故対応が可能な自動車保険サービスを提供できるという。

「事故状況・車両故障解析」の概要

「事故状況・車両故障解析」の概要

道路管理業務の高度化に関しては、車両挙動をもとに渋滞や事故、障害物の落下、悪天候など道路上で発生している事象に関連する映像をリアルタイムに取得できるため、道路管理運営会社は詳細な状況をタイムリーに確認し、きめ細かな交通管制サービスの提供が可能。地図作成用データ取得は、自動運転システム向けの高精度地図を一般車両の映像データを活用して作成する。

なお、サービス構成はモビリティデバイスに分散するデータを仮想的に統合し管理する基本サービスに加えて、要望に合わせて要求仕様を整理する要件定義支援サービス、利用環境を構築するセットアップサービス、サポートサービス、カスタマイズサービスの計5種を提供し、クラウド環境は現状ではAmazon Web Services(AWS)のみ。

システム全体のイメージ

システム全体のイメージ

価格は基本サービスが月額費用が2円~/台(10万台から契約可能、従量費用:0.2円/1データアクセス)、要件定義支援サービスが個別見積もり(一括費用)、カスタマイズサービスは個別見積もり(同)、セットアップサービスが個別見積もりで150万円~、サポートサービスは個別見積もり(月額)となる。

提供形態の概要

提供形態の概要

最後に雨宮氏は「Digital Twin UtilizerとDigital Twin Analyzerと組み合わせて、さまざまな事業者に対してモビリティサービスを提供していく」と意気込みを語っていた。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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