個別最適が足かせに - グローバル連携に向けたプロジェクトの始動
アシックスがMDMの導入に至った背景には、グローバル展開後に生じたオペレーションの課題があった。以前はリージョン単独で開発/購買が行われていたが、グローバル展開を進めていくにあたり、個別最適だったオペレーションが足かせとなったのである。
具体的な問題としては、商品マスタを管理するシステムが多岐にわたっており、進捗状況が見えなくなっていたことが挙げられる。進捗が見えないため、商品の出荷遅延が発生するようになってしまっていたのである。
そこで同社では「商品の企画/開発」「生産/在庫」「販売」を部門の誰がいつやるのか、どういった方針を持って進めるのかを可視化。その上で、ERP、PLM、B2BのシステムをつなげるためにMDMソリューションを取り入れることにした。
このグローバルプロジェクトを開始するにあたり、まず実施した重要なポイントは、データオーナーシップをIT部門から業務部門に移管したことだ。そして、各部門に専任のマスターデータガバナンスチームをつくってもらい、それをIT部門が支えるかたちにしたのである。
また、MDMに関するガバナンスは神戸にある本社が担うものの、開発はCoEとしてオランダに設置した。
「お互いに距離も価値感も異なるが、ディスカッションを重ねながら各自の役割を決めていった。他システムのオーナーとの連携についても、eコマース、PLM、マスターデータを所管するメンバーを集めて話し合い、理解してもらった」と富永氏は振り返る。
こうして2018年末までディスカッションを重ねて体制を整えた後、MDMツールを選定。採用の決め手になったのは、PLMを含む各システムとの接続性を担保し、運用保守向上とKPI監視が可能になることや、5年、10年といった長期的なスパンでの運用保守に対する安心感、機能性/保守性が高く、各リージョンでのマスタ管理を自動化して人的ミスを低減できる点などだ。
今年初頭からスタートした導入プロジェクトは、インフォマティカの協力の下、現在もビジネスサイド、プロジェクトメンバー、アプリケーションリーダーと協働して進められている。言葉の壁などの問題から試行錯誤を繰り返しつつも、「年末のカットオーバーに向けて順調」(富永氏)だという。
富永氏は、「マスターデータというのは導入して終わりではなく、いろんなものを取り入れ、定着させていくのがチャレンジだと考えている。それができればベンダー、カスタマーと共にいろいろなことに取り組んでいきたい」と今後に向けた意気込みを見せた。
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