"鍵"はデータ活用! デジタル事業基盤の構築でDXに挑む日立物流

[2019/10/01 14:40]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

日立物流のMDMソリューション選定 - 重視した4つのポイントは?

そして2018年秋、日立物流におけるデジタル事業基盤構築プロジェクトがスタートした。それまでの試みから、同社はデータ基盤構築にはパッケージ製品が必要だと判断したのである。まず机上での製品選定を実施したが、候補に挙がった各製品は機能要件を満たしており、実際のイメージが今1つつかめず優劣判断が難しかったことから、トライアルやハンズオントレーニングを実施し、見えない実運用イメージも含めて判断するようにした。

製品の検証で重視したのは、以下の4点だ。

  • 容易な操作性や見栄えの高いユーザービリティ(データカタログ機能で重要)
  • データ連携/加工を短時間で実現するETLの実装生産性/運用保守性
  • データガバナンスに必要なデータマネジメント機能の運用性
  • 接続機能、ETL機能、DB管理、カタログ管理など必要な機能が統合運用可能であること

この4点を総合的に判断した結果、同社ではインフォマティカのMDM(Master Data Management)ソリューションを導入することを決定。初期導入では、データレーク、DWHなどを一元管理し、ビッグデータマネジメント機能を活用している。

「インテグレーションハブ機能、クラウド連携機能などさまざまなシステム、データリソースとの連携を高い生産性で実現しています。良い製品を選定したと思っていますが、その上で生産性には徹底的に拘っていきたいと考えています。苦労したところもありましたが、そこはインフォマティカのプロフェッショナルサポートが全て解決してくれました」(佐野氏)

今年4月にMDMソリューションを導入してから、倉庫オペレーション最適化、最適配車サービスのPoCを経て、現在は第3弾の取り組みとして顧客SCM最適化サービス(標準モデル)づくりを進めているところだという。

DX推進に必要となる人材「5つのタイプ」

全社的なDX推進の体制を整え、DXによる新しい事業展開を目指している日立物流では、DX推進に必要な人材の育成にも注力している。

「この分野はアウトソーシングしてしまうと自社の競争力とはならないので、社内での人材育成を進めているところだ」と佐野氏は強調した。

人材育成を推進するにあたっては、スキルや役割に応じて人材タイプを以下の5つのカテゴリーに分類した。

  • データコンシュルジュ:企画部門に対するデータ利活用の検討支援や要件定義を行う。業務寄りのスタンス。
  • データアーキテクト:データプラットフォームの構築/運用、データカタログの整備などを担う。
  • データアナリスト:BIツールを使ったデータの可視化や特徴/傾向を発見するとともに、ビジネス課題などをデータ分析によって洗い出し、解決策を提示する。
  • データサイエンティスト:予測モデルを構築し、高度なデータ分析を行う。
  • データスチュアード:データサイエンティストのデータ分析を受け、データガバナンスを実現する。

「現在のところ、当社にはデータサイエンティストの人材は存在せず、外部に委託しています。また、データ活用を進めていくうちにデータの信憑性が低下してデータを見なくなってしまうケースも多いと聞くので、データガバナンスをしっかりと行うデータスチュアードの人材も重要になってくるでしょう」(佐野氏)

* * *

日立物流においてデジタル事業基盤は、安全/品質/生産性向上による物流の高度化や顧客のSCM全体最適化を支援するサービス、そしてパートナーとのビジネス創出の実現を担う存在となっている。その中でMDMソリューションはデータ連携Hubの役割を担う。

佐野氏は、顧客とのロジスティクス情報活用の例として、全流通在庫の可視化と全体在庫管理や海外販社の未来在庫管理、顧客ごとの倉庫品質の標準化、金融輸送の削減による輸送コスト削減のケースを紹介。「デジタル事業基盤を使って情報共有しながら、顧客のサプライチェーンも一緒に最適化していくことを目指している。計画系とオペレーション系のシステムをデジタル事業基盤を通じてまとめることで、最適な物流をつくっていきたい」と展望を語り、講演を締めくくった。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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