Workdayで人事の刷新に挑む日産 - 最新動向と成功のポイント

[2018/10/18 08:00]末岡洋子 ブックマーク ブックマーク

ギャップを明確にして補うためのプラットフォーム

日産では、2018年~2022年の中期計画として「M.O.V.E.」を打ち出している。今後は、コグニティブ技術やRPAなどによる自動化を進め、これまで反復作業の多い業務を担当していた職員が、より本質的なビジネスに時間を割けるようにしていく。そこで人事は重要な役割を果たすことになるのだが、ヴィジェイ氏は目指す人事の姿を「ヒューマンキャピタル・サプライチェーン」と形容する。

「人事はタレント(人材)を供給する側として、サプライチェーンがどうなっているのかを把握し、(需要と供給に)ギャップがあれば、それを明確にしなければならない」(ヴィジェイ氏)

ギャップは、「内部から育成」「外部から借りる」「ほかの地域から借りる」の3つの方法で埋めることになるが、共通のプラットフォームによって「求めるスキルを持つ人はどこにいるのか」「その人は移動/異動可能か」といったことを把握できる。また、育成でまかなう場合は、米Cornerstone On Demandが提供する学習管理システムをWorkdayと統合し、活用できるようにしている。

このように、日産はコアHRを土台としたタレントマネジメント、リクルート、パフォーマンスを世界で標準化させたが、同社がアライアンスを結ぶRenaultも、Workdayで標準化を進めていくことが発表されている。

こうした一連のプロセスが成功している理由について、ヴィジェイ氏は次のポイントを挙げた。

1. エグゼクティブスポンサーシップ
2. Workdayとの関係

1は幹部が明確な方向性を示す(日産の場合は、標準プラットフォームを導入した)こと。「毎月運営委員会に幹部が積極的に関わることで、全社的に進めることができる」とヴィジャイ氏は語る。

2は、ヴィジェイ氏らがWorkdayと密にコミュニケーションをとっていることを指す。Workdayに限らず、他のクラウドパッケージを利用するにあたっても参考になりそうなポイントだ。

Workdayは、最初から日産が必要としている全ての機能を揃えていたわけではない。だが、Workdayは年2回のアップデートを行っており、インクリメンタルに機能が強化されている。ヴィジャイ氏ら日産チームはWorkdayのデザインパートナーセッションに積極的に参加し、「何がうまくいっているのか/いないのかを伝える。それだけでなく、必要としている機能についてリクエストを挙げた」という。

例えば、日本独自の制度に「出向」がある。これに対応できそうな既存機能として「International Assignmet」もあったものの、やはり根本的に考え方が異なっており、マッチしなかった。そこで、ヴィジャイ氏らが働きかけた結果、日本ならではの出向や転勤に関する機能が実現されたというわけだ。現在は、Prism Analyticsで役職や役割に応じたアクセス制限をかける機能などをリクエストしているという。

「アーリーアダプターとなり、Workdayと一緒に機能を構築する。良好な関係を継続している」とヴィジャイ氏。システムに合わせるところは合わせ、必要な機能は拡張や設定で実現し、必要な機能をリクエストしてベンダーと継続的な関係を構築する――日本企業がクラウド時代のシステムを考えるにあたって、日産の考え方は参考になりそうだ。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

もっと知りたい!こちらもオススメ

人事クラウドのWorkdayが「Skills Cloud」を発表 - スキル表現の標準化へ

人事クラウドのWorkdayが「Skills Cloud」を発表 - スキル表現の標準化へ

「イノベーションラボで働いてくれるプロダクトデザイナーを探してくれる?」とスマートフォンに語りかける。すると「適任の候補者を見つけました」と音声で回答、名前や履歴書を表示する。気に入れば、機械がその候補者と面接担当のスケジュールを見て面接スケジュールを組む――そんな世界がそう遠くない将来、人事にもやってきそうだ。Workdayが10月1日から4日まで、米ラス…

関連リンク

この記事に興味を持ったら"いいね!"を Click
Facebook で IT Search+ の人気記事をお届けします
注目の特集/連載
[解説動画] Googleアナリティクス分析&活用講座 - Webサイト改善の正しい考え方
[解説動画] 個人の業務効率化術 - 短時間集中はこうして作る
ミッションステートメント
教えてカナコさん! これならわかるAI入門
AWSではじめる機械学習 ~サービスを知り、実装を学ぶ~
対話システムをつくろう! Python超入門
Kubernetes入門
SAFeでつくる「DXに強い組織」~企業の課題を解決する13のアプローチ~
PowerShell Core入門
AWSで作るマイクロサービス
マイナビニュース スペシャルセミナー 講演レポート/当日講演資料 まとめ
セキュリティアワード特設ページ

一覧はこちら

今注目のIT用語の意味を事典でチェック!

一覧はこちら

会員登録(無料)

ページの先頭に戻る