"次の100年"を考えるヤマト運輸は働き方改革で何を重視するのか?

[2018/11/19 09:00]冨永裕子 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

キャパシティ向上を実現する新たな宅急便ネットワーク

新しい働き方に変えるにあたっては、制度化や「個」の力の最大化、徹底的なオペレーションの効率化を行うとしている。そして改革の焦点は宅急便を中心とするデリバリー事業の構造改革にある。具体的には、「持続的な成長を可能にする事業構造の再構築」「プライシング戦略と徹底的な事業効率化による利益率の回復」「地域の課題を解決するビジネス基盤の構築」の3つを進める。

改革で展開するさまざまな施策のうち、代表的なものが「複合型ラストワンマイルネットワーク」と同社が呼ぶ新しい仕組みの構築である。

新しい宅急便ネットワークの仕組み/出典:ヤマト運輸

この仕組みはセールスドライバーが集荷と配達だけでなく、営業活動を通して新しい顧客や潜在ニーズの獲得することを狙ったものだ。これまでのフルタイマーは、セールスドライバーとは言いながらも全員が「先発完投のピッチャー」のようなもので、朝から夜まで集荷と配達に忙しく、顧客ニーズの開拓を行いたくてもその余裕がない状態であったという。

それを生産性が高い午前中にフルタイマーを配置し、午後の遅い時間からは配達を行わずに営業活動をできるように変えた。さらに、フルタイマーが配達を行わない時間帯は配達特化型のドライバーを新しく配置するようにもした。今までのパートタイマーは待遇の問題で継続しないことも多かったが、報酬体系も見直して新しいドライバーネットワークを作った格好だ。

加えて、フルタイマーの配達補助を行うフィールドキャストや大口や規格外の荷物は域内ネットワークで対応することで、収益に直結する集荷配送キャパシティを上げることに成功した。今のところ、計画よりも早くキャパシティ向上が進んでいるという。

このほかにも将来を見据えた数多くの施策を展開しているが、時代や環境変化に伴い、サービスや戦略、体制、プランニングを変えたとしても、「サービスが先、利益は後」「安全第一、営業第二」「お客様の立場で考える」「全員経営」は変わらないと栗栖氏は訴える。象徴的な言葉として、故小倉氏の言である「寿司屋の職人になれ」を紹介し、カウンターを挟んで顧客と対話しながらオススメの寿司を握るように、社員全員が自主的かつ自律的に顧客のためになる仕事をしていくことを改めて表明した。

ヤマト運輸の経営理念の根底に流れるのは「世のため、人のため」の精神だと栗栖氏は述べ、原点に立ち返って2025年のありたい姿の実現に向けて改革を進めていくと強調した。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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