想像力を駆使せよ! AIを導入するなら知っておくべき知識とスキル

[2020/05/19 09:00]周藤瞳美 ブックマーク ブックマーク

AI開発に必要なのは、課題の捉え方を変える発想力

「優秀なエンジニアさえいれば、AIを開発できるのでは」と考える人もいるかもしれない。だが、実際にAIを開発するにあたっては、まず初めに解決すべき課題を発見する必要がある。大西氏は「AIを開発するために重要なのは、解決したい課題に対して深い知識/経験を持っている人と、エンジニアとが手を取り合って開発していくこと」だと強調する。

先に説明した通り、AIは何でもできるわけではない。ある作業の工程が6段階に分かれているのであれば、最初の仕事はAI化するべき工程を探すことだ。例えば4と5の工程が良さそうだとなればそこをAI化し、その前後に当たる3と6の工程との繋がりも考える必要がある。

最初の仕事はAI化すべき工程を探すこと

どの工程をAI化すればよいか考えるにあたっては、「分類」「未来予測」「クラス分け」というAIが得意な3つの作業を思い出してほしい。特に、機械学習が得意なことの1つであり、最もよく使われるものが分類だ。「各工程のなかに、分類で解決できるものが隠されていないかをまずは探してみてほしい」と大西氏は呼びかける。自身も、そうした発想でAIによって解決できる課題を見つけ出しているのだという。

大西氏は具体例として、カラオケ用の動画作成作業を挙げた。歌詞の雰囲気に合わせて短い動画を繋ぎ合わせ、1本の映像とするこの作業を人手でやろうとすると、動画の選定に時間がかかってしまう上、選んだ動画が最適だったのかどうかがわからないという問題が発生する。

AIの導入によってこの課題を解決する場合、大西氏がまず最初にやるべきこととして挙げたのは、各工程を書き出し、作業を細分化していくこと。この例では、「1.歌詞を分割する」「2.分割された各歌詞を読む」「3.歌詞のフレーズに合う動画を探す」「4.元の歌詞の順番に動画を並べる」と分けられるが、分類で解決できるのはこのうち3の工程となる。

「『シチュエーションごとに動画が準備されていて、それを歌詞のフレーズに合わせて選んでいく』という作業を、見方を変えて『ある特定の動画にフレーズを分類していく』作業だと考えれば、AIで解ける問題であるということがわかります。導入すべきは、歌詞のフレーズを入力したら、特定の動画に分類するAIということになるでしょう」(大西氏)

このように一見、分類とは思えないものでも、見方を変えれば分類に該当するものはたくさんある。さまざまな角度から物事を見る練習をすることは、AIを使っていく上で非常に大切だと大西氏は繰り返す。講演ではカラオケ用の動画作成の例のほかにも、メガネが似合うかどうかを顔画像から判断するAIや、マグロの尾切検品に活用されたAIの事例などが紹介され、参加者は作業工程を細分化してAI化できる部分を探るプロセスに思いを巡らせた。

大西氏は、「AIの活用にあたっては、課題の捉え方を変える”発想力”が必要となる。そして、発想力を鍛えるためには、今回紹介した事例のようにいろいろな想像をしてみることが重要」だとアドバイスする。実際、大西氏自身もAI関連のニュースを目にした際は「どんなデータを使ってどのように解決したのだろうか」「もし自分が開発を任されたら」と想像するようにしているという。AIの使いどころに頭を悩ませている方はぜひ、この講演を参考にAI活用に取り組んでみてほしい。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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