10月26日に開催された「Dell EMC Forum Tokyo 2017」ではワークスタイル変革にフォーカスしたセッションも行われた。

デル クラウドクライアント-コンピューティング事業本部の本部長、鈴木 真氏による「ワークスタイル変革とデジタルトランスフォーメーションの推進 ~働き方改革と最高レベルのセキュリティをVDIで同時に実現~」と題する講演では、デスクトップ仮想化を用いたワークスタイル変革における課題に対し、デルが提案する新しい解決策について事例を交えて解説がなされた。

デル クラウドクライアント-コンピューティング事業本部 本部長の鈴木 真氏

VDI活用の働き方改革にまつわる課題とは

少子高齢化が進み、多くの企業では若く優秀な人材の確保に悩んでいる。そうしたなか、働き方改革の取り組みは、優秀な人材を社内につなぎ止める効果を期待できると同時に、生産性向上にも寄与するものとなる。

しかし一方で、セキュリティをいかに確保するかが大きな課題となってくる。在宅ワークをはじめオフィス外で仕事を行うことで、ビジネスに関わるデータが流出してしまうリスクは大幅に高まってくるからである。

鈴木氏は言う。「複雑なIT環境では、エンドユーザーのセキュリティ環境の有効性が高まるほど、生産性が向上してくる。そのためIT部門がいかにセキュリティを担保することができるかどうかが、従業員そして企業全体の生産性を高めるための鍵を握ることになる」

つまりIT部門には、セキュリティ/コンプライアンスの確立とワークスタイル変革による生産性向上という課題を同時に解決する使命が課せられているのである。

太陽生命保険は課題を一気に解決

ここで鈴木氏は、VDIを活用した働き方改革とセキュリティの確保の双方を実現した、太陽生命保険の事例を紹介した。

かつて同社では、情報セキュリティ対策向上のため2012年に導入したVDIシステムの更新や、いかに生産性の低い作業を減らし、価値ある成果やアイディアを創出するか、そして更なるペーパーレス化を進めるかといった課題を抱えていた。

そこで同社は、17拠点に約1700台のデル製シンクライアントを導入し、Wyse ThinOSの採用によってエンドポイントセキュリティを確保した。その結果、社内無線LAN、VDIおよびシンクライアントからなる、セキュアでシンプルな職場環境を提供するとともに、VDIによってデータを一元管理し、どこからでもアクセス可能な環境を整えたのである。

「データを一元管理してセキュリティを確保しつつ、エンドユーザーが利用しやすい環境を実現できた好例だと言えるだろう」