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DMM.comが買収したAI企業・AlgoAgeの戦略から見る、AIビジネスの将来像

[2020/05/11 09:00]周藤瞳美 ブックマーク ブックマーク

ゲーム、メディア、土木・建築……AlgoAgeが着目する領域

DMM.comとの提携の一環としてAlgoAgeは、まずはゲーム事業である「DMM GAMES」とのプロジェクトを開始している。

「ゲームにおいて、機械学習と相性の良い課題・ソリューションはいくつかあると考えています。

例えば、初期ユーザーがゲームをどう攻略すればいいかわからないために離脱してしまうケースには、ゲームの習熟をサポートするAI機能などをソリューションとして考えています。具体的には、ゲームを習熟しているユーザーの戦略をAIが学習し、初心者ユーザーに対して教えていく、といった機能です。

そのほか、ゲームにキャラなどの新しい要素を入れた際のゲームバランス調整にコストがかかっているケースに対しては、強化学習を用いて新しいキャラのプレイ方法を学習し、自動で勝率やゲームバランスをチェックするソリューションが考えられます。これによって、バランスチェックの工数を下げながら、ユーザーが一番面白いと感じる難易度を実現できます」(大野氏)

また、AlgoAgeが強みを持つ技術の1つに、レコメンデーションがある。これを、DMMのグループ企業が提供するアプリサービスなどに転用できないか、といったグループ内での連携も検討されている。これに限らず、コンテンツのレコメンデーションに関してAlgoAgeは多くの知見と経験を持っているため、今後はゲームやメディアなどを中心に機械学習技術が求められる領域を引き続き探っていきたい考えだ。

さらにAlgoAgeとしては、建築/土木分野にも注目。その理由として、安田氏は「ネットワーク環境が整備されていなかったためにこれまでソフトウエアテクノロジーの導入が難しかった側面もある業界ですが、5Gの登場によりデジタル化推進の流れがあるなか、今後さまざまなデータが取得できるようになってくると思います。視覚情報で判断することが多いという建築や土木領域の特徴も相まって、AIが活用できる可能性は非常に大きい業界であると言えます」と説明する。

この先、AIはどう進化していく?

AIはこれからどう進化し、私たちの生活をどう変えていくか——最後にAlgoAgeの2人の予想を聞いてみた。

「機械学習の国際会議NIPS2019でベンジオ先生(モントリオール大学教授のヨシュア・ベンジオ氏)が言っていたことですが、現在ディープラーニングが得意なのは、人間の直観的かつ無意識な思考ですが、いずれはより論理的な考えを要する思考まで身に付けられるのではと思っています。心理学、行動経済学の分野では、前者をシステム1、後者をシステム2と呼んでいます。

直観的かつ無意識な思考とは、画像を見て、画像に写っているものを判断したり、人間が考える努力をせずにできることです。現時点のシステム1のディープラーニングを活用していくためには、AIが行うタスクのスコープを明確に定義し、事業のバリューチェーンのなかにうまく組み込んでいくことが重要です。今のAI普及のハードルはそこにあり、技術理解から事業戦略まで通しで設計できる力が必要になっていきます。いつになるかはわかりませんが、システム2が技術的に可能になってくると、そこのハードルが下がってくるのではないか、と考えています」(大野氏)

「AIを活用したデジタルトランスフォーメーションが当たり前になる時代は必ず来ると思います。すでに私たちの生産活動においては、テクノロジーは欠かせない存在になっています。特に新型コロナウイルス感染拡大に伴い在宅ワークが推奨されている現在の状況では、もはやテクノロジーがなければ業務を行うことは不可能に近いです。今後、AIをはじめとするテクノロジーの活用事例は加速度的に増えていくものと考えています」(安田氏)

AIの活用可能性は、技術の発展やさまざまなAI企業の登場とともに今後各業界で高まっていくだろう。そのとき、AlgoAgeはどこにポジションを据えて事業を展開しているのか。今後も彼らの動向に注目だ。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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