主婦が苦しむ「考える家事」の負担を減らす――。そんなコンセプトで提供されている株式会社10Xの献立自動作成アプリ「タベリー」が大幅アップデートを果たした。

献立に使われる食材をネットスーパーで自動購入できる機能を新たに搭載。代表取締役を務める矢本氏の視線の先には、15兆円という巨大な生鮮食品市場への参入があるという。

※ 当面はiPhone版のみ。Android版は夏頃の機能追加を目指して開発中。

10X 代表取締役の矢本 真丈氏

食材の使い回しを考慮した献立を瞬時に提案

タベリーは、パーソナライズ機能が付いた献立自動作成アプリ。主菜、副菜、汁物の献立を数タップで簡単に作成できる手軽さが特徴だ。

東日本大震災で発症したPTSD(心的外傷後ストレス障害)の療養で料理に助けられたという矢本氏の原体験と、「考える家事こそが大変」という主婦目線の課題発見がベースになって開発された。

レシピは、NHK「きょうの料理」などの提携先データを使用。20名強の料理研究家による約12,000点が収録されている。

「献立をつくる」ボタンをタップすると、好き嫌いや自作料理の振り返り評価などを踏まえて献立を提案。続けて数日分を作成していくと、食材の使い回しを考慮しながら、似た料理にならないように候補に出すなど、考慮が行き届いている。

一連の献立に必要な食材は、調味料も含めて「買い物リスト」としてリストアップされる。野菜、肉、魚など、一般的なスーパーの売場に沿うかたちでジャンル分けされるため、買物もスムーズに進められる工夫が施されている。

そのほか、献立や買い物リストを共有する機能も用意されており、家の外でも夫婦間でコミュニケーションがとれるような工夫が盛り込まれている。

タベリーの画面

食材購入をほぼ自働化 - イトーヨーカドー/楽天西友と連携

今回のアップデートでは、献立から出力された食材をネットスーパーで注文できる機能が追加された。

対応ネットスーパーは、現在のところ、イトーヨーカドーと楽天西友ネットスーパー。住所を登録すると、その地域で購入可能な店舗が表示される。初回のみネットスーパーのID/パスワード入力が求められるが、2回目以降は不要。レシピから出力された買い物リストが自動で購入候補に入る。

商品選択は、タベリーアプリ内で終えられるため、ネットスーパーでの画面遷移による待機時間を減らすことができる。もちろん商品の追加や削除、変更も可能だ。商品の候補が複数ある場合、最安値のものがデフォルト表示される。

献立から買い物リストを作成し、ネットスーパーに注文することができる

購入確認画面では、各ネットスーパーで購入した場合の合計金額や、最速お届け日時が表示されるため、どこで購入するのが最適なのか一目で判別できる。

通常、どこのスーパーへ行くかは、チラシなどを見て各商品の価格を比べながら決めるケースが多いが、「本来比べたいのは、商品単位ではなく合計金額のはず」(矢本氏)。タベリーではそれが自動で出力される。

食材購入は何日分でもまとめてできるが、矢本氏のおすすめは3日分程度。理由は、葉物野菜が傷むのが早いため。「1週間分まとめて購入する場合も、葉物野菜だけ追加で購入する前提で考えるのがよい」(矢本氏)という。