1つ突き抜けているモノを持つことで、嫉妬も”力”に
ここで青野氏から、今夏に上梓された山里氏の著書『天才はあきらめた』(発行:朝日新聞出版)が紹介された。幼少時や養成所時代のエピソードから、いくつかのコンビ結成/解消を経て2004年、南海キャンディーズとしてM-1グランプリの決勝に進出してブレイクしたときのこと、その翌年、再度出場した同グランプリの決勝で圧倒的な最下位を経験して引退を考えた話など、心の葛藤もありのまま書いた自伝的な1冊となっている。
「内心の叫びが全て生々しく書かれていて、すごいなと思った。ここまで胸襟を開く人は見たことがない」と賞賛する青野氏に、山里氏は「ねたみ、そねみ、恨み、つらみというのが僕の原動力なんです」と笑う。
「嫌なことをされたり、嫌なモノに直面したときに、それを嫌だっていう印象だけで終わらせたら1つも僕のメリットにならないから、『こいつらを燃料に変えるにはどうしたらいいか』を考えることを人生にテーマにしてたんです」(山里氏)
仕事をしなければならないが、眠い。そんなときに、嫌な人のことを思い出して自分の顔をビンタするとすっきりして働けるのだという。そして「あいつのおかげで2時間、睡眠時間を減らすことに成功した。あいつと出会ったのは損じゃなかったんだな」と考えるというのだから、ポジティブだ。
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翻って山里氏が、「ねたみやそねみはないんですか」と問うと、青野氏は「言うのは恥ずかしいと思ってるんですが、ありますよ」と答える。
「僕らの同世代のITベンチャーだと楽天やサイバーエージェントがありますが、全然会社規模も違うわけです。楽天さんなんて球団経営もしてて、俺たち何やってるんだろう、創業時期は変わらないのに情けないなと。嫉妬もねたみもあるんですけど、それを表にするのはやっぱり勇気がいりますよね」(青野氏)
これに対し、山里氏が「今、何やってるんだろうと言いつつも、(楽天やサイバーエージェントが持っていない)エッジの利いた”剣”を持っている自信があるから、今の2つの名前を出して言えたというところはありました?」と切り込むと、「なるほど、おっしゃるとおり。それが自分の心の支えというか、持てなくなると折れちゃうかもしれませんね」と青野氏は驚きつつも同意を示す。
「そういうのを1本持っていると、嫉妬とかがいいほうに働くようになってくれると思うんですよね」と山里氏はうなずき、「僕の場合は、人の悪口を呼吸するように言えるという武器があります。あと、人に便乗するのが上手です」と会場の笑いを誘った。
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