金融データの可視化は人に何をもたらすか? - マネーフォワードの取り組み

[2020/01/24 10:00]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

去る12月13日、「マイナビニュースフォーラム 2019 Winter for データ活用」が都内にて開催された。9つ用意されたKeynoteの1つには「金融データが行動を変える」と題し、マネーフォワード 取締役執行役員 マネーフォワード Fintech 研究所長 瀧俊雄氏が登壇。同社が「行動変容」に対してどのように金融データを活用しているか、その取り組みについて紹介した。

人間の行動を変えるのは難しい?

登壇した瀧氏は講演の冒頭、「金融データによって人間の行動はどう変わるのかが、本日の講演のテーマです。マネーフォワードが目指しているのは『お金と前向きに向き合い、可能性を広げること』。これは、お金によって認識や人のあり方を変えることであり、マネーフォワードという会社の存在理由でもあります」と説明した。

同氏はもともと野村證券出身であり、「人間を使ってお金の動きを促す」ことに取り組んできた。対してマネーフォワードはデジタル領域で事業を行っており、結論として「人間の行動を変えることは大変難しいと感じている」という。

「朝起きたときに『自分が死ぬリスク』をネットで検索する人はほとんどいません。自分が楽しいと感じないこと、ネガティブなことをネットで見ようする人は驚くほど少ないのです。そして、お金というのはネガティブなもので、能動的に人間が開いてくれないタイプのデータです。そこに難しさがあります。とはいえ、人間はずっとポジティブなわけではなく、真面目になったり、弱気になったりします。私達はそのモーメントを逃さないようにサービスを提供していこうとしています」(瀧氏)

マネーフォワード 取締役執行役員 マネーフォワード Fintech 研究所長 瀧俊雄氏

マネーフォワードのビジョンは「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」こと。オープンかつ公正な「お金のプラットフォーム」を構築すること、本質的なサービスを提供することにより、個人のお金の悩みや不安を解消し、事業者の業務を効率化して経営改善に貢献することを目指しているという。

「モヤッとした不安」を可視化する

一般に「不安」というのは、何となく「良くないことが起こりそう」という感覚のことだ。お金に対する不安も例外ではなく、その実態は漠然としている。例えば、内閣府の世論調査では、若い人ほどお金に対する不安が大きい。一方で、収入が安定してくる年配の層になると、お金ではなく、自分の健康が不安要素になる。

結婚の障害になるのも漠然とした不安だ。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、結婚の障害になるのはお金(結婚資金)、住居、職業や仕事上の問題が上位を占める。さらに、2人、3人目の子供を産まない理由もお金(育児にかかる費用や教育費)だ。

瀧氏はそうした不安に関するいくつかの調査結果を示しながら、Fintechに代表されるような金融関係のテクノロジーが悩みや不安の解消に役立つと説いた。

「Fintechの力の1つは、モヤッとした不安を可視化して数値化することです。これはとても価値があることです。マネーフォワードも、お金に関する不安を抱く人に対して『これだけ始めれば、(不安に打ち勝つ)”体力”をつけることができますよ』というサービスを提供しようとしています」(瀧氏)

瀧氏は、わかりやすい例として「GAFAM銀行」を挙げた。もしGoogle/Amazon/Facebook/Apple/Microsoftなどの巨大ITプラットフォームが銀行を作った場合、手数料はほとんどのサービスで無料になり、位置情報や購買情報などさまざまなデータを駆使して、自分にとって本当に必要な金融商品だけを教えてくれたり、AIを駆使して貯蓄アドバイスをしてくれたりするかもしれない。

「銀行や保険会社が、個人の人生のリスクをすべて負い、『あなたを幸せにする』とコミットできるとすれば、金融サービスの究極的な姿になるでしょう。自分の生活の保全が図られていて、生きがいもしっかり得られて、最後までお金の心配をしないで済む。そのようなシステムが存在しているかどうかが重要です」(瀧氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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