新型コロナウイルスの感染拡大は、BtoBビジネスにも大きな影響を与えた。営業スタイルやマーケティングの在り方は転換期を迎え、「インサイドセールス」と「カスタマーサクセス」の重要度が増してきている。この2つの役割がなぜ今、注目されるのか。そしてこれらを有効に機能させるポイントは何だろうか。

1月19日に開催されたマイナビニューススペシャルセミナー「BtoBマーケティングDay Withコロナによって変容した営業シナリオ」で、パラレルマーケターの小島英揮氏を聞き手役に、それぞれのスペシャリストであるビズリーチ HRMOS事業部 インサイドセールス部 部長/BizReach 創業者ファンド パートナー 茂野明彦氏、colong 代表取締役/チームボックス新規事業責任者 岡田奈津子氏が解説した。

対談 小島氏

左から、colong 岡田奈津子氏、ビズリーチ 茂野明彦氏

パラレルマーケター/Still Day One 代表社員 小島英揮氏

「製品中心」から「顧客中心」へのパラダイムシフト

小島氏によると、インサイドセールス(IS)とカスタマーサクセス(CS)への注目度は特にIT分野で高く、売上ランキング上位に位置するSaaS上場企業の多くがすでにIS/CSを導入しているという。しかし、IS/CSが求められるのはIT分野に限った話ではない。岡田氏は、「お客さまとの継続性が求められるビジネスや、データを基にしたビジネスを手掛けるどんな企業にも必要」と、IS/CSを取り入れることで分野を問わずビジネスをより加速できるという考えを示す。続けて茂野氏も、「知っている限りでは、業績好調な組織にはISのチームがある」と、その重要性を強調する。

IS/CS導入の流れが起こっている背景には、製品中心(Product Centric)から顧客中心(Customer Centric)へのパラダイムシフトがある。BtoBビジネスの領域でも、”主語”となるものが「モノやサービス」から「お客さま」へと移りつつあるのだ。

顧客中心へ

インターネットで情報を得ることが当たり前になった現在では、モノやサービスを探して問い合わせの連絡を入れる段階で、購入の意思はほぼ決まっていると言ってもよい。「モノやサービスを売り込む」のではなく、「顧客に見つけてもらう」ことに重きを置かなければならない。

こうした状況では、なるべく早い段階で顧客との接点を作り出すことが大切である一方、それに伴い購買プロセスが長期化するため、顧客との継続的な情報共有やタイミングを考慮した営業活動が求められる。